「大切な取引先を空港まで迎えに行きたい」「役員の移動をもう少しきちんとしたい」。そんなときに候補に挙がるのがハイヤーです。ただ、タクシーと何が違うのか、いくらかかるのか、どうやって頼むのかは、使ったことがないと意外と分かりにくいものです。
最近は、空港や都心で黒いアルファードの「都市型ハイヤー」を見かけることも増えました。2026年8月には関東運輸局が、空港で客引きをした都市型ハイヤー事業者への行政処分と注意喚起を出しており、正しい頼み方を知っておくことが、トラブルを避けるうえでも大切になっています。
この記事では、ハイヤーの意味と法律上の位置づけから、タクシーとの7つの違い、国の認可運賃をもとにした料金相場、車種のクラス、都市型ハイヤーのルール、予約の流れまでを、2026年10月時点の公的資料と事業者の公式情報をもとにまとめました。毎日の役員送迎にハイヤーを使うべきか、自社の車に運転手を付ける方法と費用を比べる考え方も解説します。
- ハイヤーとタクシーの違いを、料金・予約・車種などの具体例で知りたい方
- 来客の送迎や役員の移動でハイヤーを手配する予定の総務・秘書の方
- 都市型ハイヤーやGO PREMIUMなど、新しい呼び方の違いが気になっている方
- ハイヤーの月極契約と、運転手だけを頼む方法のどちらが合うか比べたい方
このような方は、ぜひ参考にしてください。
ハイヤーとは?意味と仕組みをわかりやすく解説
ハイヤーとは、営業所で予約を受けてから、決められた時間・場所へ迎えに行く貸切の旅客自動車のことです。道を走りながらお客さんを拾うタクシーとは違い、すべて事前の予約や契約にもとづいて動きます。まずは言葉の意味と、法律上どのように位置づけられているのかを押さえておきましょう。
ハイヤーの意味と言葉の由来
ハイヤーは、英語のhire(料金を払って借りる・雇う)に由来する言葉です。運転手付きの車を、時間や区間を決めて借り切るという意味で使われてきました。英語圏では同じような車を chauffeur-driven car(運転手付きの車)や car service と呼ぶことが多く、「hire」とだけ言っても通じないことがある点は覚えておくとよいでしょう。
日本でのハイヤーは、「予約して呼ぶ、運転手付きの貸切車」というイメージです。黒塗りの高級セダンで、乗務員が白い手袋をしてドアを開け閉めする姿を思い浮かべる人も多いはずです。実際、多くのハイヤー会社は接遇の教育に力を入れており、企業の役員車や国内外の要人送迎など、きちんとした移動が求められる場面で使われてきました。
一方で、ハイヤーは特別な人だけの乗り物ではありません。結婚式や法事、通院、受験の送迎など、個人でも予約すれば利用できます。料金はタクシーより高めになりやすいものの、使い方しだいでは「時間に正確で、待たせても安心な移動手段」として十分に元が取れる場面もあります。
法律上はタクシーの一種で予約は営業所だけで受ける
意外に思うかもしれませんが、ハイヤーとタクシーは法律上どちらも同じ「一般乗用旅客自動車運送事業」です。道路運送法で、1台の車を貸し切ってお客さんを運ぶ事業として、国土交通大臣の許可を受けて営業しています。
両者を分けているのは、どこで運送を引き受けるかです。タクシー業務適正化特別措置法の第2条では、ハイヤーを「運送の引受けが営業所のみにおいて行われるもの」と定め、それ以外をタクシーとしています。つまりハイヤーは、電話・Web・アプリなどで営業所が予約を受け、配車指示を受けた車が迎えに行く形でしか営業できません。駅前で客待ちをしたり、手を挙げた人を乗せたりするのはルール違反です。
さらに2026年10月1日からは、旅客自動車運送事業運輸規則の改正によって、ハイヤーで運送を行う事業者に「運送引受書」と「運行指示書」の作成・保存が義務づけられました。近畿運輸局の案内資料によると、運送引受書は申込者に交付する書面で、事業者名、乗車・降車の地点と日時、運賃・料金の額などを記載し、写しを3年間保存します。予約の内容が書面で残るので、利用者にとっても料金や時間のトラブルを防ぐ手がかりになります。
ハイヤーが使われる主な場面(役員送迎・来賓・冠婚葬祭・空港)
ハイヤーが選ばれるのは、時間に遅れられない移動や、相手に失礼のない迎え方が必要な移動です。代表的な場面を整理すると、次のとおりです。
| 利用シーン | 主な使い方 | ハイヤーが向いている理由 |
|---|---|---|
| 役員送迎 | 自宅と本社の通勤、取引先回り、会食後の帰宅 | 毎日同じ時間に迎えに来て、行き先での待機もできる |
| 来賓・取引先の送迎 | 海外からの来客、株主総会や式典の来賓 | ドアサービスや荷物の扱いなど、接遇がおもてなしになる |
| 冠婚葬祭 | 結婚式の新郎新婦・親族、葬儀や法事の送迎 | 服装を気にせず乗れ、会場での待ち時間にも対応できる |
| 空港送迎 | 羽田・成田への送迎、到着便の出迎え | フライト時刻に合わせた迎車ができ、大きな荷物も載せやすい |
| ゴルフ・観光 | ゴルフ場までの往復、都内観光の貸切 | 1日貸切の割引があり、複数人なら1人あたりの負担が下がる |
| 受験・通院 | 受験当日の送迎、出産や通院時の移動 | 確実に予約でき、乗り降りに時間がかかっても待ってもらえる |
とくに企業では、役員の通勤や重要な商談の移動でハイヤーを月極契約しているケースが多く見られます。一方、個人の利用では冠婚葬祭や空港送迎のような「その日だけは失敗できない」移動で使われることが中心です。
ハイヤーとタクシーの違い7つを比較
ハイヤーとタクシーは、同じ「運転手付きで1台を貸し切る」サービスですが、予約の方法から料金の数え方、車の見た目まで細かな違いがあります。まずは一覧で全体像を確認しましょう。
| 比較項目 | ハイヤー | タクシー |
|---|---|---|
| 予約 | 完全予約制。営業所で引き受けた運送だけを行う | 流し・乗り場・アプリ配車・予約のいずれも可 |
| 料金 | 車庫を出てから戻るまでの時間・距離で計算 | 乗車した地点から降車地点までの距離・時間で計算 |
| 車種 | 高級セダン・大型ワゴンが中心 | 小型〜中型のセダン、ジャパンタクシーなど |
| 乗務員 | 接遇・道の知識・語学の教育を重視 | 二種免許と地理試験などが基本 |
| 見た目 | 屋根の表示灯(行灯)や空車表示がない | 行灯・社名・空車表示がある |
| 待機 | 目的地での待ち時間も貸切料金に含めて使える | 待たせると待機の料金がかかる。長時間は不向き |
| ナンバー | 営業用の緑ナンバー | 営業用の緑ナンバー |
ひと言でまとめると、ハイヤーは「時間ごと車と乗務員を借り切るサービス」、タクシーは「乗った区間だけ運んでもらうサービス」です。ここからは7つの違いを1つずつ見ていきます。
- 予約|ハイヤーは完全予約制で流し営業や客待ちをしない
- 料金|車庫を出てから戻るまでの時間・距離にかかる
- 車種|高級セダンや大型ワゴンが中心
- 乗務員|接遇・道の知識・語学力を求められる
- 見た目|屋根の行灯や社名表示がない
- 待機|目的地での待ち時間も貸切で使える
- ナンバー|どちらも営業用の緑ナンバー
予約|ハイヤーは完全予約制で流し営業や客待ちをしない
もっとも大きな違いは予約の有無です。ハイヤーは営業所で受けた予約にもとづいてしか走れないため、道で手を挙げても止まりませんし、駅や空港で客待ちをすることもありません。これは事業者の自主ルールではなく、先ほどのタクシー業務適正化特別措置法の定義から来る決まりです。
その分、予約した時刻にはほぼ確実に迎えが来ます。多くのハイヤー会社は迎車時刻の少し前に現地へ着くよう運行を組んでおり、「時間どおりに来るかどうか」を心配しなくてよいのがハイヤーの価値です。タクシーもアプリで予約できますが、時間帯によっては配車できなかったり、到着が遅れたりすることがあります。
なお、空港や駅で運転手から「ハイヤーに乗りませんか」と声をかけられた場合は、予約を受けていない違法な営業の可能性があります。この点は都市型ハイヤーの章で詳しく説明します。
料金|車庫を出てから戻るまでの時間・距離にかかる
ハイヤーの料金は、車庫(営業所)を出発した時点から、お客さんを降ろして車庫に戻るまでの時間または距離で計算します。関東運輸局が公示している東京のハイヤー運賃の適用方法にも、時間や距離は「車庫等を旅客の要求により発車した時から、旅客の運送を終え車庫等に帰着するまで」と明記されています。
つまり、迎えに行くまでの回送と、送り終えて帰るまでの回送もすべて料金に含まれます。タクシーが「乗った場所から降りた場所まで」の料金なのに対し、ハイヤーは前後の回送時間の分だけ高くなると考えておきましょう。都内で「3時間使いたい」と頼んだ場合でも、回送を含めて4時間分の料金になることが珍しくありません。
また、ハイヤーの運賃はタクシーとは別に国の認可を受けており、時間で数える「時間制運賃」と、距離で数える「距離制運賃」があります。具体的な金額は、料金相場の章でまとめて紹介します。
車種|高級セダンや大型ワゴンが中心
ハイヤーで使われるのは、トヨタのセンチュリーやレクサスLS、クラウンといった高級セダンと、アルファード・ヴェルファイアなどの大型ワゴンが中心です。色は黒が基本で、後部座席の広さや静かさ、乗り心地が重視されます。
一方、タクシーは小型〜中型のセダンや、ユニバーサルデザインのジャパンタクシーが主流です。最近はタクシーでも高級ワゴンを指定できるサービスが出てきましたが、車種を事前に選んで確実に用意してもらえるのは、予約制のハイヤーならではの強みです。
乗務員|接遇・道の知識・語学力を求められる
ハイヤーもタクシーも、乗務員は第二種運転免許が必要です。そのうえでハイヤーの乗務員には、ドアの開け閉め、荷物の積み下ろし、目的地での待機の仕方、車内での会話への配慮など、接遇の細かなマナーが求められます。
大手のハイヤー会社では、独自の研修を受けた乗務員を役員車の専属として固定で付けたり、英語など外国語に対応できる乗務員を用意したりしています。役員の予定や車内の会話を外に漏らさない守秘義務の教育も重視されており、「運転がうまい」だけでなく「信頼して任せられる」ことが、ハイヤー乗務員の条件といえます。
見た目|屋根の行灯や社名表示がない
タクシーには屋根の上に社名入りの表示灯(行灯)があり、フロントガラスには「空車」「賃走」などの表示器が付いています。ハイヤーにはこうした表示がなく、外から見ると一般の高級車とほとんど変わりません。
これは、流しで客を拾わないため空車表示が必要ないことに加え、役員車や要人の送迎として目立たないことが好まれるためです。見分けるポイントは、後で説明する緑色のナンバープレートです。
待機|目的地での待ち時間も貸切で使える
ハイヤーは時間で借り切るのが基本なので、目的地に着いたあと、そのまま待っていてもらうことができます。商談が終わるまで、会食が終わるまで、ゴルフのラウンドが終わるまでといった待ち時間も、貸切時間の中で自由に使えます。
タクシーでも待ってもらうことはできますが、メーターが動いたままになるうえ、乗務員にとっては営業の機会を失うため、長時間の待機は断られることもあります。1日に何か所も回る日や、終了時刻が読めない会食の日は、ハイヤーのほうが気をつかわずに済みます。
ナンバー|どちらも営業用の緑ナンバー
ハイヤーもタクシーも、お金をもらってお客さんを運ぶ営業用の車なので、ナンバープレートは緑地に白文字の「緑ナンバー」です。自家用車の白ナンバーで有償の送迎をするのは、いわゆる白タク行為として道路運送法で禁じられています。
黒い高級車でも、ナンバーが白いのにお金を取って人を運んでいる場合は、許可を受けたハイヤーではありません。事故のときの補償や安全管理にも不安があるため、乗る前にナンバーの色と、予約した会社の車かどうかを確認する習慣をつけておくと安心です。
ちなみに、企業が自社の役員車を自社で手配した運転手に運転させる場合は、自家用車(白ナンバー)のままで問題ありません。お金を取って他人を運ぶわけではないためです。詳しくはお抱え運転手の仕事内容や雇い方を解説した記事も参考にしてください。
ハイヤーの料金相場と料金の決まり方
ハイヤーの料金は、事業者が自由に決めているわけではありません。国(地方運輸局)が地域ごとに認める運賃の幅があり、各社はその範囲で料金を設定しています。ここでは、東京23区と武蔵野市・三鷹市(特別区・武三地区)の認可運賃を例に、料金の仕組みと目安を紹介します。
時間制運賃と距離制運賃のしくみ
ハイヤーの運賃には、主に時間制運賃と距離制運賃の2種類があります。どちらも関東運輸局が公示する自動認可運賃の範囲内で決まり、東京の特別区・武三地区では次のように定められています(2024年12月24日改正の公示による・大型車の場合)。
| 運賃の種類 | 初乗り | 加算 | 主な適用 |
|---|---|---|---|
| 時間制運賃 | 1時間または15kmまで 6,740〜7,390円 | 30分または7.5kmごと 3,070〜3,360円 | 後払いのスポット利用など |
| 距離制運賃 | 7.5kmまで 4,700〜5,150円 | 424〜465mごと 250円 | 降車時に支払う利用 |
| 長期間契約運賃A | 1時間または15kmまで 5,800〜6,360円 | 30分または7.5kmごと 2,890〜3,170円 | 1日8時間未満・月15日以上・6か月以上の契約 |
| 長期間契約運賃B | 8時間または120kmまで 32,730〜35,860円 | 30分または7.5kmごと 2,610〜2,860円 | 1日8時間以上・月15日以上・6か月以上の契約 |
時間制運賃は、時間で計算した額と距離で計算した額のうち、高いほうを支払う仕組みです。都内のように渋滞が多い場所では時間で、高速道路で遠くへ行くときは距離で決まることが多くなります。距離制運賃は、タクシーと同じようにメーターで距離を数え、待たせた時間には待料金(2分35秒〜2分50秒ごとに250円)がかかります。
車の大きさによる差もあります。上の表は2,000cc以上・定員6人以下の「大型車」の運賃で、排気量3,500cc以上または定員7人以上の「特定大型車」は2割増、それより小さい「中型車」は1割引です。このほか、有料道路の料金や駐車場代、遠方に泊まる場合の乗務員の宿泊費などは実費で別にかかります。
スポット利用・空港送迎の料金の目安
実際の料金を、日本交通のハイヤー公式サイトに掲載されている料金例(税込)で見てみましょう。都内の利用で「2時間・30km」の基本料金が14,110円〜となっており、これは先ほどの時間制運賃の上限(初乗り7,390円+加算3,360円×2回)と一致します。
| 利用の例 | 料金の目安(税込) | ポイント |
|---|---|---|
| 都内利用(セダン) | 2時間30kmで14,110円〜 | 一般のスポット利用は2時間以上から |
| 都内利用(ワゴン) | 2時間30kmで16,930円〜 | 特定大型車の2割増が反映された額 |
| ビジネス利用 | 3時間で27,550円〜 | 回送を含めて4時間分の運賃 |
| 法事 | 5時間で40,990円〜 | 会場での待機時間も含めて貸切 |
| 羽田空港送迎 | 片道24,190円〜 | 迎車地点や時間帯で変わる |
| 成田空港送迎 | 片道49,500円〜 | 高速料金などの実費は別 |
| ゴルフ送迎 | 都内〜50km圏内の往復で60,500円〜 | 1日貸切。人数で割ると負担が下がる |
目安として、都内でセダンを使うなら1時間あたり約7,000円前後、アルファードなどのワゴンならその2割増と考えておくと見積もりのイメージがつかみやすくなります。注意したいのは、表の「3時間」「5時間」が使える時間ではなく、回送を含めた料金だという点です。予約のときは「何時に迎えに来て、何時に解放するか」を伝え、回送を含めた総額で見積もってもらいましょう。
キャンセル料も確認しておきたいポイントです。日本交通のハイヤーでは、前々日の17時までは無料、それ以降は当日の出庫時刻まで1万円、出庫後は100%と案内されています。会社によって規定が違うので、予定が変わりやすい場合は予約時に必ず確認してください。
月極の専属契約の料金の目安
役員車として毎日使う場合は、月単位の専属契約が一般的です。日本交通の料金例では、平日5日×1日8時間×月20日の役員車で831,600円〜(税込)とされています。1日あたりに直すと約4万1,600円で、これは長期間契約運賃B(8時間までの初乗り35,860円)に30分の加算2回分を足した額と一致します。
長期間契約運賃は、月15日以上・6か月以上の継続契約が条件です。そのかわり、スポットの時間制運賃より1時間あたりの単価が下がります。月極契約では、同じ乗務員が専属で担当し、車両の整備や車検、任意保険、燃料代まで料金に含まれるのが一般的なので、自社で車を持つ手間がかからない点が魅力です。
ただし、残業が多い月や休日出勤がある月は、時間に応じて加算が増えます。年間で見ると1,000万円前後の予算になることもあるため、毎日使う場合は、後述する「自社の車に運転手を付ける方法」と比べて検討する会社も増えています。
タクシーより高くなる理由と安くなるケース
ハイヤーがタクシーより高くなりやすい理由は、主に3つあります。1つめは、前述のとおり迎えに行く前と送った後の回送時間も料金に含まれること。2つめは、使う車が大型の高級車であること。3つめは、乗務員の教育や待機を前提にした運行体制にコストがかかっていることです。
たとえば、東京23区のタクシーは2026年4月20日に運賃が改定されましたが、初乗りは500円のまま(初乗りの距離が1.096kmから1.0kmに短縮)です。都内で10分ほど移動するだけならタクシーで数千円以内に収まるのに対し、ハイヤーは最低2時間分の1万4,000円前後からになります。短い移動を1回だけするなら、タクシーのほうが圧倒的に安いのは間違いありません。
一方で、ハイヤーのほうが割安、または差が小さくなるケースもあります。
- 1日に何か所も回り、行く先々で待ってもらう必要がある
- ゴルフや遠方の出張など、長時間・長距離の貸切になる
- 4〜6人で乗るので、1人あたりの負担で比べられる
- 会食の終了時刻が読めず、タクシーを呼び直す手間や待ち時間を省きたい
日本交通も、長距離割引や長時間割引があるため、遠方への出張や1日のゴルフではタクシーより安くなる場合があると案内しています。「1回の移動の値段」ではなく「その日の移動全体の値段」で比べるのが、ハイヤーを上手に使うコツです。
ハイヤーの車種|クラス別の代表的な車
ハイヤーは車種によって料金も印象も変わります。日本交通のハイヤーでは、センチュリーとレクサスを「SEDAN High-Grade」、クラウンを「SEDAN Standard」、アルファードを「WAGON」として案内しています。ここでは代表的なクラスごとに、どんな場面に向いているかを紹介します。
最上級セダン(センチュリー・レクサスLS)
トヨタのセンチュリーは、皇室や政府の公用車にも使われる日本の最高級セダンです。後部座席の広さや静かさ、乗り降りのしやすさを最優先に作られており、国賓や大企業のトップ、重要な来賓の送迎にふさわしい1台です。レクサスLSも同じく最上級クラスで、上質さに加えて少しモダンな印象を出したいときに選ばれます。
このクラスは、いずれも排気量が3,500cc以上の車が多く、認可運賃上は「特定大型車」として2割増になるのが一般的です。お迎えの格を重視する場面では価値がありますが、毎日の通勤に使うとコストがかさむため、来賓送迎や式典など「ここぞ」という場面に絞って使う会社も多いです。
スタンダードセダン(クラウン)
クラウンは、ハイヤーのもっとも標準的な車種です。法人の役員車としても長く選ばれてきたモデルで、きちんとした印象と料金のバランスがよいのが特長です。日本交通の料金例にある「都内利用2時間30km 14,110円〜」は、このスタンダードセダンを想定した額と考えられます。
取引先回りや役員の日常の移動、空港送迎など、ビジネス用途の大半はクラウンクラスで十分です。迷ったらまずスタンダードセダンで見積もりを取り、相手や場面に応じて上のクラスを検討すると無駄がありません。
ワゴン(アルファード・ヴェルファイア)
アルファードやヴェルファイアは、最大6〜7人程度が乗れる大型ワゴンです。複数人での移動や、ゴルフバッグ・スーツケースなど荷物が多い移動に向いています。後部座席がゆったりした2列目キャプテンシートの車なら、セダン以上にくつろげるという声もあります。
最近は役員1人の送迎でもワゴンを選ぶ会社が増えています。車内で資料を広げたり、着替えたりしやすく、乗り降りで頭をぶつけにくいためです。ただし、定員7人以上または3,500cc以上の車は特定大型車になるため、日本交通の例でもセダンの14,110円に対してワゴンは16,930円と、約2割高くなっています。
車種によって料金が変わる点に注意
ここまで見てきたように、ハイヤーの料金は車の区分によって変わります。東京の特別区・武三地区の認可運賃では、区分と料金の関係は次のとおりです。
| 車の区分 | 条件 | 料金の考え方 | 代表的な車 |
|---|---|---|---|
| 特定大型車 | 3,500cc以上、または定員7人以上 | 大型車の運賃の2割増 | センチュリー、レクサスLS、アルファード |
| 大型車 | 2,000cc以上かつ定員6人以下 | 基準の運賃 | クラウン |
| 中型車 | 上記以外で長さ4.6m以上など | 大型車の運賃の1割引 | 会社により異なる |
同じ「アルファード」でも、グレードや定員によって区分が変わることがあるため、見積もりのときは「どの区分の料金か」を必ず確認しましょう。また、車種の指定は台数に限りがあるため、指定したい場合は早めの予約が必要です。
都市型ハイヤーとは?通常のハイヤーとの違い
最近よく耳にする「都市型ハイヤー」は、通常のハイヤーと同じく予約制の貸切車ですが、法律上の扱いが少し違います。空港や都心で増えている一方、違法な営業も問題になっているため、仕組みと利用時の注意点を知っておきましょう。
2014年に生まれた区分と利用条件(2時間以上・専属契約)
都市型ハイヤーは、2014年1月に施行された改正タクシー特措法(特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法)にあわせて設けられた区分です。1日以上の専属契約か、2時間以上を単位とする運送契約だけで運送を行うハイヤーのことを指します。
関東運輸局が2026年8月28日に出した注意喚起でも、都市型ハイヤーは「運送の引受けを営業所においてのみ行い、1日以上の専属契約又は2時間以上の運送契約により運送を行うもの」として許可されていると説明されています。つまり、「30分だけ」「空港から都心まで片道だけ」の短い契約では使えないのが原則です。
実際に都市型ハイヤーを予約すると、回送時間を含めて2時間以上の貸切料金になるのが一般的です。空港から都心への送迎でも、2時間分の料金がかかると考えておきましょう。
台数規制の対象外になっている理由
タクシーが多すぎて運転手の収入が下がっている地域は「特定地域」「準特定地域」に指定され、新規参入や増車が厳しく制限されます。これに対し、上のような専属契約や2時間以上の契約だけで運送するハイヤーは、この特措法の適用対象から外されています。
理由は、都市型ハイヤーが流しや駅待ちのタクシーとはお客さんを取り合わない、別の市場のサービスだと考えられているためです。役員車や長時間の貸切の需要を満たすサービスなので、タクシーの台数を減らす政策の枠組みとは切り離されました。その結果、新しい事業者が参入しやすく、都心や空港周辺で車両が増えているのが現状です。
一方で、事業者が増えたことで問題も出ています。関東運輸局は、空港で運転者が営業所を通さずに旅客と直接契約する「客引き行為」を確認した都市型ハイヤー事業者に行政処分を行い、2026年7月には名義貸しの疑いで事業者が逮捕される事案もあったとしています。客引きは道路運送法の許可条件に違反し、事業停止処分の対象になるとされています。
個人が都市型ハイヤーを使うときのポイント
都市型ハイヤーは、事前に予約すれば個人でも利用できます。空港送迎や記念日の移動などで使うときは、次の点を押さえておくと安心です。
- 予約は必ず会社の公式サイト・電話・正規のアプリから行う
- 空港や駅で運転手から声をかけられても乗らない
- 迎えに来た車が、予約した会社の配車かどうかを確認する
- ナンバーが緑色(営業用)であることを確認する
- 回送を含めた総額・キャンセル料・支払い方法を事前に聞いておく
関東運輸局も、空港・駅・ホテルなどで運転者から声をかけられたり、予約していないのに乗車を勧められたりする行為は法令違反の可能性があるとして、違法なハイヤーや白タクを利用しないよう呼びかけています。こうした車に乗ると、料金トラブルや事故のときの補償に問題が出るおそれがあります。2026年10月からは運送引受書の交付も義務になったので、予約内容が書面で示されるかどうかも、信頼できる会社かを見分ける手がかりになります。
ハイヤーの頼み方と予約の流れ
ハイヤーの頼み方は、大きく分けて「ハイヤー会社に直接予約する」「タクシーアプリの高級車配車を使う」「法人契約で継続利用する」の3つです。それぞれの特徴と、予約のときに伝えるべきことを見ていきましょう。
ハイヤー会社に電話・Webで予約する(日本交通など)
| 運営会社 | 日本交通株式会社(1928年創業) |
|---|---|
| サービス | ハイヤー(車両+乗務員)、ドライバー派遣(乗務員のみ) |
| 車種 | センチュリー、レクサス、クラウン、アルファード |
| 料金例(税込) | 都内利用2時間30km 14,110円〜/ワゴン2時間30km 16,930円〜 |
| 空港送迎(税込) | 羽田 片道24,190円〜/成田 片道49,500円〜 |
| 最低利用時間 | 一般のスポット・ワゴンは2時間以上 |
| 予約方法 | 電話0570-07-2151(平日9:00〜17:30)、Webフォーム |
| 支払い | 現金・クレジットカード・請求書払い(後払いは条件あり) |
| キャンセル料 | 前々日17時まで無料/それ以降出庫まで1万円/出庫後100% |
| 個人利用 | 可(結婚式・葬儀・通院などの送迎にも対応) |
- 乗務員1,000人以上の大手で、車種やクラスの選択肢が多い
- 料金例が公式サイトに具体的に載っていて予算を立てやすい
- 役員車の月極から空港・ゴルフ送迎まで1社でまとめて頼める
- 電話受付は平日の日中のみで、夜間や休日の急な相談はしにくい
- 一般のスポット利用は2時間以上からで、短時間の移動には割高
- 前々日17時を過ぎるとキャンセル料がかかる
はじめてハイヤーを使うなら、まずは大手のハイヤー会社に直接問い合わせるのが確実です。日本交通は都内でハイヤーを運行する最大手のひとつで、利用時間と経路が決まっていれば電話で概算を出してもらえます。Webフォームから見積もりや予約の相談もでき、問い合わせ自体は無料です。
当日の手配も状況によっては可能ですが、乗務員や車種を指定したい場合は台数に限りがあるため、早めの予約がすすめられています。なお、都内には国際自動車(国際ハイヤー)や帝都自動車交通など、ほかにも大手のハイヤー会社があります。同じ条件で2〜3社に見積もりを取ると、料金やサービスの違いが比べやすくなります。
タクシーアプリのプレミアム配車を使う(GO PREMIUM)
| 運営会社 | 株式会社GO |
|---|---|
| サービスの区分 | タクシー(ハイヤーではなく、高級車を指定できるタクシー配車) |
| 車種 | アルファードまたはエルグランド(最大6人まで)。セダン版のGO PREMIUMセダンもあり |
| 対象エリア | 東京23区・武蔵野市・三鷹市(一部地域を除く)、名古屋市の11区 |
| 料金 | 通常のタクシー料金+プレミアムチャージ(乗車運賃と迎車料金の0〜50%・下限500円) |
| 予約 | 即時配車のみ(事前予約は不可) |
| 支払い | GO Pay(クレジットカードまたは請求書払い)のみ。車内決済は不可 |
| 最低料金 | なし |
- アプリで今すぐ高級ワゴンを呼べる
- 最低利用時間がなく、短い移動でも使いやすい
- 料金はタクシー運賃がベースで、ハイヤーより安く済むことが多い
- 事前予約ができず、近くに車両がなければ利用できない
- 需要が多い時間帯はプレミアムチャージが最大50%まで上がる
- 乗務員の指定や目的地での長時間の待機には向かない
タクシーアプリ「GO」のGO PREMIUMは、アルファードなどの高級ワンボックス車を指定して呼べるサービスです。2022年11月に東京5区で始まり、2026年10月時点では東京23区と武蔵野市・三鷹市、名古屋市の一部に広がっています。2026年1月には、燃料電池車のクラウンを使うGO PREMIUMセダンも都心5区で始まりました。
注意したいのは、GO PREMIUMは法律上はハイヤーではなくタクシーだという点です。料金はタクシー運賃に手配料(プレミアムチャージ)を上乗せする形で、事前予約はできません。「今すぐ、少しいい車で移動したい」ときの手段としては便利ですが、確実に時間どおりに迎えに来てほしい場面や、目的地で何時間も待ってもらう使い方なら、予約制のハイヤーを選びましょう。
法人契約で継続して利用する
会社で定期的にハイヤーを使うなら、法人契約を結んでおくと手続きがぐっと楽になります。法人契約には、毎日同じ車と乗務員を使う「月極の専属契約」と、必要なときに都度予約する「スポット契約(請求書払い)」があります。
月極契約では、役員の自宅への送迎や日中の移動、会食後の帰宅までを専属の乗務員が担当します。乗務員の急な休みや車の故障のときは、ハイヤー会社が代わりの車と乗務員を手配してくれるのも安心な点です。スポット契約でも、利用のたびに支払いをせず、月末にまとめて請求書で精算できるので、経理の負担が減ります。
契約前には、料金の計算方法(時間制か長期間契約運賃か)、残業や休日の加算、キャンセル規定、事故のときの対応、守秘義務の取り決めなどを書面で確認しておきましょう。複数の事業所や役員がいる会社は、利用者ごとに請求を分けられるかどうかも聞いておくと便利です。
予約時に伝えること(日時・行き先・人数・待機時間)
ハイヤーを予約するときは、次の項目を伝えると、見積もりや手配がスムーズに進みます。
| 伝える項目 | 具体的な内容 | 伝え忘れたときの困りごと |
|---|---|---|
| 日時 | 迎えの日付・時刻、利用終了の予定時刻 | 回送を含む総額が出せず、見積もりがずれる |
| 迎車場所 | 住所、建物名、車寄せの位置、目印 | 迎えの場所がずれて時間をロスする |
| 行き先・経由地 | 最終目的地と、途中で寄る場所 | 経路や高速利用の判断ができない |
| 人数・荷物 | 乗車人数、スーツケースやゴルフバッグの数 | 車に乗り切らず、車種を変える必要が出る |
| 車種の希望 | セダンかワゴンか、クラスの指定 | 想定と違う車が来る、料金が変わる |
| 待機時間 | 目的地での待ち時間、終了時刻が読めるか | 延長料金が想定外にふくらむ |
| 乗車する人 | 氏名、ネームボードの要否、外国語対応の要否 | 空港などで乗客と会えない |
| 支払い方法 | 現金・カード・請求書払い、宛名 | 当日の精算で手間取る |
とくに空港の出迎えでは、便名と到着予定時刻を伝えておくと、遅延にも合わせてもらいやすくなります。2026年10月からは、ハイヤー会社が予約内容をまとめた運送引受書を申込者に交付することになったので、受け取ったら日時・場所・料金に間違いがないかを確認しておきましょう。
ハイヤーを利用するメリット
料金だけを見るとタクシーより高いハイヤーですが、それに見合うメリットがあります。代表的な3つを紹介します。
時間どおりに確実に迎えに来てくれる
ハイヤーの最大のメリットは、予約した時刻に確実に車が来ることです。営業所が予約を受けて、乗務員と車を前もって割り当てるため、雨の日や年末の繁忙期でも「車がつかまらない」心配がありません。
役員の出社時刻や、重要な商談・式典の開始時刻に遅れることは、会社の信用にかかわります。「時間を守る」ことにお金を払うと考えれば、ハイヤーの料金は決して高くないと感じる会社も多いでしょう。乗務員は道路状況を見ながら余裕をもって出発し、到着の連絡や、遅れが出そうなときの連絡も丁寧に行うのが一般的です。
上質な車内で移動中も仕事や休息ができる
ハイヤーの後部座席は、静かで揺れが少なく、移動時間をそのまま仕事や休息に使える空間です。電話会議への参加や資料の確認、メールの返信など、オフィスの延長として使えます。疲れているときは、次の予定に備えて体を休めることもできます。
役員が1日に移動する時間が2時間あれば、年間ではかなりの時間になります。その時間を自分で運転したり、電車の混雑に耐えたりする代わりに仕事にあてられれば、経営判断の質やスピードにもよい影響があります。乗務員は車内の会話を口外しない教育を受けているので、機密性の高い電話も比較的安心してできます。
来客や取引先へのおもてなしになる
海外からの来客や大切な取引先を空港やホテルまで迎えに行くとき、ハイヤーはそれ自体がおもてなしになります。乗務員がドアを開けて出迎え、荷物を積み、目的地までスムーズに案内することで、会社の印象が大きく変わります。
外国語に対応できる乗務員を手配できる会社もあり、海外のゲストでも言葉の心配なく移動してもらえます。冠婚葬祭でも、親族や遠方からの参列者をハイヤーで送迎すれば、主催者側の気づかいが伝わります。
ハイヤーを利用するデメリット
便利なハイヤーにも、知っておきたいデメリットがあります。あらかじめ把握しておけば、使い方を工夫して避けられるものも少なくありません。
短い移動でもまとまった料金がかかる
ハイヤーは回送時間を含めて料金がかかり、スポット利用は2時間以上からという会社が多いため、10分程度の短い移動でも1万円を超えることがよくあります。都市型ハイヤーも、2時間以上の契約が前提です。
短い移動が中心なら、タクシーや、高級車を呼べるGO PREMIUMのようなアプリ配車のほうが向いています。ハイヤーは、待機をはさんで複数の予定を回る日や、長時間の貸切にまとめて使うと割高感が小さくなります。
直前の予約や急な予定変更に対応しにくい
ハイヤーは乗務員と車を前もって割り当てる仕組みのため、当日の急な予約は空きがあれば対応、という扱いになりがちです。とくに車種や乗務員を指定したい場合は、早めの予約が欠かせません。
また、予約後の変更やキャンセルにも注意が必要です。日本交通の例では、前々日の17時を過ぎるとキャンセル料1万円、当日の出庫後は100%となっています。予定が流動的な場合は、キャンセル規定がゆるい会社や、利用終了時刻を当日調整できるプランを選ぶとよいでしょう。
毎日使うと費用が積み上がる
役員の毎日の送迎にハイヤーを使うと、月極契約でも月80万円台から、年間では1,000万円前後になることがあります。車両費や保険、燃料、整備がすべて含まれているとはいえ、決して小さな金額ではありません。
役員が複数いる会社では、その人数分だけ費用が増えます。毎日決まった時間に使うのであれば、自社で車を持ち、運転手だけを外部に頼むほうが総額を抑えられる場合もあります。次の章で、その比べ方を詳しく解説します。
ハイヤーを毎日使うなら?自社の車に運転手を付ける方法と費用の比べ方
役員の通勤や日中の移動に毎日車を使う場合、選択肢はハイヤーの月極契約だけではありません。自社で車を用意し、その車を運転する人だけを外部の専門会社に頼む方法や、運転手を自社で直接雇う方法もあります。それぞれの費用のかかり方と向き不向きを整理します。
ハイヤーの月極契約と運転手の手配で費用のかかり方が違う
ハイヤーの月極契約は、車・乗務員・燃料・整備・保険がひとまとめになった料金です。これに対し、自社の車に運転手を付ける方法では、車にかかる費用は自社で払い、運転手にかかる費用だけを外部の会社に払います。
| 項目 | ハイヤーの月極契約 | 自社の車+運転手を外部に頼む | 運転手を自社で雇う |
|---|---|---|---|
| 月額の目安 | 80万円台〜(8時間×月20日の例) | 運転手の委託料30万〜55万円前後+車両費 | 給与+社会保険料など+車両費 |
| 車両 | ハイヤー会社の車 | 自社で購入・リース | 自社で購入・リース |
| 車種の自由度 | 会社の保有車から選ぶ | 好きな車を選べる | 好きな車を選べる |
| 燃料・整備・保険 | 料金に含まれる | 自社で負担 | 自社で負担 |
| 運転手の採用・教育 | 不要 | 不要 | 自社で行う |
| 休み・急な欠勤 | ハイヤー会社が代わりを手配 | 依頼先が代わりを手配するのが一般的 | 自社で代わりを探す |
| 残業・休日の追加 | 時間に応じて加算 | 契約内容による | 時間外手当が発生 |
運転手を外部に頼む場合の料金は会社によって大きく異なりますが、東京の主な会社の月極料金は30万円台〜55万円程度からが多く見られます(各社の料金は東京で役員運転手を頼める会社の比較記事で一覧にしています)。ここに車のリース料や駐車場代、保険料、燃料代を足しても、ハイヤーの月極契約より総額を抑えられるケースがあります。
運転手を自社で雇う方法は、月々の費用は抑えやすいものの、採用や教育、労務管理、欠勤時の代わりの確保まですべて自社で行う必要があります。個人や家族の送迎で専属の運転手を付ける場合の相場は、専属運転手を個人契約する場合の費用を解説した記事も参考にしてください。
自社の車を使うときに必要なこと(車両・任意保険・車庫)
自社の車に運転手を付ける場合は、車に関する準備と管理は会社側の責任になります。事前に次の点を整えておきましょう。
- 車両:購入かリースかを決める。役員車ならクラウンやアルファードが定番
- 任意保険:外部の運転手が運転しても補償されるよう、運転者の範囲を「限定なし」などにしておく
- 車庫:自宅送迎なら、役員宅か会社の近くに駐車場を確保する
- 整備・車検:定期点検や車検の時期を管理する(回送を依頼先に頼める場合もある)
- 燃料・ETC:給油の方法、ETCカードや法人ガソリンカードの扱いを決める
- アルコールチェック:社用車を一定台数以上使う事業所は、安全運転管理者の選任と酒気帯びの確認が必要
とくに見落としやすいのが任意保険の運転者の範囲です。家族限定や社員限定の契約のままだと、外部の運転手が事故を起こしたときに補償されないおそれがあります。契約前に保険会社や代理店に確認し、必要なら条件を変更しておきましょう。
また、自家用車(白ナンバー)を使う会社には、道路交通法にもとづく安全運転管理者の選任や、アルコール検知器を使った酒気帯び確認の義務がかかる場合があります。運転手を外部に頼んでも、車の使用者としての管理は会社に残る点に注意してください。
利用の頻度・時間帯で考える向き不向き
どの方法が合うかは、車を使う頻度と時間帯でおおよそ決まります。目安は次のとおりです。
| 利用のしかた | 向いている方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 月に数回、来客や式典のときだけ | ハイヤーのスポット利用 | 車を持つ必要がなく、使った分だけ払えばよい |
| 週に数日、決まった曜日だけ | ハイヤーの法人契約、または運転手のスポット依頼 | 利用日数が少ないうちは車を持たないほうが安いことが多い |
| 平日は毎日、朝から夜まで | 自社の車+運転手を外部に頼む | 車両費を払っても、ハイヤー月極より総額が下がりやすい |
| 休日や深夜も含めて長時間 | 自社の車+専属の運転手 | 時間外の加算を含めた総額で比較が必要 |
| 好きな車種を使いたい・既に役員車がある | 自社の車+運転手を外部に頼む | 手元の車をそのまま使える |
すでに役員車を持っていて、運転手が退職した、高齢になったといった理由で困っている場合は、車はそのままに運転手だけを外部に任せるのがもっとも手間の少ない選択です。逆に、車を持つこと自体の管理負担を減らしたいなら、ハイヤーの月極契約に切り替える価値があります。複数の方法で見積もりを取り、年間の総額で比べてみましょう。
ハイヤーに関するよくある質問
ハイヤーについて、よく寄せられる質問をまとめました。
- ハイヤーは個人でも利用できますか?
- ハイヤーは予約なしで乗れますか?
- ハイヤーを1日貸し切るといくらかかりますか?
- ハイヤーとリムジンは何が違いますか?
- ハイヤーの運転手にチップは必要ですか?
- ハイヤーは当日でも予約できますか?
ハイヤーは個人でも利用できますか?
はい、個人でも利用できます。日本交通のハイヤーでも、結婚式や葬儀の送迎、誕生日のお祝い、出産や通院時の移動などで個人の利用があると案内しています。初回は事前の振込か当日の精算(現金・クレジットカード)になるのが一般的です。法人契約がなくても、電話やWebから見積もりと予約ができます。
ハイヤーは予約なしで乗れますか?
乗れません。ハイヤーは法律上、営業所で予約を受けた運送しかできないため、道で手を挙げたり、空港で声をかけられたりして乗ることはできません。空港や駅で「ハイヤーに乗りませんか」と声をかけられた場合は違法な客引きの可能性があるので、利用しないようにしましょう。今すぐ高級車に乗りたいときは、GO PREMIUMのようなタクシーアプリの高級車配車が選択肢になります。
ハイヤーを1日貸し切るといくらかかりますか?
東京の認可運賃(上限)で計算すると、クラウンなどのセダンを回送込み9時間使った場合は約6万1,000円(初乗り7,390円+加算3,360円×16回)、アルファードやセンチュリーなどの特定大型車なら2割増で約7万3,000円が目安です。これに高速料金や駐車場代などの実費が加わります。ゴルフや遠方の観光のように長距離を走る場合は、距離で計算した額のほうが高くなることもあるため、事前に見積もりを取りましょう。
ハイヤーとリムジンは何が違いますか?
ハイヤーは予約制で運転手付きの車を貸し切る営業の形のことで、リムジンは車体を長く伸ばした大型の高級車の種類を指します。ハイヤー会社がリムジンを運行していることもあり、その場合は「リムジンのハイヤー」になります。なお、空港と都心を結ぶ「リムジンバス」は乗合バスの名称で、ハイヤーとは関係ありません。
ハイヤーの運転手にチップは必要ですか?
基本的に必要ありません。日本ではチップの習慣がなく、ハイヤーの料金にはサービスの対価が含まれています。どうしても感謝を伝えたい場合は、心づけとして渡すこともありますが、会社の方針で受け取らない乗務員もいます。気持ちを伝えるなら、ハイヤー会社へのお礼の連絡や、次回の指名で伝える方法もあります。
ハイヤーは当日でも予約できますか?
空きがあれば当日でも手配できる場合があります。日本交通も、当日の依頼は状況により手配可能としていますが、乗務員や車種を指定する場合は台数に限りがあるため早めの連絡をすすめています。確実に使いたい日が決まっているなら、数日前までに予約しておくのが安心です。急ぎの場合は、複数のハイヤー会社に問い合わせるか、GO PREMIUMなどのアプリ配車も検討しましょう。
運転手の依頼ならフィールドサービス
「ハイヤーを毎日使うのは費用が重い」「役員車はあるのに運転する人がいない」。そんなときは、フィールドサービス株式会社にご相談ください。役員車両のコンシェルジュとして、貴社のビジネスシーンに合わせた運転士をご用意しています。
貴社の車に専属の運転手をご用意
フィールドサービス株式会社では、貴社でご用意いただいた車両を、教育を受けた運転士が運転します。同じ運転士が継続して担当する専属運転手のプランなら、役員の好みのルートや乗り降りの習慣まで把握したうえで、毎日の送迎を任せられます。
- 法人契約80社以上・業務歴31年超の実績
- 在籍ドライバー60名以上。この道30年以上の運行管理責任者が運転技術とビジネスマナーを教育
- 全契約で秘密保持契約(NDA)を締結し、車内の会話や役員の予定を守る
- 欠勤時の代わりの運転士の手配や、事故の初期対応まで一括でサポート
ハイヤーと違い、車は貴社のものをそのまま使うので、好きな車種の役員車で、慣れた車内のまま移動できます。給油やディーラーへの定期点検の回送、片道利用後の車庫への回送といった付随業務にも対応しています。なお、車両の貸し出しは行っていません。
スポット利用・急な欠勤時の代わりにも対応
毎日の専属だけでなく、短期・スポットのご依頼にも対応しています。いつもの運転手が急に休んだときの代わり、株主総会やイベントでの来賓送迎の増便、繁忙期だけの手配など、必要なときに必要な分だけご相談いただけます。
守秘義務が求められる定期送迎や、役員・来賓の送迎はもちろん、法人だけでなく個人のお客様の利用(ご家族の送迎など)も承っています。外国語に対応できる運転士のご用意についてもご相談ください。
料金と対応エリア
| 料金 | 個別見積もり(条件未確定でも概算OK) |
|---|---|
| 初期費用・解約手数料 | なし |
| 契約 | 専属(継続担当)/スポット・短期。契約期間は柔軟に相談可 |
| 手配までの期間 | 最短1週間 |
| 対応エリア | 東京都全域・神奈川・埼玉・千葉(エリア外も相談可) |
| 拠点 | 板橋本店・日本橋・西新宿・恵比寿・横浜 |
| 車両 | お客様でご用意(車両の貸し出しはなし) |
| ご利用 | 法人・個人とも可 |
料金は、利用する日数や時間帯、送迎の範囲によって変わるため、個別にお見積もりしています。初期費用や解約手数料はかからず、条件がまだ決まっていない段階でも概算をお出しできます。ハイヤーの月極契約と比べたい場合も、現在の利用状況をお知らせいただければ比較の材料をご用意します。
相談・見積もりは無料
お問い合わせから運転開始までは、次の流れで進みます。
- お問い合わせ:Webフォームから、ご利用のシーンや希望の時期をお知らせください
- ヒアリング:利用する時間帯・日数、車両、送迎先などの条件をうかがいます
- お見積もり:条件に合わせた見積もりをご提示します(概算のみもOK)
- ご契約:秘密保持契約(NDA)を締結し、運行のルールを取り決めます
- 運転開始:最短1週間で、貴社の車に合う運転士をご用意します
「ハイヤーと運転手の手配のどちらが合うか分からない」という段階でもかまいません。相談だけでもお気軽にどうぞ。
まとめ|ハイヤーとタクシーの違いを知って目的に合う移動手段を選ぼう
ハイヤーは、営業所で予約を受けてから迎えに行く完全予約制の貸切車です。法律上はタクシーと同じ一般乗用旅客自動車運送事業ですが、流しや客待ちをせず、車庫を出てから戻るまでの時間・距離で料金がかかる点が大きな違いです。
- 東京のハイヤー運賃(時間制・大型車)は初乗り1時間6,740〜7,390円、30分ごとに3,070〜3,360円が加算される
- センチュリー・レクサスLS・アルファードなどの特定大型車は2割増になる
- 都市型ハイヤーは1日以上の専属契約か2時間以上の契約が前提。空港での客引きには乗らない
- すぐ高級車に乗りたいならGO PREMIUM、確実な時間と待機が必要ならハイヤー
- 毎日使うなら、ハイヤーの月極契約と「自社の車+運転手の手配」を年間総額で比べる
短い移動はタクシー、時間を守りたい大切な移動や来客の送迎はハイヤー、毎日の役員送迎は月極ハイヤーか運転手の手配、というように目的と頻度で使い分けるのが賢い選び方です。役員車の運転手でお困りなら、まずは無料の見積もりで費用感を確かめてみてください。


