役員運転手の求人を見て興味を持ったものの、ネットで調べると「やめとけ」「きつい」という声が意外と多いと感じた方も多いのではないでしょうか。
給料は悪くなさそうなのに、なぜ厳しい意見が出るのか。実際の勤務時間や待機の過ごし方、年収の相場はどのくらいなのか。応募する前に知っておきたいことはたくさんあります。
この記事では、役員運転手がやめとけと言われる8つの理由と、勤務時間・待機・残業の実態、年収の相場、向いている人と向いていない人の特徴をわかりやすく解説します。
- 役員運転手への転職・応募を考えている方
- 今の職場がきついと感じていて、続けるか迷っている方
- 役員運転手を雇う側として、定着しない理由を知りたい総務・人事の方
後半では、求人や契約で確認したいポイントと、運転手を依頼する会社側から見た良い職場づくりのコツも紹介します。ぜひ参考にしてください。
役員運転手はやめとけって本当?そう言われる背景と結論
結論からいうと、役員運転手は誰にでもおすすめできる仕事ではない一方で、合う人にとっては長く続けやすい安定した仕事です。
やめとけという声が出るのは、仕事そのものが悪いからではなく、働き方の特徴を知らずに入って「思っていたのと違った」と感じる人が一定数いるためです。
やめとけと言われるのは働き方が合わない人が多いから
役員運転手とは、企業の社長や役員などを専属で送迎する運転手のことです。お抱え運転手や専属運転手と呼ばれることもあります。
仕事の中心は運転ですが、実際の1日は運転している時間よりも、役員の予定に合わせて待つ時間のほうが長いことが珍しくありません。早朝の自宅へのお迎えから、日中の訪問先回り、夜の会食後の帰宅送迎まで、役員のスケジュールがそのまま自分の勤務時間になります。
このため、次のようなタイプの人は「きつい」「やめておけばよかった」と感じやすい傾向があります。
- 勤務時間が決まっていて、定時で帰れる働き方を求めている人
- じっと待つのが苦手で、常に手を動かしていたい人
- 人に気をつかう仕事が苦手で、自分のペースで働きたい人
反対に、待つことが苦にならず、相手の予定に合わせて動くことにやりがいを感じる人にとっては、収入が安定していて人間関係もシンプルな、続けやすい仕事です。やめとけという声は「合わない人が多い仕事」という意味だと受け取るのが正確です。
タクシー・ハイヤー・トラック運転手との違い
同じ「運転の仕事」でも、役員運転手はタクシーやトラックとは働き方が大きく違います。主な違いを表にまとめました。
| 職種 | 乗せる人・運ぶもの | 給与体系の傾向 | 必要な免許 | 働き方の特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 役員運転手 | 特定の役員・来賓 | 月給制(固定給)が中心 | 普通免許(第一種)が基本 | 1人の役員に付き、予定に合わせて送迎・待機 |
| ハイヤー運転手 | 予約した法人・個人客 | 固定給+歩合が多い | 第二種免許 | 事前予約の貸切送迎。毎回お客様が変わることもある |
| タクシー運転手 | 不特定のお客様 | 歩合給の比率が高い | 第二種免許 | 流し・配車アプリで乗客を探す。隔日勤務も多い |
| トラック運転手 | 荷物 | 固定給+手当・歩合 | 車両に応じた免許 | 長距離・積み下ろしなど体力負担が大きい場合も |
役員運転手は、会社が保有する車(白ナンバーの自家用車)を社員として運転するのが一般的なので、第二種免許がなくても働けるのが大きな違いです。また、タクシーのように売上で給料が上下する歩合制ではなく、月給制が中心で収入の見通しを立てやすい点も特徴です。
一方で、タクシーやトラックは「運転する時間=仕事」なのに対し、役員運転手は待機の比重が大きく、運転以外の気配りも求められます。この違いが、向き不向きを分ける一番のポイントです。
役員運転手はやめとけ・きついと言われる8つの理由
ここからは、役員運転手がやめとけ・きついと言われる理由を8つに分けて解説します。どれも現場でよく聞かれる声ですが、職場によって程度は大きく変わります。
- 早朝から深夜まで拘束時間が長く予定が読めない
- 待機時間が長く、自由に過ごせるわけではない
- 役員の急な予定変更にすぐ対応するプレッシャー
- 一度の事故やミスも許されない運転への緊張感
- 車内の会話を外に漏らせない守秘義務の重さ
- 洗車・車両管理など運転以外の仕事も多い
- 担当役員との相性や退任で働き方が左右される
- 昇進の道筋が見えにくく底辺の仕事と誤解されることもある
早朝から深夜まで拘束時間が長く予定が読めない
役員運転手の勤務時間は、担当する役員のスケジュールで決まります。朝7時に自宅へ迎えに行き、夜の会食が終わる22時ごろに自宅まで送り届ける、という日も珍しくありません。
会食やゴルフ、出張の送迎が重なる時期は、朝が早く夜が遅い日が続くこともあります。前日まで予定がはっきりしないこともあり、プライベートの予定を立てにくいと感じる人が多いのが実情です。
なお、運転を主な仕事とする社員には、厚生労働省の働き方改革総合サイトが説明しているとおり、拘束時間や休息期間の上限を定めた「改善基準告示」が適用されます。自家用車で人を送迎する場合はバス運転者の基準が使われ、1日の拘束時間は原則13時間以内(最大15時間)とされています。長時間労働が常態化している職場は、そもそもルールを守れていない可能性があります。
待機時間が長く、自由に過ごせるわけではない
役員が会議や商談、会食をしている間、運転手は車内や駐車場で待機します。この待機は「いつ呼ばれてもすぐ車を出せる状態」で待つ時間なので、自由に外出したり、長時間仮眠したりできるわけではありません。
待機場所が路上で駐車できず、周辺を回り続けなければならないケースや、夏場・冬場の車内で長時間過ごすケースもあります。何もしない時間が長いことを「楽」と感じるか「苦痛」と感じるかで、評価が真っ二つに分かれるポイントです。
なお、すぐに動けるよう指示されて待っている時間は、休憩ではなく労働時間(手待時間)として扱うのが原則です。待機時間が給与にどう反映されるかは、応募前に必ず確認しておきましょう。
役員の急な予定変更にすぐ対応するプレッシャー
役員の予定は、取引先との調整や社内の事情で当日に変わることがよくあります。「30分後に出発に変更」「行き先を変えてほしい」といった連絡に、すぐに対応しなければなりません。
渋滞を避けるルートの選び直しや、到着時間の連絡、次の予定に遅れないための段取りなど、臨機応変な判断が求められます。遅れれば役員の商談や会議に直接影響するため、精神的なプレッシャーを感じやすい場面です。
ただし、慣れてくると役員の行動パターンが読めるようになり、先回りして準備できるようになります。経験を積むほど負担が軽くなっていく理由のひとつです。
一度の事故やミスも許されない運転への緊張感
役員運転手が乗せているのは、会社の経営を担う重要な人物です。小さな接触事故でも、役員のケガや予定のキャンセル、会社の信用問題につながりかねません。
さらに、急ブレーキや急発進で車内の役員が書類を落としたり、電話中に揺れて不快な思いをさせたりするだけでも評価が下がることがあります。「安全に着く」だけでなく「快適に乗ってもらう」運転が求められる点が、ほかの運転の仕事にはない緊張感です。
また、前夜の飲酒が翌朝に残っていれば、それだけで乗務できません。警察庁によると、2026年7月21日の改正で酒酔い運転の判断に呼気1リットルあたり0.5ミリグラムという数値基準が加わるなど、飲酒運転への対応は年々厳しくなっています。日々の体調管理や生活リズムまで含めて自己管理が求められる仕事です。
車内の会話を外に漏らせない守秘義務の重さ
車内では、役員が電話で取引の話をしたり、同乗者と人事や経営の話をしたりすることがあります。役員運転手は、車内で見聞きしたことを家族や友人にも話してはいけないという強い守秘義務を負います。
入社時に秘密保持の誓約書を書くのが一般的で、SNSへの投稿はもちろん、何気ない雑談でも口外は厳禁です。重要な情報を知る立場にいながら誰にも話せない状態は、人によっては大きなストレスになります。
反対に、口が堅く、余計なことを詮索しない人は役員から信頼されやすいため、長く担当を任されることにつながります。
洗車・車両管理など運転以外の仕事も多い
役員運転手の仕事は、運転だけではありません。職場によっては、次のような業務も任されます。
- 洗車・車内清掃、車内に置く飲み物や新聞の準備
- 給油・タイヤ空気圧の点検、定期点検や車検のためのディーラーへの回送
- 運転日報・走行記録の作成、高速料金や駐車場代の精算
- 来客の送迎や書類・荷物の受け渡し、簡単な買い物の代行
「運転手として採用されたのに雑用が多い」と感じる人がいる一方で、待機時間に車両管理を進められるので時間を持て余さないと前向きにとらえる人もいます。どこまでが業務範囲なのかは、職場ごとの差が大きいポイントです。
担当役員との相性や退任で働き方が左右される
役員運転手は、多くの場合1人の役員を専属で担当します。そのため、担当役員との相性が仕事の満足度を大きく左右します。
時間に厳しい人、車内では静かに過ごしたい人、会話を楽しみたい人など、役員の性格はさまざまです。相性が良ければ働きやすい一方、合わない場合は毎日長時間を一緒に過ごすだけに負担が大きくなります。
また、担当役員の退任や交代によって、配置換えや契約終了になる可能性がある点も見落とせません。役員の勤務スタイルが変われば、勤務時間や休日の取り方も変わります。
昇進の道筋が見えにくく底辺の仕事と誤解されることもある
役員運転手は少人数の職種で、社内で管理職に昇進していくキャリアパスが用意されていないことも多くあります。給与も年功で大きく上がる仕組みではない会社が多く、「この先どうなるのか見えにくい」と感じる人もいます。
また、ネット上では「ただの運転手」「底辺の仕事」といった心ない書き込みを目にすることもあります。しかし実際には、経営者の移動と安全を預かる、信頼がなければ任されない仕事です。この点は後ほど詳しく解説します。
| やめとけと言われる理由 | 特につらいと感じやすい人 | 入る前の確認ポイント |
|---|---|---|
| 拘束時間が長い | 定時で帰りたい人 | 1日・1か月の拘束時間の目安 |
| 待機が長い | じっとしているのが苦手な人 | 待機場所・待機中の過ごし方 |
| 急な予定変更 | 段取りを崩されるのが苦手な人 | 連絡手段と予定共有の方法 |
| 事故・ミスへの緊張 | プレッシャーに弱い人 | 事故時の対応・保険 |
| 守秘義務 | 話好きで口が軽い人 | 秘密保持の範囲 |
| 運転以外の業務 | 運転だけに集中したい人 | 業務範囲の明記 |
| 役員との相性・退任 | 環境の変化が苦手な人 | 担当替え・退任時の扱い |
| キャリアが見えにくい | 昇進を目指したい人 | 昇給・評価の仕組み |
役員運転手の実態|勤務時間・待機・残業のリアル
ここでは、役員運転手の勤務時間や待機、残業の実態をもう少し具体的に見ていきます。
勤務時間のうち待機が占める割合
都内の役員送迎を例に、ある1日の流れを見てみましょう。
| 時間 | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 6:30 | 出社・車両点検・アルコールチェック・車内準備 | 準備 |
| 7:30〜8:30 | 役員の自宅へお迎え、本社まで送迎 | 運転 |
| 8:30〜11:30 | 社内会議中のため待機(洗車・日報作成) | 待機 |
| 11:30〜12:00 | 取引先へ移動 | 運転 |
| 12:00〜15:00 | 商談・会食の間、近くで待機 | 待機 |
| 15:00〜16:00 | 本社へ戻る・別の訪問先へ移動 | 運転 |
| 16:00〜18:30 | 社内業務中のため待機 | 待機 |
| 18:30〜19:00 | 会食会場へ送迎 | 運転 |
| 19:00〜21:30 | 会食が終わるまで待機 | 待機 |
| 21:30〜22:30 | 役員を自宅へ送り届け、車庫へ戻る | 運転 |
この例では、拘束時間約16時間のうち実際に運転しているのは4時間ほどで、残りの大半は待機です。もちろん職場によって差はありますが、勤務時間の半分以上が待機というのは決して珍しくありません。
なお、このような1日の拘束時間は改善基準告示の上限(原則13時間・最大15時間)を超えています。厚生労働省の自動車運転者の労働時間等ポータルサイトでは、バス運転者の基準として1日の休息期間を継続11時間を基本に9時間を下回らないこと、1か月の拘束時間を原則281時間以内とすることなどが示されています。長時間の日が続く職場では、運転手を交代制にしたり、夜の送迎だけ別の手段を使ったりする工夫が欠かせません。
残業代・時間外手当はどう扱われる?
役員の指示を待ってすぐに動ける状態でいる時間は、手待時間として労働時間に含まれるのが原則です。厚生労働省の長時間労働削減に向けた取組で公開されている「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」でも、使用者の指示があればすぐに業務に従事することが求められ、労働から離れることが保障されていない待機時間は労働時間にあたるとされています。
そのため、待機が長い役員運転手は、残業代が多くなりやすい職種です。求人で月給が高めに見えるのは、時間外手当が多く含まれているケースもあります。
注意したいのは、次のような給与の決め方です。
- 固定残業代(みなし残業)が月○時間分含まれていて、それを超えた分が支払われるか不明確
- 待機時間を休憩扱いにして、労働時間から差し引いている
- 深夜(22時〜5時)の割増賃金が支払われていない
また、改善基準告示の対象となる運転者は、2024年4月から時間外労働の上限が年960時間とされました。残業が多い職場ほど、会社側がこの上限を守るために体制を見直しているかどうかが重要になります。
正社員・契約社員・業務委託で変わる働き方
役員運転手の働き方は、雇用形態によっても変わります。
| 働き方 | 主な特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 企業の正社員 | 賞与・退職金・福利厚生がある。役員の専属として長く担当しやすい | 安定して長く働きたい人 |
| 企業の契約社員・嘱託 | 定年後の再雇用や1年更新の契約が多い。役員の任期に合わせることも | 経験者・シニア層 |
| 運転手の専門会社に所属 | 契約先の企業で乗務する。担当先が変わることがある | さまざまな現場を経験したい人 |
| 個人の業務委託 | 時間単価や日当で契約。社会保険や事故時の責任を自分で負う範囲が広い | 独立して働きたい経験豊富な人 |
専門会社に所属する場合、勤務先の企業が変わっても会社が教育や代わりの人員の手配を担ってくれるため、1社の役員との相性に左右されにくいという利点があります。一方で個人の業務委託は、収入の自由度が高い反面、事故時の責任や保険を自分で手当てする必要があるため慎重な判断が必要です。
役員運転手は底辺?世間のイメージと実際の評価
ネット上の「底辺」という言葉は、学歴や資格がなくても応募できる求人が多いことや、運転の仕事への偏見から来ていることがほとんどです。
実際の役員運転手は、経営者の命と時間、そして会社の秘密を預かる仕事です。運転技術だけでなく、身だしなみ、言葉づかい、気配り、守秘の徹底までそろった人でなければ務まりません。大手企業では、長年同じ役員を担当して厚い信頼を得ている運転手も少なくありません。
役員から「この人に任せておけば安心」と思われる運転手は、待遇面でも大切にされる傾向があります。世間のイメージと現場の評価には大きな差があるといえるでしょう。
役員運転手の年収は?給料の相場と差がつく理由
やめとけと言われる一方で、役員運転手の求人には比較的高めの給与が提示されているものも多くあります。ここでは年収の相場と、差がつく理由を見ていきます。
正社員として雇われる場合の年収相場
役員運転手の年収は、おおむね300万〜600万円程度が目安です。勤務先の企業規模、担当する役員の役職、残業時間の多さによって大きく変わります。
大手企業の正社員として社長や会長を担当する場合は、賞与や手当を含めて年収500万円を超えることもあります。一方、中小企業で勤務時間が比較的短い職場では、年収300万円台にとどまることもあります。
金額に幅が出る一番の理由は残業代です。同じ基本給でも、早朝・深夜の送迎や会食後の待機が多い職場では時間外手当がふくらみ、年収が大きく変わります。
専門会社に所属して働く場合の月給の目安
役員運転手を企業に手配する専門会社に所属して働く場合も、月給制が中心です。求人サイトを見ると、首都圏の役員車の運転手の求人では、残業代や手当を含めて月給40万円台後半〜60万円台を提示するものも見られます。
ただし、高い月給の求人は、拘束時間が長い前提だったり、夜間中心だったりすることもあります。月給だけで判断せず、次の点をセットで確認しましょう。
- 月給に含まれる固定残業代の時間数と、超えた分の支払い
- 1日の拘束時間の目安と、休日の数
- 賞与・退職金の有無と社会保険への加入
タクシー・ハイヤー運転手との年収比較
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査をもとにした集計では、タクシー運転者の年間の賃金推計額は約451万円で、前年から大きく伸びました。運転の仕事の人手不足や待遇の動きは、厚生労働省の「統計からみる運転者の仕事」でも確認できます。
| 職種 | 年収の目安 | 収入の決まり方 |
|---|---|---|
| 役員運転手 | 300万〜600万円程度 | 月給制が中心。残業代・賞与で差がつく |
| タクシー運転手 | 約451万円(令和7年の推計) | 歩合給の比率が高く、売上で変動 |
| ハイヤー運転手 | 会社・勤務形態により幅が大きい | 固定給+歩合が多い |
タクシーは頑張り次第で収入を伸ばせる一方、売上が落ちれば給料も下がります。役員運転手は大きく稼ぐことは難しくても、毎月の収入が安定しやすいのが特徴です。どちらが良いかは、収入の安定と伸びしろのどちらを重視するかで変わります。
役員運転手が年収を上げるためにできること
役員運転手が年収を上げるには、次のような方法があります。
- 大手企業や外資系企業など、待遇の良い職場へ転職する
- 社長・会長など上位の役員の担当を任される
- 語学力を身につけ、外国人役員や海外からの来賓を担当できるようにする
- 第二種免許や大型免許を取得し、ハイヤーなど活躍の場を広げる
- 無事故・無違反の実績を積み、評価や昇給につなげる
とくに英語など外国語に対応できる運転手は求人が限られる分、待遇が良くなりやすい傾向があります。待機時間を使って語学や資格の勉強を進められる職場なら、収入アップの準備にもつながります。
きついだけじゃない役員運転手の魅力
ここまできつい面を中心に紹介してきましたが、役員運転手には長く続ける人が多い理由もあります。
経営者の近くで仕事の進め方を学べる
役員運転手は、経営者の働き方をいちばん近くで見られる仕事です。移動中の電話の受け答えや、時間の使い方、人との接し方から学べることは多く、社会人としての視野が広がります。
信頼関係ができると、役員から仕事や人生の話を聞かせてもらえることもあります。人として成長できる環境だと感じて長く勤める人も少なくありません。
月給制で収入が安定しやすい
タクシーのように売上で給料が変わる仕組みではないため、毎月の収入の見通しが立てやすいのは大きな魅力です。景気や天候に左右されにくく、家族を養う立場の人にとって安心材料になります。
正社員であれば賞与や退職金、社会保険も整っていることが多く、生活設計がしやすい働き方です。
走行距離が短く体への負担は比較的軽い
役員運転手の運転は、都心部の決まったエリアを中心に移動することが多く、長距離ドライバーのように1日に何百キロも走ることはあまりありません。荷物の積み下ろしもほとんどないため、体力的な負担は比較的軽いといえます。
そのため、体力に不安が出てくる年代になってからも続けやすく、50代・60代で活躍している人も多い職種です。
待機時間を勉強や資格取得にあてられる職場もある
待機中の過ごし方は職場によって違いますが、すぐに車を出せる状態を保っていれば、読書や資格の勉強をしてよいとする職場もあります。
語学の勉強や、運行管理者・安全運転管理者などの知識を身につけておけば、将来のキャリアの選択肢が広がります。待機時間を「ムダな時間」ではなく「自分に投資する時間」として使えるかどうかで、仕事の満足度は大きく変わります。
役員運転手に向いている人・向いていない人
ここまでの内容をふまえて、役員運転手に向いている人と、やめとけと言われやすい人の特徴を整理します。
役員運転手に向いている人の特徴
- 安全運転に自信があり、無事故・無違反を続けられる人
- 待つことが苦にならず、待機中も集中力を保てる人
- 相手の予定や気持ちを察して先回りできる人
- 口が堅く、見聞きしたことを他人に話さない人
- 身だしなみや言葉づかいに気を配れる人
- 規則正しい生活と体調管理を続けられる人
とくに大切なのは、目立たないところで相手を支えることにやりがいを感じられるかです。役員がスムーズに仕事をできるよう、陰で段取りを整えることを楽しめる人は、この仕事に向いています。
やめとけと言われるタイプの人の特徴
- 勤務時間が毎日決まっていないと落ち着かない人
- じっと待つ時間が苦痛に感じる人
- 運転中にイライラしやすい、運転が荒くなりがちな人
- 休日や夜の予定を優先したい人
- 人に気をつかうことにストレスを感じやすい人
当てはまる項目が多い場合は、勤務時間が決まっている送迎ドライバー(社員送迎バスや施設の送迎など)や、自分のペースで働ける仕事のほうが合っているかもしれません。
後悔しないために求人・契約で確認したいポイント
役員運転手の働きやすさは、職場によって大きく違います。応募や契約の前に、次の4つを必ず確認しておきましょう。
拘束時間・待機時間の扱いと残業代の計算方法
もっとも大切なのは、待機時間が労働時間として扱われ、残業代が正しく計算されるかです。面接では次のように質問すると、実態がつかみやすくなります。
- 1日の平均的な出社時刻と退社時刻はどのくらいか
- 月の残業時間の平均はどのくらいか
- 固定残業代は何時間分で、超えた分は支払われるか
- 待機中に休憩として扱う時間はあるか
曖昧な答えしか返ってこない場合は、入社後に「聞いていた話と違う」となりやすいので注意が必要です。
担当する役員の人数と勤務パターン
1人の役員を専属で担当するのか、複数の役員を交代で送迎するのかで、働き方は大きく変わります。
専属なら役員の予定に合わせて動くぶん勤務時間が不規則になりがちです。一方、複数の運転手でシフトを組む職場では、早番・遅番の交代や休日の確保がしやすくなります。土日の会食やゴルフ送迎がどのくらいあるのかも確認しておきましょう。
運転以外に任される業務の範囲
洗車や車両管理、日報作成など、運転以外にどこまでの業務があるのかを確認しましょう。職場によっては、秘書業務の補助や来客対応、買い物の代行まで頼まれることもあります。
業務範囲が求人票や契約書に書かれていないと、なし崩しに仕事が増えていくことがあります。「何をするか」だけでなく「何はしなくてよいか」もはっきりさせておくと安心です。
事故を起こしたときの責任と保険
会社の車で業務中に事故を起こした場合、修理費や賠償は会社が加入する任意保険で対応するのが一般的です。ただし、会社によっては免責金額の一部を運転手に負担させる規定を設けていることもあります。
入社前に、事故時の対応の流れと、運転手個人に負担が生じるケースがあるかを確認しておきましょう。また、アルコールチェックの方法や、体調不良で乗務できないときの代わりの手配がどうなっているかも、働きやすさを左右するポイントです。
依頼する側から見た良い役員運転手の条件と定着する職場づくり
ここからは視点を変えて、役員運転手を雇う会社・依頼する側から見たポイントを紹介します。総務や人事で運転手の採用を担当している方は、とくに参考にしてください。
安心して送迎を任せられる運転手に共通する5つの資質
- 急がず乱さず、同乗者が揺れを感じにくい丁寧な運転ができる
- 道路事情や渋滞を読み、時間に余裕を持った段取りができる
- 車内の会話や行き先を一切口外しない守秘の意識がある
- 清潔感のある身だしなみと、控えめで丁寧な言葉づかいができる
- 体調管理や飲酒の自己管理を徹底できる
この5つは、どれか1つが欠けても役員の信頼を得るのは難しくなります。運転技術と人柄の両方を見極めることが、採用で失敗しないための第一歩です。
運転手がすぐ辞めてしまう会社の共通点
せっかく採用した運転手がすぐに辞めてしまう会社には、次のような共通点があります。
- 待機時間を労働時間として扱わず、残業代が実態に見合っていない
- 運転手が1人しかおらず、休日や休暇が取りにくい
- 予定の共有が直前ばかりで、生活の見通しが立たない
- 運転以外の雑務が際限なく増えていく
- 車内での振る舞いへの不満を、本人に伝えずに評価だけ下げる
とくに運転手1人体制は、本人の負担が大きいだけでなく、病気や家庭の事情で休んだときに送迎が止まってしまうリスクもあります。
自社で雇った運転手を定着させるのが難しい理由
役員運転手の仕事は社内に同じ職種の人がほとんどいないため、悩みを相談できる相手がいなかったり、評価の基準があいまいになったりしがちです。
さらに、運転を主な仕事とする社員を雇うと、会社には改善基準告示にもとづく労働時間の管理や、安全運転管理者による運転前後のアルコールチェックなどの労務・安全管理の責任が生じます。総務の担当者が通常業務と並行してこれらを管理するのは、簡単ではありません。
採用・教育・労務管理・欠員時の代わりまでを自社だけで回すのが難しい場合は、外部の専門会社を活用するのも一つの方法です。自社で運転手を雇う場合の具体的な費用やメリット・デメリットは、専属運転手を雇う費用とメリット・デメリットの記事でも詳しく解説しています。
運転手の確保に悩む会社は外部の専門会社に任せる選択肢も
役員運転手を自社で雇い続けるのが難しいと感じたら、運転業務を外部の専門会社に任せる方法があります。主なメリットを見ていきましょう。
採用・教育・労務管理の手間を減らせる
外部の専門会社に任せると、運転手の募集・選考・教育を自社で行う必要がなくなります。運転マナーや守秘義務の教育を受けた運転手が担当するため、採用のミスマッチも起こりにくくなります。
勤怠や労働時間の管理も専門会社側が担うので、総務担当者の負担が大きく減ります。役員の送迎を必要な分だけ依頼できるのも、自社雇用にはないメリットです。
急な欠勤時も代わりの運転手を手配してもらえる
自社で1人の運転手を雇っている場合、その人が病気やけがで休めば送迎が止まってしまいます。専門会社なら、担当者が休むときも代わりの運転手を手配してもらえるため、役員の予定に穴をあけずに済みます。
繁忙期やイベントで一時的に台数を増やしたいときにも、スポットで運転手を手配できる会社なら柔軟に対応できます。
自社雇用と外部委託の費用・手間の比較
| 比較項目 | 自社で直接雇用 | 外部の専門会社に委託 |
|---|---|---|
| 稼働までの期間 | 求人・選考・教育で数か月かかることも | 条件が合えば短期間で依頼できる |
| 費用の内訳 | 給与+社会保険料+採用・教育費 | 契約料金(見積もり)+実費 |
| 労務管理 | 労働時間・休息期間の管理を自社が担う | 委託先が担う |
| 急な欠員 | 代わりの人員を確保しにくい | 代わりの運転手を手配してもらえる |
| ミスマッチ時 | 配置換えや退職の調整が必要 | 担当の変更を相談しやすい |
| 業務範囲 | 社内事情に合わせて柔軟に決められる | 契約で決めた範囲が中心 |
月々の費用だけを比べると自社雇用のほうが安く見えることもありますが、採用費や社会保険料、欠員時の対応まで含めた総額で比較することが大切です。東京で運転手を手配できる会社の料金やサービスは、東京で役員運転手を依頼できる会社の比較記事でまとめています。
役員運転手はやめとけに関するよくある質問
- 未経験でも役員運転手になれる?
- 役員運転手に二種免許は必要?
- 役員運転手は何歳まで働ける?
- 待機時間中は何をしている?
- 女性でも役員運転手として働ける?
- きついと言われるのに長く続ける人が多いのはなぜ?
未経験でも役員運転手になれる?
なれます。普通自動車免許があり、運転経験が十分にあれば、未経験から応募できる求人も多くあります。ただし、無事故・無違反の運転歴や、接客・営業などで身につけたマナーが重視される傾向があります。研修制度がある専門会社や、先輩運転手がいる職場を選ぶと安心です。
役員運転手に二種免許は必要?
会社が保有する車(白ナンバー)を社員として運転する場合は、第二種免許は不要で、普通自動車第一種免許で働けます。第二種免許が必要になるのは、タクシーやハイヤーのように運賃をもらってお客様を運ぶ場合です。持っていれば応募できる仕事の幅が広がるので、キャリアアップを考えるなら取得を検討してもよいでしょう。
役員運転手は何歳まで働ける?
正社員なら会社の定年(60〜65歳が多い)まで、その後も再雇用や嘱託で65〜70歳ごろまで働く人が多くいます。運転技術と体調が保たれていれば、年齢よりも経験や人柄を評価されやすい職種です。70歳以上で免許を更新するときは高齢者講習を受ける必要があるため、健康状態とあわせて定期的に見直しましょう。
待機時間中は何をしている?
すぐに車を出せる状態を保ちながら、洗車や車内清掃、日報の作成、次の移動ルートの確認などを行います。職場によっては読書や資格の勉強が認められていることもあります。ただし、長時間の仮眠や車を離れての外出は基本的にできません。
女性でも役員運転手として働ける?
働けます。女性の役員や家族の送迎で、女性の運転手を希望する企業・個人もいます。丁寧な運転や細やかな気配りは性別に関係なく評価される仕事です。早朝・深夜の勤務がある点は、事前に勤務パターンを確認しておくと安心です。
きついと言われるのに長く続ける人が多いのはなぜ?
収入が安定していて、体力的な負担も比較的軽く、役員から信頼されることにやりがいを感じられるからです。最初は待機や予定変更に戸惑っても、慣れると役員の動きが読めるようになり、仕事がぐっと楽になります。合う人にとっては、10年・20年と同じ役員を担当し続けられる仕事です。
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役員運転手の採用や定着に悩んでいる会社には、フィールドサービス株式会社の運転手手配サービスがおすすめです。貴社の車両に、ビジネスシーンに合わせた運転手をご用意します。
フィールドサービスが法人に選ばれる理由
フィールドサービス株式会社は、業務歴31年超・法人契約80社以上の実績を持つ、役員車両の運転業務の専門会社です。在籍ドライバーは60名以上で、専属運転手として同じドライバーが継続して担当するプランから、急な欠勤やイベント時のスポット対応まで幅広く対応しています。
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- 欠勤時の代わりの運転手の手配から事故の初期対応まで一括で任せられる
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この記事で紹介した「運転手が定着しない」「1人体制で休むと送迎が止まる」といった悩みも、運転手の教育や代わりの手配までフィールドサービスに任せることで解決しやすくなります。
料金・対応エリアと見積もり依頼の流れ
| 項目 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 料金 | 個別見積もり | 条件が決まっていなくても概算の見積もりが可能 |
| 初期費用・解約手数料 | なし | 契約期間は柔軟に相談可能 |
| プラン | 専属運転手/運転手の手配・業務委託/スポット短期 | 急な欠勤やイベント時の増便にも対応 |
| 車両 | お客様の車両を使用 | 車両の貸し出しは行っていません |
| 対応エリア | 東京都全域・神奈川・埼玉・千葉 | エリア外も相談可能 |
| 拠点 | 板橋本店・日本橋・西新宿・恵比寿・横浜 | — |
| ご利用者 | 法人・個人 | ご家族の送迎にも対応 |
見積もりの流れは、①フォームまたは電話で希望条件や利用目的を伝える→②条件をもとに最適なプランと見積もりが提示される→③内容に納得したら契約し、担当ドライバーの運行開始、という3ステップです。送迎の頻度や時間帯、希望する運転手像を伝えると、より具体的な見積もりを受け取れます。相談や見積もりは無料なので、まずは概算だけ知りたいという段階でも気軽に問い合わせてみてください。


