道路交通法は、ここ数年ほぼ毎年のように改正されています。2026年だけでも、4月に自転車の青切符と「自転車を追い越すときのルール」、9月に生活道路の法定速度30km/h化と、クルマを運転する人に直接かかわる変更が続きました。
「ニュースで聞いたけれど、いつから何が変わったのか整理できていない」「社用車を使う会社として、何を見直せばいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。とくに社用車を使う会社では、運転者個人の違反がそのまま会社の責任につながることがあります。
この記事では、2019年以降の主な道路交通法改正を施行日順の一覧表で整理したうえで、2026年施行の最新ルールを詳しく解説します。後半では、社用車を使う会社が法改正のたびに見直すべきことや、役員車・送迎の運転で特に気をつけたいポイントもまとめました(2026年10月時点の情報です)。
- 道路交通法の最近の改正を、施行日順にまとめて確認したい方
- 社用車の運転ルールや安全運転管理の見直しを担当している総務・管理部門の方
- 役員車や送迎車の運転を任されている、または任せている方
このような方は、ぜひ参考にしてください。
道路交通法改正の一覧|2019年以降の主な変更点を施行日順に整理
まずは、2019年以降に施行された主な改正を一覧で確認しましょう。道路交通法そのものの改正だけでなく、政令(施行令)や内閣府令(施行規則)の改正、関連する法律の改正もあわせて載せています。
最近の改正と施行日がひと目でわかる早見表
結論からいうと、社用車を使う会社が特に押さえておきたいのは、ながら運転・あおり運転の厳罰化、アルコールチェックの義務化、2026年の側方通過ルールと生活道路の30km/h化の4つです。施行日の古い順に並べると、次のとおりです。
| 施行日 | 主な改正内容 | 主な対象 | 社用車への影響 |
|---|---|---|---|
| 2019年12月1日 | ながら運転(運転中のスマホ使用)の罰則強化 | 自動車・原付の運転者 | 大きい |
| 2020年4月1日 | 自動運転レベル3に対応したルールの整備 | 自動運行装置付きの車 | 小さい |
| 2020年6月30日 | あおり運転(妨害運転罪)の創設 | すべての運転者 | 大きい |
| 2022年4月1日 | 安全運転管理者による酒気帯びの目視確認の義務化 | 安全運転管理者を置く事業所 | 大きい |
| 2022年5月13日 | 75歳以上の運転技能検査、サポカー限定免許の導入 | 高齢の運転者 | 中(高齢の役員・運転手) |
| 2023年4月1日 | 自転車ヘルメットの努力義務化、自動運転レベル4の許可制度 | 自転車利用者、自動運転の事業者 | 小さい |
| 2023年7月1日 | 電動キックボード(特定小型原付)の新ルール | 特定小型原付の利用者 | 中(周りを走る車として) |
| 2023年12月1日 | アルコール検知器による確認の義務化 | 安全運転管理者を置く事業所 | 大きい |
| 2024年4月1日 | 大型トラックの高速道路での法定速度を90km/hに引き上げ(施行令) | 大型貨物自動車 | 中(物流を使う会社) |
| 2024年11月1日 | 自転車のながらスマホ・酒気帯び運転の罰則化 | 自転車利用者 | 中(自転車通勤の社員) |
| 2025年3月24日 | マイナ免許証の運用開始、オンライン講習 | 運転免許の保有者 | 小さい |
| 2025年4月1日 | 総排気量125cc以下・最高出力4.0kW以下の新基準原付を原付免許で運転可能に(施行規則) | 原付免許の保有者 | 小さい |
| 2025年6月1日 | 刑法改正により懲役・禁錮が拘禁刑に一本化(交通違反の罰則にも適用) | すべての運転者 | 小さい |
| 2026年4月1日 | 自転車の青切符導入、自転車の右側を通過するときのルール新設、普通仮免許の年齢要件の引き下げ | 自動車・自転車の利用者 | 大きい |
| 2026年7月21日 | 危険運転致死傷罪に飲酒・速度の数値基準を新設(自動車運転処罰法) | すべての運転者 | 中 |
| 2026年9月1日 | 中央線などがない一般道路の法定速度を30km/hに引き下げ(施行令) | すべての運転者 | 大きい |
表の「社用車への影響」は、法人の車両管理の観点から見た目安です。営業車や役員車など、毎日人を乗せて走る車ほど、2026年の改正の影響を強く受けます。
なお、2025年6月1日からは刑法の改正により、懲役と禁錮が「拘禁刑」に一本化されました。以前の資料で「1年以下の懲役」と書かれていた交通違反の罰則も、現在は「1年以下の拘禁刑」となっています。この記事でも、現在の呼び方で記載しています。
法律の改正と施行令・施行規則の改正の違い
「道路交通法の改正」とひとことでいっても、実は変わる場所が3つあります。国会で決める法律そのもの、内閣が定める政令(道路交通法施行令)、内閣府令(道路交通法施行規則)です。
| 区分 | 決める機関 | 主に決めていること | 最近の例 |
|---|---|---|---|
| 道路交通法(法律) | 国会 | 交通ルールの大枠、罰則、免許制度 | 自転車の青切符、側方通過ルール、あおり運転の罰則 |
| 道路交通法施行令(政令) | 内閣 | 法定速度、反則金の額、細かな基準 | 生活道路の30km/h化、大型トラックの90km/h化 |
| 道路交通法施行規則(内閣府令) | 内閣府(国家公安委員会) | 安全運転管理者の業務、免許の手続き、車両の区分 | アルコール検知器の確認義務、新基準原付 |
この違いを知っておくと、ニュースの読み方が変わります。たとえば2026年9月1日に始まった生活道路の30km/h化は、法律ではなく施行令の改正です。法律の改正は国会審議を経るため成立から施行まで1〜2年ほどかかるのが一般的ですが、施行令や施行規則は国会を通らずに改正されるため、比較的短い期間で施行されることがあります。
社用車の安全運転管理に直結するアルコールチェックの義務も、法律ではなく施行規則に書かれています。2022年4月の目視確認、2023年12月の検知器による確認は、いずれも施行規則の改正によるものです。法律の改正だけ追っていると、会社の実務にかかわる変更を見落としやすい点に注意しましょう。
道路交通法の改正情報はどこで発表される?確認先まとめ
改正の情報を確かめるときは、ニュース記事だけでなく、公的機関が出している一次情報を確認するのが確実です。主な確認先は次のとおりです。
| 警察庁 Webサイト | 改正の概要、ポスター・リーフレット、Q&A。社内の周知資料づくりにも使いやすい |
|---|---|
| e-Gov法令検索 | 道路交通法・施行令・施行規則の最新の条文。施行日ごとの改正履歴も確認できる |
| 都道府県警察の Webサイト | 地域の取り締まり方針や、都道府県ごとの道路交通規則(スマホ・イヤホンの扱いなど) |
| 官報 | 法律・政令・府令が公布された日と、施行日を定める規定 |
| 国土交通省 Webサイト | 車両の保安基準(踏み間違い防止装置など)、事業用自動車のルール |
警察庁の道路交通法等の改正のページには、改正ごとのポスターやリーフレットがまとめて掲載されています。社内の掲示板やメールでの周知に、そのまま活用できる資料も多いです。条文そのものを確かめたいときは、e-Gov法令検索の道路交通法で最新の内容を確認できます。
なお、スマホのハンズフリー通話やイヤホンの扱いのように、都道府県ごとの道路交通規則で決まっているルールもあります。複数の都県をまたいで走る社用車は、主に走る地域のルールを確認しておくと安心です。
【2026年施行】最新の道路交通法改正と変更点
2026年は、2024年に成立した改正道路交通法(令和6年法律第34号)の大部分が4月1日に施行され、9月1日には施行令の改正で生活道路の法定速度が変わりました。クルマを運転する人にとっても、自転車を利用する人にとっても変化の大きい1年です。
- 2026年4月1日施行|自転車の青切符(反則金制度)の導入
- 2026年4月1日施行|車が自転車の右側を通過するときのルール新設
- 2026年4月1日施行|普通仮免許の年齢要件の引き下げ
- 2026年9月1日施行|生活道路の法定速度が30km/hに引き下げ
- あわせて押さえたい2026年のクルマ関連の変更(踏み間違い防止装置・危険運転致死傷罪)
2026年4月1日施行|自転車の青切符(反則金制度)の導入
2026年4月1日から、16歳以上の自転車の交通違反に「青切符」(交通反則通告制度)が使われるようになりました。対象となる違反は113種類で、これまで刑事手続き(赤切符)しかなかった自転車の違反を、反則金の納付で済ませられるようにした制度です。
主な違反と反則金の額は次のとおりです。
| 違反の内容 | 反則金の額 |
|---|---|
| 携帯電話を使用しながらの運転(ながらスマホ) | 12,000円 |
| 信号無視 | 6,000円 |
| 通行区分違反(右側通行・逆走など) | 6,000円 |
| 遮断踏切への立ち入り | 7,000円 |
| 一時不停止、傘差し運転、イヤホンの使用、無灯火、ブレーキ不良 | 5,000円 |
| 並進、二人乗り | 3,000円 |
ただし、違反を見つけたらすぐに青切符を切るわけではなく、基本は指導・警告で、悪質・危険な違反に青切符を交付するという運用です。また、酒酔い・酒気帯び運転や妨害運転(あおり運転)などの重大な違反は、これまでどおり赤切符の対象になります。16歳未満は青切符の対象外で、指導・警告が中心です。
会社にとって関係が深いのは、自転車で通勤する社員や、業務で自転車を使う社員がいる場合です。通勤中のながらスマホで反則金を科されるだけでなく、事故を起こせば会社の安全配慮も問われかねません。警察庁の自転車の安全利用の促進のページには、ルールブックや反則金の一覧がまとまっているので、社内周知に活用するとよいでしょう。
2026年4月1日施行|車が自転車の右側を通過するときのルール新設
同じく2026年4月1日から、自動車が自転車の右側を追い越したり、すれ違ったりするときのルールが新しく設けられました(道路交通法第18条第3項)。社用車を運転するすべての人にかかわる改正です。
| クルマ側の義務 | 自転車との間に十分な間隔がないときは、間隔に応じた安全な速度で進行する |
|---|---|
| 自転車側の義務 | できる限り道路の左側端に寄って通行する |
| 間隔と速度の目安 | 側方の間隔は少なくとも1m程度。確保できない場合は時速20〜30km程度まで減速するのが望ましい(警察庁の資料) |
| 反則金(違反点数2点) | 大型車9,000円、普通車7,000円、二輪車6,000円、原付5,000円 |
| あわせて変わったこと | この通行方法の違反が、妨害運転(あおり運転)の違反類型に追加された |
ポイントは、法律で「何m空ければよい」「何km/hまで落とせばよい」と数字が決まっているわけではないことです。1m・20〜30km/hはあくまで目安で、道幅や自転車のふらつき、雨の日の傘差しなど、状況に応じた判断が求められます。
もうひとつ見逃せないのが、この違反が妨害運転(あおり運転)の対象にも加わった点です。自転車に幅寄せしたり、近い距離で追い抜いて威圧したりする行為は、悪質と判断されると妨害運転罪として重く処罰される可能性があります。営業車や送迎車は、急いでいるときほど自転車の真横をすり抜けがちなので、社内ルールで明確に注意を促しておきましょう。
2026年4月1日施行|普通仮免許の年齢要件の引き下げ
2026年4月1日からは、普通・準中型の仮免許を17歳6か月から受けられるようになりました。これまでは18歳以上が条件だったため、早生まれの高校3年生は卒業までに教習を終えにくいという課題がありました。
| 対象の免許 | 普通仮免許・準中型仮免許(本免許の試験も17歳6か月から受験可能) |
|---|---|
| 変更前 | 18歳以上 |
| 変更後 | 17歳6か月以上(18歳の誕生日の6か月前から) |
| 本免許の交付 | これまでどおり18歳以上。18歳未満で本試験に合格しても、交付は18歳になってから |
| 施行日 | 2026年4月1日 |
警視庁の案内によると、仮免許は17歳6か月以降に取得でき、運転免許証の交付は18歳以降とされています。
会社への直接の影響は小さいものの、春に入社する新卒社員の中に、免許を取ったばかりの人が増える可能性があります。社用車を新入社員に運転させる会社は、免許取得日や運転経験を確認し、初心者マークの期間(免許取得から1年)は単独での長距離運転を避けるなど、社内の運用を決めておくと安心です。
2026年9月1日施行|生活道路の法定速度が30km/hに引き下げ
2026年9月1日からは、改正道路交通法施行令により、中央線や車両通行帯がない一般道路の法定速度が、時速60kmから30kmに引き下げられました。住宅街などの、いわゆる生活道路での事故を減らすための改正です。
| 対象の道路 | 中央線(センターライン)や車両通行帯がない一般道路 |
|---|---|
| 想定している道路 | 主に幅員5.5m未満の道路(生活道路に法律上の定義はない) |
| 法定速度 | 時速60km → 時速30km |
| 60km/hのままの道路 | 中央線・車両通行帯がある一般道路、往復の方向別に分離された一般道路、自動車専用道路など |
| 標識がある道路 | 標識・標示で指定された最高速度が優先(例:生活道路でも40km/hの標識があれば40km/h) |
注意したいのは、対象の道路には速度標識が立っていないことが多い点です。「標識がないから60km/hまで出してよい」という以前の感覚のまま走ると、速度超過になってしまいます。世田谷区の案内のように、自治体も住民向けの周知を進めています。
社用車にとっては、抜け道として使っていた住宅街の道路や、取引先・自宅周辺の細い道が対象になりやすく、送迎や営業回りの所要時間にも影響します。具体的な見直し方は、後半の「生活道路の30km/h化で送迎ルートと所要時間を見直す」で解説します。
あわせて押さえたい2026年のクルマ関連の変更(踏み間違い防止装置・危険運転致死傷罪)
道路交通法の改正ではありませんが、2026年はクルマにかかわる重要な法改正がほかにもありました。社用車の買い替えや、運転者への教育で知っておきたい2つを紹介します。
1つ目は、危険運転致死傷罪の見直しです。2026年6月に改正自動車運転処罰法が成立し、7月21日に施行されました。これまで「正常な運転が困難な状態」などの要件があいまいだと指摘されていた飲酒と高速度の類型に、数値の基準が設けられています。
| 飲酒の基準 | 呼気1Lあたり0.5mg以上(血液1mLあたり1.0mg以上)のアルコールを保有する状態 |
|---|---|
| 高速度の基準(一般道) | 最高速度60km/h以下の道路で、最高速度を50km/h以上超える速度 |
| 高速度の基準(高速道路など) | 最高速度が60km/hを超える道路で、最高速度を60km/h以上超える速度 |
| 新しく加わった類型 | ことさらにタイヤを滑らせる・浮かせるなどして、進行の制御が難しい状態で走行させる行為(ドリフト走行など) |
| 施行日 | 2026年7月21日 |
数値を下回っていても、状況によっては従来の要件で危険運転と判断されることがあります。「基準未満なら大丈夫」ではなく、飲酒運転とスピード違反は絶対にしないという教育が引き続き重要です。
2つ目は、ペダル踏み間違い時加速抑制装置の義務化です。国土交通省は、AT車などの乗用車(乗車定員10人未満)について、新型車は2028年9月以降、輸入車は2029年9月以降に装置の搭載を義務づけることを決めています。さらに2026年1月には、車両総重量3.5t以下のAT貨物車にも対象を広げる方針(新型車は2030年9月から)が示されました。すでに使っている車が義務化の対象になるわけではありませんが、社用車を入れ替えるときは、装置付きの車を選ぶのが安全面でも合理的です。
2024〜2025年施行の道路交通法改正
2024〜2025年は、トラックの法定速度の引き上げや、自転車の罰則強化、運転免許証とマイナンバーカードの一体化など、生活や物流に身近な改正が続きました。
2024年4月1日施行|大型トラックの高速道路での法定速度引き上げ
2024年4月1日、道路交通法施行令の改正により、車両総重量8t以上などの大型貨物自動車の高速道路での法定速度が、時速80kmから90kmに引き上げられました。トラック運転者の時間外労働の上限規制が始まった、いわゆる「物流の2024年問題」への対応策のひとつです。
| 対象 | 大型貨物自動車(車両総重量8t以上・最大積載量5t以上など)、特定中型貨物自動車 |
|---|---|
| 変更前 | 高速道路での法定速度 80km/h |
| 変更後 | 高速道路での法定速度 90km/h |
| 変わらないもの | 普通車・中型車の法定速度(100km/h)、標識による指定速度 |
| 背景 | トラック運転者の時間外労働の上限規制(物流の2024年問題) |
大型トラックを持たない会社には直接の影響はありませんが、高速道路で大型トラックと並走する場面は増えています。社用車で高速道路を使う運転者には、車間距離を十分にとる、トラックの死角に長く留まらないといった基本を改めて伝えておくとよいでしょう。
2024年11月1日施行|自転車のながらスマホ・酒気帯び運転の罰則化
2024年11月1日からは、自転車のながらスマホと酒気帯び運転に新しい罰則が設けられました。2026年4月の青切符導入の前段階にあたる改正です。
| 違反の内容 | 罰則 |
|---|---|
| 自転車のながらスマホ(通話・画面の注視) | 6か月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金 |
| ながらスマホで交通の危険を生じさせた場合 | 1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 |
| 自転車の酒気帯び運転 | 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
| 酒気帯び運転をするおそれがある人への自転車の提供 | 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
| 自転車の酒気帯び運転者への酒類の提供・同乗 | 2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 |
※2025年6月の刑法改正にあわせ、懲役を拘禁刑と表記しています。
特に会社に関係するのは、飲み会のあとに自転車で帰る社員です。お酒を出した側や、飲酒を知りながら自転車を貸した側にも罰則があるため、懇親会や接待のあとの帰宅手段は、主催者側も気にかけておく必要があります。2026年4月以降、自転車のながらスマホは青切符(反則金12,000円)の対象にもなっています。
2025年3月24日施行|マイナ免許証の運用開始
2025年3月24日から、マイナンバーカードに運転免許の情報を記録した「マイナ免許証」の運用が始まりました。免許証の持ち方は、次の3通りから選べます。
| マイナ免許証のみ | マイナンバーカードを免許証として使う。従来の免許証は持たない |
|---|---|
| 従来の免許証のみ | これまでどおり、プラスチックの運転免許証を使う |
| 2枚持ち | マイナ免許証と従来の免許証の両方を持つ |
| オンライン講習 | 優良運転者・一般運転者は、更新時講習をオンラインで受講できる(マイナ免許証の保有が条件) |
マイナ免許証のみを選んだ人は、券面に免許の条件や有効期限が印字されていません。会社が運転者の免許を確認するときの方法を見直す必要があります。マイナポータルの「免許情報」の画面や、スマホアプリで読み取った内容で確認するなど、社内の確認手順を決めておきましょう。免許の有効期限や条件(AT限定・眼鏡等)を台帳で管理している会社は、確認方法の変更を規程に反映しておくと確実です。
2022〜2023年施行の道路交通法改正
2022〜2023年は、社用車を使う会社にとって最も影響の大きい改正が集中した時期です。白ナンバーの社用車でもアルコールチェックが義務になり、安全運転管理者の業務が大きく増えました。
- 2022年4月1日施行|安全運転管理者による酒気帯びの目視確認の義務化
- 2022年5月13日施行|75歳以上の運転技能検査とサポカー限定免許
- 2023年4月1日施行|自転車ヘルメットの努力義務化と自動運転レベル4の解禁
- 2023年7月1日施行|電動キックボード(特定小型原付)の新ルール
- 2023年12月1日施行|アルコール検知器による確認の義務化
2022年4月1日施行|安全運転管理者による酒気帯びの目視確認の義務化
2022年4月1日、道路交通法施行規則の改正により、安全運転管理者を選任している事業所で、運転前後の酒気帯びの確認と記録が義務になりました。これまでアルコールチェックが義務づけられていたのは、バスやトラック、タクシーなどの緑ナンバー(事業用自動車)が中心でしたが、白ナンバーの社用車にも対象が広がったのがこの改正です。
| 対象の事業所 | 乗車定員11人以上の車を1台以上、またはその他の車を5台以上使う事業所(二輪車は0.5台で計算) |
|---|---|
| 義務の内容 | 運転前後に、運転者の顔色・呼気のにおい・声の調子などで酒気帯びの有無を確認する |
| 記録 | 確認者・運転者・確認の日時と方法・結果などを記録し、1年間保存する |
| 確認の方法 | 対面が原則。直行直帰などで対面できない場合は、カメラやモニター、携帯電話などで顔色や声を確認する |
安全運転管理者を選任しなかった場合は、2022年10月以降、50万円以下の罰金の対象になっています(以前は5万円以下)。「台数が少ないからうちは関係ない」と思っていても、営業所ごとに5台以上あれば選任が必要なので、拠点ごとの台数を確認しておきましょう。制度の全体像は、警察庁の安全運転管理者制度のページで確認できます。
2022年5月13日施行|75歳以上の運転技能検査とサポカー限定免許
2022年5月13日からは、高齢の運転者への対策として、運転技能検査とサポートカー限定免許が導入されました。
| 運転技能検査 | 75歳以上で、過去3年間に信号無視などの一定の違反歴がある人は、免許更新時に実車での検査に合格しなければ更新できない |
|---|---|
| 認知機能検査 | 75歳以上は、更新時に認知機能検査を受ける(運転技能検査の対象者は両方を受ける) |
| サポカー限定免許 | 申請により、衝突被害軽減ブレーキなどを備えた「サポートカー」に限って運転できる条件を普通免許に付けられる |
| 二種免許などの受験資格の特例 | 指定の教習を修了すれば、二種・大型免許を19歳以上・普通免許等の保有1年以上で受験できる |
詳しい対象違反や手続きは、警察庁の高齢運転者対策のページにまとまっています。
会社として気にかけたいのは、高齢の役員がご自身で社用車を運転しているケースです。更新のたびに検査を受ける負担が増えるだけでなく、ご家族や社内から運転を控えてほしいという声が上がることもあります。そうした場合は、運転手を付けて移動を任せるのもひとつの方法です。役員の移動に運転手を付ける考え方は、お抱え運転手の仕事内容と雇うメリットの記事でも紹介しています。
2023年4月1日施行|自転車ヘルメットの努力義務化と自動運転レベル4の解禁
2023年4月1日には、2つの改正が施行されました。ひとつは、年齢を問わずすべての自転車利用者にヘルメットの着用が努力義務になったことです。罰則はありませんが、自転車事故で亡くなった人の多くは頭部に致命傷を負っているため、着用が強く勧められています。
もうひとつは、運転者がいない状態で走る自動運転レベル4(特定自動運行)の許可制度の創設です。限定された地域・条件のもとで、遠隔監視による無人の自動運転サービスが可能になりました。
| 自転車ヘルメット | すべての自転車利用者に着用の努力義務(罰則なし)。保護者は子どもに着用させる努力義務 |
|---|---|
| 自動運転レベル4 | 特定自動運行(運転者のいない自動運転)を都道府県公安委員会の許可制で解禁 |
| レベル4の主な用途 | 過疎地の移動サービス、決まったルートを走るバスなど |
| 社用車への影響 | 自転車通勤の社員への着用の呼びかけ。レベル4は現時点で一般の社用車には直接の影響なし |
自転車で通勤・業務をする社員がいる会社は、ヘルメットの購入補助や着用ルールを就業規則・通勤規程に盛り込む例も増えています。2026年の青切符導入とあわせて、自転車の安全ルールを見直すきっかけにするとよいでしょう。
2023年7月1日施行|電動キックボード(特定小型原付)の新ルール
2023年7月1日から、一定の基準を満たす電動キックボードなどが「特定小型原動機付自転車(特定小型原付)」という新しい区分になり、16歳以上であれば運転免許なしで乗れるようになりました。
| 運転できる人 | 16歳以上(運転免許は不要) |
|---|---|
| 最高速度 | 車道は時速20km以下。歩道を走れる「特例特定小型原付」モードでは時速6km以下 |
| 走れる場所 | 車道(左側)や普通自転車専用通行帯。特例モードなら一部の歩道も可 |
| 必要なもの | ナンバープレート、自賠責保険への加入。ヘルメットは努力義務 |
クルマを運転する側から見ると、車道を時速20km以下で走る電動キックボードと出会う場面が都市部で増えています。自転車と同じように、追い越すときは十分な間隔をとり、交差点での巻き込みにも注意が必要です。詳しいルールは、警察庁の特定小型原動機付自転車のページで確認できます。
2023年12月1日施行|アルコール検知器による確認の義務化
2022年4月の目視確認に続き、2023年12月1日からはアルコール検知器を使った酒気帯びの確認が義務になりました。当初は2022年10月の予定でしたが、半導体不足などで検知器の供給が追いつかず、延期されていたものです。
| 対象の事業所 | 安全運転管理者を選任している事業所(目視確認と同じ) |
|---|---|
| 義務の内容 | 運転前後の確認で、目視に加えてアルコール検知器を使う |
| 検知器の条件 | 呼気中のアルコールの有無や濃度を、警告音・警告灯・数値などで示す機能があるもの |
| 検知器の管理 | 常に正常に使える状態を保つ(故障や電池切れ、使用期限の確認) |
| 記録の保存 | 確認の記録を1年間保存する(紙・データどちらでも可) |
ここで気をつけたいのが、直行直帰や出張、役員車の早朝・深夜の送迎など、事業所で対面できない場面です。この場合も、運転者に携帯型の検知器を持たせ、カメラ付きの通話などで顔色と検知結果をあわせて確認する必要があります。外部の運転手に役員車の運転を任せている場合も、誰がどのように確認し、記録をどこに残すのかを契約の段階で決めておくと、確認漏れを防げます。
2019〜2020年施行の道路交通法改正
2019〜2020年は、社会問題になった運転中のスマホ使用とあおり運転への罰則が大きく強化された時期です。運転者だけでなく、社用車であれば会社の信用にもかかわる違反なので、改めて内容を押さえておきましょう。
2019年12月1日施行|ながら運転(運転中のスマホ使用)の厳罰化
2019年12月1日から、運転中に携帯電話を手に持って通話したり、画面を注視したりする「ながら運転」の罰則が大幅に強化されました。
| 違反の種類 | 罰則 | 違反点数 | 反則金(普通車) |
|---|---|---|---|
| 携帯電話使用等(保持) | 6か月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金 | 3点 | 18,000円 |
| 携帯電話使用等(交通の危険) | 1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 | 6点(免許停止) | 対象外(すぐに刑事手続き) |
※2025年6月の刑法改正にあわせ、懲役を拘禁刑と表記しています。
改正前と比べると、保持の違反点数は1点から3点に、交通の危険を生じさせた場合は2点から6点に引き上げられました。交通の危険を生じさせた場合は一発で免許停止になるため、営業車を毎日運転する社員にとっては、仕事そのものに支障が出かねません。
社用車では、運転中に上司や取引先から電話がかかってくることが、ながら運転の大きな原因になります。「運転中は電話に出ない」「折り返しは停車してから」を社内ルールとして明文化し、電話をかける側にも周知しておくことが大切です。
2020年4月1日施行|自動運転レベル3に対応したルールの整備
2020年4月1日には、自動運転レベル3(条件付き自動運転)に対応するルールが整備されました。高速道路の渋滞時など、決められた条件のもとでシステムが運転を担う「自動運行装置」を使うことが、法律上の「運転」として位置づけられています。
| レベル3の位置づけ | 自動運行装置を使った運転も「運転」に含まれる |
|---|---|
| 運転者に認められること | システムの作動中は、スマホやカーナビの画面を注視することも可能 |
| 運転者の義務 | システムから引き継ぎを求められたら、ただちに運転操作を引き継げる状態でいること |
| 使えない場面 | 飲酒時、居眠りなど、すぐに運転を引き継げない状態 |
レベル3の機能を持つ車は一部の車種に限られ、使える条件も限定されています。レベル2までの運転支援機能(車線維持や追従走行)では、運転者が常に運転の責任を負う点は変わりません。社用車に運転支援機能付きの車を導入するときは、「どこまで車に任せてよいのか」を運転者に正しく伝えておきましょう。
2020年6月30日施行|あおり運転(妨害運転罪)の創設
2020年6月30日には、いわゆるあおり運転を取り締まる「妨害運転罪」が創設されました。相手の通行を妨げる目的で、車間距離を極端に詰める、急ブレーキをかける、幅寄せするなどの行為が対象です。
| 区分 | 罰則 | 違反点数・行政処分 |
|---|---|---|
| 妨害運転(交通の危険のおそれ) | 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 | 25点・免許取消し(欠格期間2年) |
| 妨害運転(著しい交通の危険) | 5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 | 35点・免許取消し(欠格期間3年) |
※2025年6月の刑法改正にあわせ、懲役を拘禁刑と表記しています。
対象になる行為は、車間距離不保持、急ブレーキ、進路変更の妨害、幅寄せ、高速道路での駐停車など当初は10類型で、2026年4月からは自転車の側方通過の違反も加わりました。一度でも違反すれば免許取消しになるため、社用車の運転者がもし加害者になれば、業務を続けられなくなります。
逆に、あおり運転の被害にあうこともあります。社用車には前後を記録できるドライブレコーダーを付け、被害にあったときは車外に出ずにドアをロックし、110番通報するという対応を、運転者に伝えておきましょう。
社用車を使う会社が法改正のたびに見直すべき4つのこと
ここまで見てきたように、道路交通法はほぼ毎年改正されます。改正のたびに慌てないためには、見直す項目をあらかじめ決めておくことが大切です。社用車を使う会社がチェックしたいのは、次の4つです。
- 運転者への周知と社内の交通安全教育を更新する
- 安全運転管理者の業務とアルコールチェックの記録を点検する
- 社用車の運転規程(スマホ・速度・自転車との距離)を書き換える
- 違反・事故が起きたときの会社の責任と対応の流れを決めておく
運転者への周知と社内の交通安全教育を更新する
最初にやるべきことは、改正の内容を運転するすべての人に伝えることです。とくに2026年の側方通過ルールや生活道路の30km/h化のように、毎日の運転にかかわる改正は、施行日より前に周知しておく必要があります。
- 警察庁や都道府県警察のリーフレットを使い、変更点を1枚にまとめて配布する
- 朝礼や安全運転講習で、変更点と社内ルールの変更をあわせて説明する
- 社用車を運転する社員から、内容を理解したことの確認(署名やチェック)をとる
- アルバイトや外部の運転手など、社員以外で社用車を運転する人にも同じ内容を伝える
安全運転管理者には、運転者に対する安全運転の指導が業務として定められています。改正のたびに指導の記録を残しておくと、万一の事故の際に「会社として教育をしていた」ことを示す根拠にもなります。
安全運転管理者の業務とアルコールチェックの記録を点検する
次に、安全運転管理者の業務が今のルールに合っているかを点検します。2022年と2023年の改正で業務の範囲が大きく広がったため、選任当時の運用のままになっていないか確認が必要です。
| 選任の要否 | 拠点ごとの台数(乗車定員11人以上は1台、その他は5台以上)を確認する |
|---|---|
| 選任の届出 | 選任・解任から15日以内に、事業所を管轄する警察署へ届け出る |
| アルコールチェック | 運転前後の目視と検知器による確認、記録の1年保存 |
| 検知器の管理 | 故障・電池切れ・使用期限を定期的に点検する |
| 副安全運転管理者 | 20台以上の事業所では、台数に応じて副安全運転管理者も選任する |
アルコールチェックは、記録が抜けている日がないか、検知器を使わず目視だけで済ませていないかを月に1回は見直すと安心です。直行直帰の多い営業部門や、早朝・深夜に運転する役員車は、記録の抜けが起きやすいポイントです。
社用車の運転規程(スマホ・速度・自転車との距離)を書き換える
3つ目は、社用車の運転規程(車両管理規程)を改正の内容に合わせて書き換えることです。規程に古いルールが残っていると、運転者が迷ったり、事故の際に会社の管理体制を疑われたりする原因になります。
- 運転中は携帯電話を手に持たない・画面を注視しない(通話は停車してから)
- 中央線のない道路は時速30km以下で走る(標識がある場合は標識に従う)
- 自転車を追い越すときは1m程度の間隔をあけ、とれないときは減速する
- 運転前後のアルコールチェックを必ず受け、結果を記録する
- 運転支援機能を使っていても、運転者が運転の責任を負う
規程の書き方は、ルールを並べるだけでなく、違反したときの社内での扱い(指導・運転停止など)までセットで決めておくと実効性が高まります。
違反・事故が起きたときの会社の責任と対応の流れを決めておく
最後に、社用車で違反や事故が起きたときの対応を決めておきます。社用車の事故では、運転者本人だけでなく、会社も使用者責任(民法第715条)や運行供用者責任(自動車損害賠償保障法第3条)を負うのが原則です。
| 反則金・罰金 | 違反をした運転者本人に科される。会社が負担しても経費にはならない点に注意 |
|---|---|
| 放置違反金 | 運転者が出頭しない場合、車の使用者(会社)に放置違反金の納付が命じられる |
| 損害賠償 | 使用者責任・運行供用者責任により、会社が被害者に賠償する責任を負うことがある |
| 行政処分 | 運転者の違反が会社の指示によるものだった場合、会社が下命・容認の罪に問われることもある |
事故が起きたときは、負傷者の救護、警察への報告、会社への連絡、保険会社への連絡の順で対応するのが基本です。この流れを1枚にまとめて社用車に備えておくと、運転者が慌てずに動けます。
役員車・送迎の運転で特に気をつけたい改正ポイント
役員車や来賓の送迎は、時間どおりに着くことと、後部座席の方が安心して過ごせることの両方が求められる運転です。ここでは、最近の改正の中から、送迎の運転で特に影響の大きいポイントを取り上げます。
生活道路の30km/h化で送迎ルートと所要時間を見直す
2026年9月からの生活道路の30km/h化は、役員の自宅へのお迎えや、取引先への送迎ルートに影響します。住宅街の中にある自宅や、細い道を抜けていくルートは、以前より時間がかかることがあります。
- 自宅・本社・主な訪問先の周辺で、中央線のない道路を通る区間を洗い出す
- 抜け道として使っていた住宅街の道路を、幹線道路中心のルートに変えられないか検討する
- 生活道路を通る区間の所要時間を、30km/h前提で計算し直す
- 朝のお迎え時刻や、会議・会食の前の出発時刻に余裕を持たせる
距離が短い区間でも、時速60kmと30kmでは通過にかかる時間が単純計算で2倍になります。「いつもの時間に出たら遅れた」を防ぐには、法改正のタイミングで送迎のスケジュールそのものを見直すことが大切です。専属の運転手がいる場合は、運転手からルートの提案をもらうのもよい方法です。
自転車を追い越すときの側方の間隔と減速
都心の送迎では、車道を走る自転車やシェアサイクル、電動キックボードの横を通る場面が日常的にあります。2026年4月からは、十分な間隔がとれないときは減速しなければならないことが法律で定められました。
後部座席の方を乗せた送迎では、急ハンドルや急ブレーキは乗り心地を大きく損ないます。自転車を見つけたら早めに減速し、間隔をとれる場所まで無理に追い越さないのが、安全面でも快適さの面でも理想的な運転です。
- 自転車を見つけたら、追い越す前に早めにアクセルを緩める
- 1m程度の間隔がとれない場合は、時速20〜30km程度に落とす
- 対向車が来ていて間隔をとれないときは、自転車の後ろで待つ
- 左折時は、後ろから来る自転車の巻き込みに特に注意する
運転技術の高いドライバーほど、こうした場面での判断が丁寧です。「急がない運転」が結果的に時間どおりの到着と、後部座席の快適さにつながると考えましょう。
ハンズフリー通話はOK?ながら運転になる線引き
役員車の運転では、運転中に秘書や本人から連絡が入ることもあります。気になるのが、ハンズフリー通話がながら運転になるかどうかです。
結論からいうと、道路交通法で禁止されているのは、携帯電話を「手に持って」通話することと、画面を「注視」することです。手に持たずに使えるハンズフリー機器での通話そのものは、道路交通法の携帯電話使用等の違反にはあたりません。
| 状況 | ながら運転にあたるか |
|---|---|
| スマホを手に持って通話する | あたる |
| スマホやカーナビの画面を注視する | あたる |
| ハンズフリー機器で通話する(手に持たない) | 道路交通法ではあたらない(都道府県の規則で制限される場合あり) |
| 停車中に通話・操作する | あたらない |
ただし、都道府県ごとの道路交通規則では、周りの音が聞こえないような状態での運転を禁止しているところが多く、イヤホンを両耳に付けての通話などは違反になるおそれがあります。また、通話に気を取られて事故を起こせば、安全運転義務違反に問われる可能性もあります。
送迎中の運転手は、原則として運転中は通話せず、連絡は停車してから折り返す運用にしておくのが確実です。後部座席の方の会話や通話の内容が外に漏れないよう配慮することも、送迎の運転手に求められる大切な役割です。
道路交通法改正に関するよくある質問
最後に、道路交通法の改正についてよく寄せられる質問にお答えします。
- 道路交通法は毎年改正されるの?
- 施行日より前の違反にも新しいルールが適用される?
- 自転車の青切符は何歳から対象になる?
- 白ナンバーの社用車でもアルコールチェックは必要?
- 改正の最新情報を見逃さないためにはどうすればいい?
道路交通法は毎年改正されるの?
道路交通法そのものの改正は、おおむね1〜2年に1回のペースで国会で成立しています。そのうえで、施行令や施行規則の改正は毎年のように行われているため、ドライバーから見ると「毎年何かが変わっている」状態です。
また、1つの改正法の中身が、数回に分けて施行されることもあります。2024年に成立した改正道路交通法は、自転車のながらスマホの罰則が2024年11月、青切符や側方通過のルールが2026年4月と、段階的に施行されました。成立日ではなく施行日を確認することが大切です。
施行日より前の違反にも新しいルールが適用される?
適用されません。日本の法律では、行為をしたときに罰則がなかったものを、あとからできた法律でさかのぼって処罰することはできない(刑罰不遡及の原則)とされています。
たとえば、2026年3月までの自転車の違反に、あとから青切符が切られることはありません。逆に、施行日の当日からは新しいルールが適用されるため、「施行されたばかりで知らなかった」は通用しません。施行日より前に社内周知を済ませておくことが大切です。
自転車の青切符は何歳から対象になる?
16歳以上が対象です。16歳未満の人は、交通ルールや反則金の制度の理解に個人差が大きいと考えられるため、青切符の対象外とされ、指導・警告が中心になります。
ただし、16歳未満でも重大な違反や事故を起こした場合は、少年法の手続きなどで扱われることがあります。また、青切符の対象になるのは16歳以上の高校生も含まれるため、自転車通学のお子さんがいるご家庭では、家族でルールを確認しておくと安心です。
白ナンバーの社用車でもアルコールチェックは必要?
安全運転管理者を選任している事業所であれば、白ナンバーの社用車でも必要です。乗車定員11人以上の車を1台以上、またはその他の車を5台以上使っている事業所が対象で、運転前後に目視とアルコール検知器で確認し、記録を1年間保存しなければなりません。
台数が少なく選任義務のない事業所でも、飲酒運転を防ぐ取り組みとして、自主的にアルコールチェックを行う会社が増えています。社用車で飲酒運転の事故を起こせば、会社の社会的な信用は大きく損なわれます。義務の有無にかかわらず、確認の仕組みを整えておくのがおすすめです。
改正の最新情報を見逃さないためにはどうすればいい?
確実なのは、警察庁や都道府県警察の Webサイトを定期的に確認することです。改正が決まると、施行日の数か月前から概要やリーフレットが公開されます。
- 警察庁「道路交通法等の改正」のページを、四半期に1回は確認する
- 都道府県警察の SNS やメールマガジンで、地域の取り締まり情報を受け取る
- 加入している損害保険会社や、自動車販売店・リース会社からの案内を確認する
- 安全運転管理者の法定講習(年1回)で、最新の改正情報を得る
社内では、法改正の情報を集める担当者を決めておくと、確認漏れを防げます。多くの会社では、安全運転管理者がその役割を担っています。
運転手の依頼ならフィールドサービス
法改正のたびにルールを確認し、アルコールチェックを記録し、送迎ルートを見直す。社用車の運用は、年々手間のかかる仕事になっています。とくに役員車の運転は、安全運転はもちろん、時間の正確さや車内での守秘まで求められるため、社内の人だけでまかなうのは負担が大きくなりがちです。
そうしたときは、運転業務を外部の専門会社に任せるという方法があります。
法令に沿った安全運転を任せられる運転士をご用意
フィールドサービス株式会社では、貴社がお持ちの社用車・役員車に、経験豊富な運転士をご用意しています。法人契約は80社以上、業務歴は31年を超え、在籍ドライバーは60名以上。この道30年以上の運行管理責任者が運転士の教育を担当し、最新の交通ルールや送迎のマナーを指導しています。
| サービス | 専属運転手(同じドライバーが継続担当)/貴社車両への運転手の手配・業務委託/スポット・短期(急な欠勤・イベントなど) |
|---|---|
| 料金 | 個別見積もり(初期費用・解約手数料なし) |
| 手配までの期間 | 最短1週間 |
| 実績 | 法人契約80社以上・業務歴31年超・在籍ドライバー60名以上 |
| 守秘 | 全契約で秘密保持契約(NDA)を締結 |
| 対応エリア | 東京都全域・神奈川・埼玉・千葉(エリア外も相談可) |
| 車両 | 貴社でご用意(車両の貸し出しは行っていません) |
運転士が休んだ日の代わりの手配や、万一の事故の初期対応まで一括でお任せいただけます。全契約で秘密保持契約(NDA)を結ぶため、車内での会話や行き先の情報も安心してお任せください。役員の運転手を自社で雇う場合との比較は、専属運転手を個人契約する費用とメリット・デメリットの記事でも詳しく解説しています。
役員送迎・スポット利用の料金と相談の流れ
料金は、利用の頻度や時間帯、業務の内容に合わせた個別見積もりです。初期費用や解約手数料はかからず、契約期間も柔軟に決められます。
- 役員・来賓の送迎
- 担当の運転手が休んだ日の代わり
- 繁忙期やイベント時の増便
- 守秘義務が求められる定期送迎
ご相談の流れは、お問い合わせのあと、利用シーンや時間帯、エリアなどを伺い、条件に合った見積もりをお出しします。「まだ条件が固まっていない」「自社で雇う場合と比べたい」という段階でも、概算の見積もりをお出しできます。法人だけでなく個人のお客様にもご利用いただいており、ご家族の送迎のご相談も可能です。
拠点は板橋本店・日本橋・西新宿・恵比寿・横浜です。東京で役員運転手を任せられる会社を比べたい方は、東京の役員運転手の会社の料金・サービス比較もあわせてご覧ください。
まとめ|道路交通法改正の一覧を押さえて社用車の運用を最新ルールに
道路交通法は、法律・施行令・施行規則のいずれかがほぼ毎年改正されています。2026年は、4月の自転車の青切符と側方通過ルール、9月の生活道路の30km/h化と、クルマを運転する人に直接かかわる変更が続きました。
- 2026年4月から、自転車の右側を通過するときは十分な間隔か減速が必要(反則金 普通車7,000円)
- 2026年9月から、中央線のない一般道路の法定速度は30km/h
- 白ナンバーの社用車でも、安全運転管理者を置く事業所はアルコール検知器での確認と記録が必要
- ながら運転・あおり運転は一度の違反で免許停止・取消しになることもある
社用車を使う会社は、改正のたびに運転者への周知、安全運転管理者の業務、運転規程、事故対応の流れの4つを見直すのがおすすめです。役員車の運転を任せたい、運転手の負担を減らしたいという場合は、運転業務を外部の専門会社に任せることも検討してみてください。


