社用車を持つ会社にとって、自動車保険は「入っていればよい」ものではありません。契約方式・運転者の範囲・年齢条件の決め方しだいで、いざ事故が起きたときに補償されないことがあるからです。
とくに見落としやすいのが、取引先や家族、アルバイト、外部の運転手など社員以外の人が社用車を運転したときの扱いです。法人契約は運転者を限定しないのが基本ですが、会社の許諾がない運転や、年齢条件から外れた運転者の事故は補償の対象外になります。
この記事では、社用車の保険の基本(自賠責保険と任意保険)から、フリート・ノンフリート・ミニフリートの違い、運転者の範囲と年齢条件、社員以外が運転するときの補償、主な保険会社5社の法人向け自動車保険、保険料を抑えるコツまでを2026年10月時点の情報でまとめました。
- 社用車の保険を初めて契約する、または見直したい総務・経理の担当者
- 社用車が10台前後に増えてきて、フリート契約に切り替えるべきか迷っている方
- 役員車を外部の運転手に任せる予定があり、保険の扱いを確認したい方
このような方は、ぜひ参考にしてください。
社用車の保険とは?自賠責保険と任意保険の役割
社用車にかける保険は、法律で加入が義務づけられた自賠責保険と、会社の判断で加入する任意保険(自動車保険)の2階建てです。まずはそれぞれの役割を整理しておきましょう。
自賠責保険だけでは足りない理由
結論から言うと、自賠責保険は「相手のケガ・死亡」を最低限補償するだけで、事業で車を使う会社のリスクをカバーするには足りません。
国土交通省の案内によると、自賠責保険の支払限度額は被害者1人につき次のとおりです。
| 傷害 | 120万円 |
|---|---|
| 後遺障害 | 75万円〜4,000万円(等級により異なる。常時介護を要する第1級が4,000万円) |
| 死亡 | 3,000万円 |
| 補償されないもの | 相手の車・建物・積み荷などの物の損害、自分の車の修理費、運転者自身のケガ |
交通事故の損害賠償は、被害者の年齢や収入によっては1億円を超える判決が出ることもあります。限度額を超えた分や、物の損害(相手の車、店舗、信号機、ガードレールなど)は、任意保険に入っていなければ会社がそのまま負担することになります。
なお、自賠責保険そのものに未加入で走ると、事故を起こさなくても1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、違反点数6点で免許停止の対象になります(国土交通省「もしも、自賠責保険・共済に加入していないと」)。車検のある車は車検時に更新されますが、車検のない原付・250cc以下のバイクを業務で使っている会社は、満期切れに注意してください。
任意保険の主な補償(対人・対物・人身傷害・車両)
任意保険は、自賠責保険で足りない部分を埋める保険です。補償は大きく次の4つに分かれます。
| 補償 | 何を補償するか | 社用車での考え方 |
|---|---|---|
| 対人賠償 | 相手(歩行者・相手車の乗員など)を死傷させたときの賠償のうち、自賠責保険を超える部分 | 無制限が基本 |
| 対物賠償 | 相手の車・建物・積み荷・ガードレールなど物の損害の賠償 | 無制限が基本。店舗や鉄道設備への衝突は高額になりやすい |
| 人身傷害 | 自車に乗っている運転者・同乗者のケガや死亡(過失割合にかかわらず損害額を補償) | 役員や従業員が乗る車なら付けておきたい |
| 車両保険 | 自分の車の修理費・全損時の損害 | 役員車・新しい車・リース車は検討の価値が高い |
このほか、無保険車との事故に備える無保険車傷害、単独事故に備える自損事故保険、弁護士費用特約、ロードサービスなどを組み合わせて契約します。補償の組み合わせを決めるときは、まず「相手への賠償は無制限」を固め、そのうえで自社の車と乗員の補償をどこまで厚くするかを考えると迷いにくくなります。
法人向け自動車保険と個人向け自動車保険の違い
法人名義の車は、個人向けの自動車保険(いわゆるマイカー保険)ではなく、法人・事業者向けの自動車保険で契約するのが一般的です。たとえば、あいおいニッセイ同和損保の個人向け商品「タフ・クルマの保険」は法人では加入できず、法人は「タフビズ事業用自動車総合保険」を使います。
主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 個人向け自動車保険 | 法人向け自動車保険 |
|---|---|---|
| 運転者の限定 | 本人・配偶者限定、家族限定などが選べる | 原則限定しない(多くの社員が乗る前提) |
| 年齢条件 | 主な運転者と家族が対象 | 運転するすべての人が対象(フリート契約は年齢条件の設定自体がない) |
| 日常生活の特約 | 個人賠償責任特約などを付けられる | 付けられない商品が多い |
| 事業向けの特約 | 基本的になし | 受託貨物・休車費用・積載動産・使用人災害など |
| 他車運転特約 | 自動でセットされることが多い | 法人契約では自動セットされない場合がある |
法人契約では、個人契約で当たり前に付いている補償が付かないことがある点に注意が必要です。とくに役員が社用車以外の車を運転する機会が多い場合は、他車運転の補償をどう確保するか(指定運転者の設定など)を代理店に確認しておきましょう。
社用車の保険の契約方式|フリート・ノンフリート・ミニフリート
社用車の保険は、会社が持っている車の台数によって契約方式が変わります。保険料の決まり方が大きく違うので、自社がどれに当たるかを最初に確認しておきましょう。
フリート契約(10台以上)の仕組み
フリート契約は、契約者が所有・使用する車のうち、自動車保険をかけている車が合計10台以上ある場合の契約方式です。東京海上日動・損保ジャパン・三井住友海上とも、10台以上をフリート、9台以下をノンフリートとしています。
損保ジャパンの案内では、台数は「契約期間が1年以上の自動車保険をかけている車」の合計で数えます。保険会社が分かれていても合算されるため、A社で6台、B社で4台なら合計10台でフリート契約者の扱いです。トラックやバイクも原則として台数に入ります。
フリート契約の保険料は、車1台ごとの等級ではなく、会社全体の契約台数・保険料・支払われた保険金(損害率)をもとに決まる「フリート割増引率」で計算されます。損保ジャパンの場合、割引率は台数に応じて最大80%(ノンフリートは最大63%)で、1年間に進む割引は最大30%です。
- 対象は所有・使用する自動車の総契約台数が10台以上の契約者
- 保険料は会社全体の事故実績(損害率)で決まる
- 割引率は最大80%(損保ジャパンの例)
- 運転者の限定や年齢条件による割引は使えない
ノンフリート契約(9台以下)の仕組み
ノンフリート契約は、総契約台数が9台以下の場合の契約方式です。個人の自動車保険と同じく、1台ごとに1〜20等級の「ノンフリート等級」で保険料が決まります。
三井住友海上の案内では、対人・対物賠償で保険金が支払われた事故は1件につき3等級ダウン、火災・盗難などで車両保険だけが支払われた事故は1等級ダウンです。さらに3等級ダウン事故は3年間、1等級ダウン事故は1年間、同じ等級でも割引の小さい「事故有」の係数が適用されます。
台数が少ない会社では、1台の事故はその車の保険料にしか響かないのがノンフリートの分かりやすさです。一方で、車ごとに満期日がばらばらになりやすく、更新漏れの管理が手間になります。
ミニフリート契約で2台以上をまとめる
ミニフリート契約は、ノンフリート(9台以下)の車を1つの保険証券にまとめて契約する方式です。等級は1台ずつ持ったまま、満期日をそろえて管理でき、台数に応じた割引が付きます。
割引率は保険会社によって異なりますが、たとえば三井住友海上の多数台割引は2台で3%、3〜5台で4%、6台以上で6%です。東京海上日動も、1つの保険証券で2台以上をまとめるミニフリートに割引を設けています。
ただし、すべての保険会社がミニフリートを扱っているわけではありません。たとえばアクサ損害保険の法人向け自動車保険は、2〜9台をまとめるミニフリート契約を取り扱っていません(1台ずつの契約で、2台目以降はマイページからの申込みで複数契約割引)。台数が2台以上ある会社は、まとめて契約できるかを見積もりの段階で確認しておきましょう。
社用車が10台前後の会社が気をつけたい切り替えのタイミング
社用車が9台から10台に増えると、次の契約からフリート契約者として扱われます。このタイミングには注意点が3つあります。
- ノンフリートで高い等級(大きな割引)を持っていた会社は、フリートに移ったとたん割引が小さくなり、保険料が上がることがある
- フリートでは運転者限定や年齢条件の割引が使えなくなるため、その分の保険料の変化も見込む
- 別々の保険会社・代理店で契約していると、10台に届いたことに会社側が気づかないまま契約が続いてしまう
逆に、事故がほとんどない会社は、フリートの割引が年々進むことで保険料が下がっていくケースもあります。9台前後の会社は、増車の計画が決まった段階で代理店に「フリートに移った場合」と「ノンフリートのまま」の両方の試算を依頼するのが確実です。
また、車を減らして9台以下になった場合はノンフリートに戻ります。このときどの等級から始まるかは保険会社の規定によるため、減車の前に確認しておきましょう。
フリート契約のメリット
10台以上の社用車を持つ会社にとって、フリート契約には管理面と保険料面の両方でメリットがあります。
全車を1つの契約で管理でき、更新漏れや無保険を防げる
フリート契約では、社用車をまとめて1つの証券で契約できます。満期日が1つにそろうので、車ごとの更新漏れが起きにくくなります。
車ごとに契約がばらばらだと、担当者の異動や退職をきっかけに「気づいたら1台だけ満期が切れていた」ということが起こりがちです。無保険の状態で事故が起きれば、相手への賠償をすべて会社が負うことになります。保険料の支払いや補償内容の見直しも年1回でまとめて行えるため、総務・経理の手間も減ります。
三井住友海上のようにフリート契約者向けのWebサービスで社有車の管理機能を提供している保険会社もあり、保険の管理と車両管理を一体で進めやすいのもフリート契約の利点です。
台数が多いほど割引が大きくなる
フリート割増引率は、総契約台数が多いほど最大割引率が大きくなる仕組みです。損保ジャパンでは最大80%と、ノンフリートの最大63%より割引の上限が高く設定されています。
さらに、1つの証券で契約する台数に応じた「フリート多数割引」が加わる保険会社もあります。事故の少ない会社ほど、台数が多いことによるメリットを受けやすいと考えてよいでしょう。
ただし、割引率は前年の割増引率と損害率から毎年計算し直されるので、「台数が多い=自動的に安い」わけではありません。割引を維持するには、次で紹介するデメリットへの対策(事故を減らす取り組み)が欠かせません。
増車した社用車の付け忘れを防げる
フリート契約では、所有・使用するすべての車を1つの証券で契約する「全車両一括付保特約」を付けられます(東京海上日動では「オールインワン契約」と呼ばれます)。
この特約を付けると、新しく買った車やリースで増やした車も契約の対象に含まれるため、納車日に保険の手続きが間に合わなかったという事態を防げます。営業車の入れ替えが多い会社や、拠点ごとに車を手配している会社ほど効果が大きい仕組みです。
なお、全車両一括付保特約は契約初日の台数が10台以上であることなどが条件です。増車・減車の報告方法(毎月か、満期時の精算か)は保険会社によって違うので、契約時に確認しておきましょう。
フリート契約のデメリット
フリート契約には、ノンフリートにはない注意点もあります。契約前に押さえておきたい3つを紹介します。
1台の事故が全体の保険料に響く
フリート契約の保険料は会社全体の損害率で決まるため、1台の大きな事故で、翌年は全車の保険料が上がることがあります。
ノンフリートなら事故を起こした車の等級が下がるだけですが、フリートでは支払われた保険金の総額が割増引率に反映されます。たとえば高額な対物事故や、車両保険を使う修理が続くと、事故のなかった車まで含めて保険料が上がる仕組みです。
そのため、フリート契約の会社では少額の修理は保険を使わず自社で負担する、ドライブレコーダーで危険運転を減らす、といった損害率を抑える工夫が保険料に直結します。
運転者の年齢条件や範囲を細かく絞れない
損保ジャパンの案内にあるとおり、フリート契約では運転者を本人・配偶者に限定したり、年齢条件で割引を受けたりすることはできません。
これは、誰が運転しても補償される一方で、「ベテランしか運転しないので年齢条件で安くしたい」といった調整ができないということです。役員車のように運転者がほぼ決まっている車でも、保険料の計算では他の車と同じ扱いになります。
年齢条件を気にせず使えるのはメリットでもあるので、新卒や若手社員が社用車を運転する会社にとっては、むしろ安心材料になります。
等級を個人契約へ引き継げない
法人名義で契約している社用車の保険の割引は、役員や従業員個人の自動車保険には引き継げません。たとえば役員が社用車を個人で買い取っても、会社の契約で積み上げた割引をそのまま使うことはできないのが原則です。
そもそもフリート契約にはノンフリート等級がないため、フリートからノンフリートに移ると等級の扱いが変わります。個人事業主が法人化した場合など、一定の条件で引き継げる例外もありますが、保険会社ごとに条件が異なります。
社用車の払い下げや法人化、事業譲渡の予定がある場合は、手続きの前に代理店へ等級の扱いを確認しておくと、思わぬ保険料アップを防げます。
社用車の保険で決めておきたい運転者の範囲と年齢条件
社用車の保険で事故後のトラブルになりやすいのが、「その人が運転していて補償されるのか」という点です。契約前に運転者の範囲と年齢条件を確認しておきましょう。
法人契約は運転者を限定しないのが基本
法人向けの自動車保険は、複数の社員が同じ車を使うことを前提にしているため、「本人限定」「家族限定」のような運転者の限定は設定しないのが基本です。アクサ損害保険も、法人向け自動車保険では運転者の範囲を限定できないと案内しています。
ただし「誰でも補償される」わけではありません。補償の対象になるのは、記名被保険者(会社)の許諾を得て運転している人です。会社が運転を認めていない人が勝手に運転した場合は補償されないので、誰が社用車を使ってよいかを社内規程で決めておくことが大切です。
社内のルールづくりは、運転を許可する社員の範囲、鍵の管理方法、運転日報の記録などを車両管理規程に書いておくのが一般的です。
年齢条件は一番若い運転者に合わせる
ノンフリートの法人契約で年齢条件を付ける場合、その車を運転するすべての人が年齢条件の対象になります(あいおいニッセイ同和損保の案内)。
年齢条件は「全年齢」「21歳以上」「26歳以上」「30歳以上」などから選びます(アクサ損害保険の例)。年齢を上げるほど保険料は下がりますが、条件より若い人が運転した事故は補償されません。
- その車を運転する可能性がある人のうち、一番若い人の年齢に合わせる
- 新卒や20代前半の社員が乗る車は「全年齢」か「21歳以上」
- 入社・異動で運転者が変わったら、保険期間の途中でも変更手続きをする
役員車でも、運転手が急に交代したり、若手社員が回送したりする場面があります。「普段の運転者」ではなく「運転する可能性がある人」で考えるのが失敗しないコツです。
私用や通勤で社用車を使ったときは補償される?
保険の補償は「会社の許諾があるか」で判断されるため、会社が認めている私用や通勤での事故は補償の対象になりうると考えてよいでしょう。逆に、会社が私用を禁止しているのに無断で使った場合は、補償されないおそれがあります。
ただし、法人名義の車を私用で使うこと自体は原則として想定されていません。私用を認める場合は、使用目的(業務使用か日常・レジャー使用か)が契約と合っているか、私用分の費用や税務上の扱いをどうするかも含めて、社内規程と保険の両方で整理しておく必要があります。
通勤に社用車を使わせる会社は多いので、通勤・直行直帰を認める範囲を規程に明記し、保険の使用目的が「業務使用」になっているかを代理店に確認しておくと安心です。
社員以外が社用車を運転したときの補償
取引先の担当者、社員の家族、アルバイトなど、社員以外が社用車を運転する場面は意外と多いものです。補償されるかどうかの考え方と、会社が負う責任を整理します。
取引先・家族・アルバイトが運転して事故を起こした場合
運転者を限定していない法人契約なら、会社の許諾を得て運転していれば、社員以外でも補償の対象になるのが基本です。
| 運転した人 | 補償されるか | 確認したいこと |
|---|---|---|
| アルバイト・パート | 会社の許諾があれば対象になりうる | 年齢条件(学生アルバイトは21歳未満のことも) |
| 役員・社員の家族 | 会社の許諾があれば対象になりうる | 年齢条件、私用目的の運転を会社が認めているか |
| 取引先の担当者 | 会社の許諾があれば対象になりうる | 運転を頼んだ経緯と、許諾を誰が出したか |
| 外部の運転手 | 会社の許諾があれば対象になりうる | 年齢条件、委託契約での責任分担(次の章で解説) |
アクサ損害保険の解説でも、社員の家族が許諾を得て運転し、契約上の補償対象に含まれていれば補償される可能性がある一方、年齢条件から外れていれば補償されないとされています。社員以外が運転する可能性がある車は、年齢条件を「全年齢」にしておくか、一番若い人に合わせておくのが確実です。
会社が運転を認めていない場合は補償されない
社員以外の運転で補償されない典型例が、会社の許諾がない運転です。たとえば次のようなケースが当てはまります。
- 社員が会社に無断で、家族や友人に社用車を運転させた
- 休日に社用車を持ち出し、私用で使っていた
- 鍵の管理がずさんで、退職者や部外者が持ち出した
このような場合、保険が使えないうえに、状況によっては会社が賠償責任を問われることがあります。運転してよい人・場面を規程で決め、鍵と運転日報を管理することが、保険の補償を確実にするための最低限の備えです。
会社が問われる運行供用者責任と使用者責任
社用車の事故では、運転していた本人だけでなく会社も賠償責任を負うことがあります。根拠になるのが次の2つです。
| 責任 | 根拠 | 内容 |
|---|---|---|
| 運行供用者責任 | 自動車損害賠償保障法 第3条 | 自己のために車を運行の用に供する者(車の持ち主・使用者など)が、人身事故の損害を賠償する責任。免責が認められる条件は厳しい |
| 使用者責任 | 民法 第715条 | 従業員が業務中に第三者へ損害を与えた場合に、雇っている会社が負う賠償責任。物損も対象 |
運行供用者責任は自動車損害賠償保障法(e-Gov法令検索)の第3条に、使用者責任は民法(e-Gov法令検索)の第715条に定められています。社名の入った車や会社の車で起きた事故は、運転者が社員以外でも会社が責任を問われる可能性があるということです。
だからこそ、社用車の任意保険は対人・対物とも無制限にし、誰が運転しても補償が切れないように運転者の条件を整えておくことが重要になります。
外部の運転手に社用車を任せる前に確認したい保険のポイント
役員車の運転を外部の専門会社に頼む場合、運転するのは社外の人ですが、多くは会社の車と会社の任意保険を使って運転します。契約を結ぶ前に確認しておきたいポイントをまとめました。
- 保険の運転者条件に外部の運転手が含まれるか
- 年齢条件と運転手の年齢が合っているか
- 委託先が加入している賠償責任保険の範囲
- 事故のときの連絡体制と費用負担を契約書で決めておく
- 役員車・高級車は車両保険と代車費用特約も見直す
保険の運転者条件に外部の運転手が含まれるか
まず確認したいのは、今の契約で、社外の運転手が運転しても補償されるかです。
法人契約で運転者を限定していなければ、会社の許諾を得て運転する外部の運転手も補償の対象になるのが一般的です。一方、役員車だけ個人名義で契約していて「本人・配偶者限定」になっている場合や、指定運転者を設定している場合は、外部の運転手が補償の範囲から外れていることがあります。
証券の「運転者の範囲」「記名被保険者」「指定運転者」の欄を確認し、不明な点は代理店に「社外の運転手が業務で運転する」と伝えて確認するのが確実です。運転手を頼む前に済ませておきましょう。お抱え運転手の仕組みや費用の全体像はお抱え運転手とは?仕事内容や雇うメリット・デメリットでも解説しています。
年齢条件と運転手の年齢が合っているか
ノンフリートの役員車で年齢条件を「30歳以上」などにしている場合、担当する運転手や代わりの運転手の年齢が条件を満たしているかを確認します。
役員運転手はベテランが多いので普段は問題になりにくいのですが、担当者の急な欠勤で代わりの運転手が来た日に事故が起きる、というのが見落としやすいパターンです。委託先には「年齢条件が◯歳以上なので、代わりの運転手もその年齢以上でお願いしたい」と事前に伝えておきましょう。
委託先が加入している賠償責任保険の範囲
運転業務を受ける会社の多くは、業務中の事故に備えて独自に賠償責任保険などに加入しています。ただし、会社の車で起きた事故では、まず車にかけている任意保険が使われるのが一般的です。
委託先の保険が何をどこまで補償するのか(運転手の重大な過失による車の損害、待機中の事故、車内に置いた荷物の破損など)は会社によって違います。契約前に次の点を確認しておくと安心です。
- 委託先が加入している保険の種類と補償額
- 会社の任意保険を使った場合に、委託先へ求償するか・できるか
- 免責金額(自己負担額)や等級ダウン分を誰が負担するか
事故のときの連絡体制と費用負担を契約書で決めておく
事故が起きたとき、運転手が誰に、どの順番で連絡するかを決めておかないと、保険会社への事故報告が遅れたり、役員が自分で対応せざるを得なくなったりします。
- 事故直後の連絡先(警察・保険会社・自社の担当者・委託先)と順番
- 任意保険を使うかどうかの判断者
- 免責金額・修理中の代車費用・休車損害の負担
- 運転手の重大な過失(飲酒・著しい速度超過など)があった場合の扱い
- 同乗していた役員への対応(代わりの移動手段の手配など)
外部の運転手を使う場合でも、会社は車の使用者として安全運転管理の責任を負います。安全運転管理者を選任している事業所では、外部の運転手のアルコールチェックをどちらが行い、記録をどう残すかも契約時に決めておきましょう。
役員車・高級車は車両保険と代車費用特約も見直す
役員車は車両価格が高く、修理期間中に代わりの車がないと業務に支障が出ます。車両保険の保険金額が今の市場価格に合っているか、代車費用の補償があるかを見直しておきましょう。
- 車両保険は「一般条件」(補償範囲が広い)か、補償を絞ったタイプか
- 新車の場合は車両新価特約(新車特約)を付けるか
- レンタカー費用・代車費用の特約が付いているか、同クラスの車が借りられる金額か
- リース車の場合、リース会社が求める補償内容を満たしているか
運転手を外部に頼む場合は、運転手の手配だけでなく「車を使えない期間をどうするか」まで決めておくと、事故が起きても役員の移動が止まりません。専属運転手を頼んだときの月額費用の目安は専属運転手を個人契約するには月いくら?で詳しくまとめています。
社用車向け自動車保険の選び方
社用車の保険は、価格だけで選ぶと事故のときに困ることがあります。補償・特約・管理のしやすさ・事故対応の4つの観点で比べましょう。
対人・対物賠償は無制限で備える
社用車の保険で最初に決めるべきなのは、対人賠償と対物賠償を「無制限」にすることです。
対人事故は自賠責保険の3,000万円(死亡)を大きく超える賠償になることがあります。対物事故も、店舗に突っ込んだ、鉄道設備を壊して電車が止まった、高級車や積み荷を壊したなど、数千万円規模になるケースがあります。
損保ジャパンのSGPでは、ノンフリート契約の対物賠償は原則として無制限、フリート契約では1事故あたりの保険金額を20万円から設定できる仕組みです。フリート契約で保険料を下げるために対物の保険金額を低くするのは、会社の存続にかかわるリスクを残すことになるので慎重に判断しましょう。
業種に合った特約を選ぶ(受託貨物・休車費用など)
法人向け自動車保険の大きな特徴は、事業ならではのリスクに備える特約がそろっていることです。代表的なものを業種別にまとめました。
| 特約 | 補償の内容 | 向いている業種・使い方 |
|---|---|---|
| 受託貨物賠償責任特約 | 運送中に預かった荷物の損害 | 運送業、配送を行う卸売業 |
| 休車費用特約 | 修理中に車が使えないことによる損害を定額で補償 | トラック・営業車が売上に直結する会社 |
| 積載動産に関する特約 | 車に積んだ商品・工具の損害 | 建設・設備工事、移動販売 |
| 使用人災害に関する特約 | 業務中の従業員の死傷に対する賠償 | 複数の従業員が同乗する現場系の会社 |
| レンタカー費用・代車の特約 | 修理中の代わりの車の費用 | 役員車、営業車 |
損保ジャパンのSGPには受託貨物賠償責任特約や休車費用特約、ロードアシスタンス事業用特約が、あいおいニッセイ同和損保のタフビズ事業用自動車総合保険には事業用積載動産特約や対人賠償使用人災害特約などが用意されています。自社の業務で起きやすい事故から逆算して特約を選ぶと、ムダな特約を付けずに済みます。
契約する保険会社をまとめて管理の手間を減らす
拠点ごと・車ごとに別々の保険会社や代理店で契約していると、満期日や補償内容がばらばらになり、更新漏れや補償のムラが起きやすくなります。
台数が増えてきたら、契約を1社(1代理店)にまとめ、満期日をそろえるのがおすすめです。9台以下ならミニフリートで多数割引を、10台以上なら全車両一括付保特約で増車の付け忘れ防止を受けられます。
まとめるときは、補償内容をそろえる良い機会でもあります。古い契約で対物が無制限になっていない車や、年齢条件が今の運転者に合っていない車がないかを一緒に点検しましょう。
事故対応とロードサービスの体制を比べる
社用車の事故は、業務時間中に、会社から離れた場所で起きることがほとんどです。24時間365日の事故受付と、現場でのロードサービスの手厚さは必ず比べておきましょう。
- 事故受付は24時間365日か、夜間・休日に初動対応をしてくれるか
- レッカーのけん引距離や、大型車に対応できるロードサービスか
- 専任の担当者がつくか、事故相手との交渉を代行してくれるか
- 通信型ドライブレコーダーで事故の自動通報や映像の共有ができるか
たとえば損保ジャパンは全国133の保険金サービス拠点(2026年3月時点)、三井住友海上は約3,900のロードサービス拠点(2025年4月時点)、アクサ損害保険は10,813ヵ所のロードサービス拠点(2025年12月末時点)を案内しています。代理店型は担当者に相談しやすく、ダイレクト型は保険料を抑えやすいという違いもあるので、自社の体制に合わせて選びましょう。
社用車の保険を扱う主な保険会社5社
法人向けの自動車保険を扱う主な保険会社5社を比べました。補償内容や保険料は契約条件で大きく変わるため、気になる会社には複数見積もりを依頼してください。
| 保険会社 | 主な法人向け商品 | 契約方式 | 特徴 | 申込み方法 |
|---|---|---|---|---|
東京海上日動 | TAP(一般自動車保険) | フリート・ノンフリート | オールインワン契約(全車両一括付保)、事故分析・事故防止サービス | 代理店 |
![]() 損保ジャパン | SGP(一般自動車保険) | フリート・ノンフリート | 事業者向け特約をオーダーメイドで選べる、通信型ドラレコ | 代理店 |
![]() 三井住友海上 | 自動車保険・一般用 | フリート・ノンフリート | フリート向けドラレコ・テレマティクス「F-ドラ」、法人向けWebサービス | 代理店 |
![]() あいおいニッセイ同和損保 | タフビズ事業用自動車総合保険 | フリート・ノンフリート | 事業用の特約が豊富、テレマティクス自動車保険 | 代理店 |
アクサ損害保険 | アクサダイレクト総合自動車保険(法人向け) | ノンフリートのみ(9台以下) | ネットで約3分の見積もり、事故ごとに専任担当者 | ネット・電話 |
- 東京海上日動|TAP(一般自動車保険)でフリート契約・法人契約に対応
- 損保ジャパン|SGPで事業者向けの特約をオーダーメイドで選べる
- 三井住友海上|法人向けの自動車保険と事故防止サービスがそろう
- あいおいニッセイ同和損保|タフビズ事業用自動車総合保険で事業のリスクにまとめて備える
- アクサ損害保険|ネットで見積もれる中小企業向けの法人自動車保険
東京海上日動|TAP(一般自動車保険)でフリート契約・法人契約に対応
| 商品名 | TAP(一般自動車保険) |
|---|---|
| 契約できる人 | 記名被保険者が法人の場合、主な自家用車以外の車、フリート契約など(事業のみに使う車も対象) |
| 契約方式 | フリート(10台以上)・ノンフリート(9台以下) |
| 基本補償 | 対人・対物賠償、人身傷害、車両保険 |
| 基本特約 | 弁護士費用等の補償、入院時選べるアシスト特約、レンタカー費用アシストなど |
| 複数台の割引 | ミニフリート(1つの証券で2台以上をまとめる契約)で台数に応じた割引 |
| 事故対応 | 事故受付から保険金支払いまでのサポート、ロードアシスト |
| 申込み | 代理店 |
- 法人契約・フリート契約の両方に対応
- 全車両を1つにまとめるオールインワン契約がある
- 事故分析・事故防止に関するサービスを受けられる
- ネットで完結する見積もりはなく、代理店経由になる
- 保険料は代理店型のためダイレクト型より高くなりやすい
東京海上日動のTAPは、記名被保険者が法人の契約や、事業のみに使う車を対象にした一般自動車保険です。対人・対物賠償、人身傷害、車両保険の3つの基本補償に、もらい事故の弁護士費用や入院時の諸費用、損傷が大きい場合の補償などの基本特約を組み合わせて契約します。
10台以上の社用車がある会社は、全車両をまとめるオールインワン契約(全車両一括付保特約付き契約)で増車の付け忘れを防げます。国内大手の代理店網を通じて、補償の設計から事故後の対応まで相談したい会社に向いています。
損保ジャパン|SGPで事業者向けの特約をオーダーメイドで選べる
| 商品名 | SGP(一般自動車保険) |
|---|---|
| 主な対象 | 法人・個人事業主 |
| 契約方式 | フリート(10台以上)・ノンフリート(9台以下) |
| 基本補償 | 対人・対物賠償、人身傷害、車両保険 |
| 主な事業向け特約 | 受託貨物賠償責任特約、休車費用特約、ロードアシスタンス事業用特約など |
| フリートの割引 | 台数に応じて最大80%(1年で最大30%進行)、フリート多数割引 |
| 事故対応 | 24時間365日受付・夜間休日の初動対応、全国133拠点(2026年3月時点) |
| 安全運転支援 | 通信型ドライブレコーダー「つながるドラレコ Driving!」 |
- 運送業向けなど事業者向けの特約が豊富
- 事故時の自動通報ができる通信型ドラレコを付けられる
- フリート契約の割引率は最大80%
- フリート契約では運転者限定・年齢条件の割引を使えない
- 特約の選択肢が多く、代理店との相談が欠かせない
損保ジャパンのSGPは、主に法人・個人事業主向けの一般自動車保険です。4つの基本補償に、受託貨物賠償責任特約、休車費用特約、大型車のレッカー費用に備えるロードアシスタンス事業用特約などを組み合わせ、事業のリスクに合わせてオーダーメイドで補償を組み立てられるのが特徴です。
通信型ドライブレコーダー「つながるドラレコ Driving!」は、事故時に損保ジャパンへ自動で連絡するほか、運転分析で安全運転を後押しします。フリート契約の割増引率や割引の仕組みも公式サイトで詳しく公開されているので、10台以上の車を持ち、運送・配送などで特約を厚くしたい会社は比較候補に入れておきましょう。
三井住友海上|法人向けの自動車保険と事故防止サービスがそろう
| 商品名 | 自動車保険・一般用 |
|---|---|
| 主な対象 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 契約方式 | フリート(10台以上)・ノンフリート(9台以下) |
| 補償の組み方 | 基本の補償に事業者向けの特約を追加して設計 |
| フリートで使える割引 | 新車割引、ASV割引、ECOカー割引など |
| 事故対応 | 年間約220万件の事故解決(2024年度) |
| ロードサービス | 24時間365日、全国約3,900拠点(2025年4月時点) |
| 安全運転支援 | フリート向けドラレコ・テレマティクス「F-ドラ」、法人お客さまWebサービス |
- フリート向けの専用ドラレコで危険運転や居眠り・わき見を検知できる
- フリート契約者は社有車の管理に使えるWebサービスを利用できる
- 事業者向けの特約が幅広い
- 事故防止サービスの多くはフリート契約が前提
- ドラレコサービスは別途月額費用がかかる
三井住友海上の法人向け自動車保険「自動車保険・一般用」は、基本の補償に事業者向けの特約を加えて組み立てる商品です。フリート契約向けには、専用ドライブレコーダーとインカメラで急加速・急ハンドルなどの危険運転や、居眠り・わき見を検知する「F-ドラ」が用意されています。
フリート契約者が使える法人お客さまWebサービスでは、事故防止に役立つ情報の提供や社有車の整備・経費の一元管理もできます。保険と一緒に事故削減の仕組みづくりまで進めたい会社に向いている保険会社です。
あいおいニッセイ同和損保|タフビズ事業用自動車総合保険で事業のリスクにまとめて備える
| 商品名 | タフビズ事業用自動車総合保険 |
|---|---|
| 主な対象 | 法人、業務のみに車を使う個人事業者 |
| 契約方式 | フリート・ノンフリート |
| 基本補償 | 対人・対物賠償、人身傷害、車両保険、ロードアシスタンス(24時間365日) |
| 主な事業向け特約 | 企業・団体見舞費用特約、対人賠償使用人災害特約、対物賠償非所有管理財物特約、運送業者受託貨物賠償特約、事業用積載動産特約 |
| その他の特約 | 対人臨時費用特約(死亡1名につき20万円)、弁護士費用(300万円限度)など |
| 安全運転支援 | テレマティクス自動車保険 |
| 申込み | 代理店 |
- 積載物・使用人災害など事業用の特約が細かく選べる
- 事故の相手へのお見舞い費用まで備えられる
- テレマティクスを使った安全運転支援がある
- 法人契約では他車運転特約が自動セットされない(指定運転者の設定が必要)
- 法人契約の無保険車傷害は契約車に乗車中の人に限られる
あいおいニッセイ同和損保のタフビズ事業用自動車総合保険は、法人向けの事業用自動車保険です。個人向けの「タフ・クルマの保険」とは別商品で、相手への賠償・ケガ・車の補償に加えて、積載した商品の損害や、業務中の従業員の死傷、借りて管理している物の賠償など、事業ならではのリスクに備える特約がそろっています。
事故現場での応急作業やレッカーけん引、修理後の搬送費用までサポートし、事故時は24時間365日対応です。法人契約では、ご契約の車を運転するすべての人が年齢条件の対象になる点、他車運転特約は指定運転者を設定しないと自動セットされない点を押さえたうえで、物流・建設など積載物や現場のリスクが大きい会社は検討してみてください。
アクサ損害保険|ネットで見積もれる中小企業向けの法人自動車保険
| 商品名 | アクサダイレクト総合自動車保険(法人向け) |
|---|---|
| 加入条件 | ノンフリート(9台以下)、自家用8車種、白・黄ナンバー、契約者・記名被保険者・所有者が同じ法人 |
| 加入できない車 | 事業用登録(緑・黒ナンバー)の車 |
| 基本補償 | 対人賠償(無制限)、対物賠償、自損事故、無保険車傷害(搭乗中のみ)、人身傷害または搭乗者傷害 |
| 主な特約 | 車両新価特約、レンタカー費用補償特約(商用車向けの代車も手配可)、弁護士費用等補償特約、EV充電設備補償特約など |
| 年齢条件 | 全年齢/21歳以上/26歳以上/30歳以上(期間中も変更可) |
| 事故対応 | 事故ごとに専任担当者、24時間365日の電話交代サービス |
| ロードサービス | 全契約に無料付帯、24時間365日、10,813ヵ所(2025年12月末時点) |
- 法人名の入力なしにネットで約3分で保険料を確認できる
- インターネット割引・無事故割引で最大22,000円の割引
- 口座振替の分割払いにも対応
- フリート契約(10台以上)とミニフリート契約は扱っていない
- 緑ナンバー・黒ナンバーの事業用車は加入できない
アクサ損害保険は、2024年5月15日から法人向けの自動車保険の取り扱いを始めました。対象は所有・使用する車が9台以下のノンフリート契約で、中小企業の営業車や役員車をネットで手軽に見積もりたい会社に向いています。2025年10月28日からは口座振替に対応し、アクサ生命の営業社員からも提案を受けられるようになりました。
事故のときは事故ごとに専任担当者がつき、事故相手との電話のやり取りを代行する電話交代サービスや、解決までの目安が分かる解決ロードマップも用意されています。電話(0120-945-072)でも補償プランの相談ができるので、代理店を通さずに保険料を抑えたい1〜9台の会社は比較してみましょう。
社用車の保険料を抑えるコツ
補償を削らずに保険料を抑えるには、割引制度の活用と、事故そのものを減らす取り組みの両方が効果的です。
ドライブレコーダーやテレマティクスの割引を使う
大手各社は、通信型ドライブレコーダーやテレマティクス(車の走行データ)を使った法人向けサービスを用意しています。損保ジャパンは運転分析で安全運転と判定された場合に保険料が割安になる場合があると案内しており、あいおいニッセイ同和損保もテレマティクス自動車保険を展開しています。
割引そのものより大きいのが、危険運転を見える化して事故を減らせることです。フリート契約では事故が減れば翌年以降の割増引率が改善するので、ドラレコの費用以上に保険料が下がるケースもあります。
また、車そのものの条件による割引もあります。三井住友海上のフリート契約では新車割引・ASV(先進安全自動車)割引・ECOカー割引が適用されるなど、買い替えのときに衝突被害軽減ブレーキ付きの車を選ぶことも保険料を抑える近道です。
車両保険の免責金額を見直す
車両保険は保険料に占める割合が大きい補償です。免責金額(自己負担額)を「0円」から「5万円」「10万円」などに上げると、保険料を下げられます。
小さなこすり傷を毎回保険で直していると、ノンフリートでは等級が下がり、フリートでは損害率が悪化して、結局は保険料が上がってしまいます。少額の修理は自社で払う前提で免責金額を設定するほうが、トータルの負担は小さくなりやすいでしょう。
年式の古い営業車は、車両保険を付けない、または補償範囲を絞ったタイプ(車対車・限定危険など)にする選択肢もあります。一方、役員車や新しい車は車両保険を外すと修理費の負担が大きいので、車ごとに判断しましょう。
複数の保険会社から相見積もりを取る
同じ補償内容でも、保険会社によって保険料は変わります。更新の2〜3か月前に、2〜3社から同じ条件で見積もりを取るのがおすすめです。
相見積もりでは、対人・対物の保険金額、車両保険のタイプと免責金額、年齢条件、特約をそろえて比べるのがポイントです。条件がそろっていないと、安く見えた見積もりが実は補償が薄かった、ということになりかねません。
ノンフリートの車が少ない会社ならダイレクト型、フリート契約や特約の相談が多い会社なら代理店型、といったように、保険料と相談のしやすさのバランスで決めましょう。
安全運転の取り組みで事故率を下げる
保険料をいちばん確実に下げる方法は、事故を減らすことです。とくに社用車を一定台数以上使う事業所では、法律上の安全運転管理の義務もあります。
乗車定員11人以上の車を1台以上、またはその他の車を5台以上使う事業所は安全運転管理者の選任が必要で、2023年12月1日からはアルコール検知器を使った酒気帯びの確認と、記録の1年間保存が義務になっています(警察庁「安全運転管理者の業務の拡充等」)。
- 運転前後のアルコールチェックと記録の徹底
- ドラレコ映像を使ったヒヤリハットの共有・個別指導
- 長時間運転や過密スケジュールを避ける運行計画
- 事故を起こした運転者への再教育
役員車のように一人の運転者が長時間運転する車では、運転に慣れたプロの運転手に任せることも事故を減らす有効な手段です。役員車を任せられる会社の比較は東京で役員運転手を任せられる会社の比較も参考にしてください。
社用車の保険に関するよくある質問
社用車の保険でよく寄せられる質問をまとめました。
- 社用車を個人名義の保険で契約できる?
- 社用車の保険料は経費にできる?
- 社用車で事故を起こしたら等級や保険料はどうなる?
- リースの社用車にも任意保険は必要?
- 従業員のマイカーを業務で使うときの保険は?
- 役員の家族が社用車を運転しても補償される?
社用車を個人名義の保険で契約できる?
法人名義(会社が所有者・使用者)の車は、法人を記名被保険者にして法人向けの自動車保険で契約するのが基本です。アクサ損害保険の法人向け自動車保険のように、契約者・記名被保険者・所有者が同じ法人であることを加入条件にしている保険会社もあります。
役員が個人で所有し、会社の業務にも使っている車は個人契約で入ることもできますが、その場合は使用目的を「業務使用」にしておく必要があります。名義と使い方が保険の条件と合っていないと、事故のときに補償で揉める原因になるので、代理店や保険会社に実態を正確に伝えましょう。
社用車の保険料は経費にできる?
会社名義で業務に使っている社用車の自動車保険料は、原則として経費(損金)にできます。勘定科目は「保険料」や「損害保険料」を使うのが一般的です。
1年分をまとめて支払った場合、本来は期間に応じて按分しますが、支払った日から1年以内のサービスに対する前払いで毎期継続して処理していれば、支払った期の損金にできる短期前払費用の特例があります(国税庁 No.5380 短期前払費用として損金算入ができる場合)。1年を超える長期契約や、私用分がある車の扱いは顧問税理士に確認してください。
社用車で事故を起こしたら等級や保険料はどうなる?
ノンフリート契約なら、対人・対物賠償や車両保険を使った事故は、原則としてその車の等級が3等級下がり、3年間は割引の小さい「事故有」の係数が適用されます。フリート契約なら、支払われた保険金が会社全体の損害率に反映され、翌年以降の全車の保険料に影響します。
どちらの場合も、事故を起こした社員個人の保険の等級には影響しません。ただし、会社の規程によっては運転者に修理費の一部負担を求めることもあるので、事故時の社内ルールを事前に決めておきましょう。
リースの社用車にも任意保険は必要?
必要です。カーリースの月額料金には、自賠責保険は含まれていても任意保険は含まれていないことが多く、別途加入しなければなりません。
リース車は、事故で全損になると中途解約となり、残りのリース料や違約金を請求されることがあります。車両保険に加えて、リース車向けの車両保険や違約金をカバーする補償があるかを確認しておくと安心です。任意保険がセットになったリースプランもあるので、契約前に補償内容を比べてみてください。
従業員のマイカーを業務で使うときの保険は?
従業員のマイカーを業務で使う場合、事故の補償はその従業員の個人の自動車保険が中心になります。ただし業務中の事故では、会社も運行供用者責任や使用者責任を問われることがあります。
マイカーの業務使用を認めるなら、次の条件を社内規程で決めておきましょう。
- 対人・対物無制限の任意保険に加入していること
- 使用目的が「業務使用」になっていること(通勤だけで登録している保険では足りない場合がある)
- 保険証券の写しを会社に提出し、更新ごとに確認すること
役員の家族が社用車を運転しても補償される?
運転者を限定していない法人契約で、会社の許諾があり、年齢条件を満たしていれば補償の対象になりうるのが一般的です。
ただし法人名義の車を家族が私用で使うことは原則想定されておらず、会社が認めていない運転は補償されないおそれがあります。役員の家族の送迎などで社用車を使う場面があるなら、私用を認める範囲と費用負担を規程で決め、年齢条件と使用目的が合っているかを代理店に確認しておきましょう。
社用車の運転手の依頼ならフィールドサービス
社用車の保険を整えたら、次に考えたいのが「誰が運転するか」です。役員車の運転を任せたい、運転手の急な欠勤に備えたいという会社には、フィールドサービス株式会社が運転手をご用意します。
今お使いの社用車はそのままで運転手だけを手配できる
フィールドサービス株式会社は、貴社の車両に合わせて運転手を手配するサービスです。車は貴社でご用意いただく形なので、今の社用車と、この記事で見直した任意保険をそのまま使えます。
同じドライバーが継続して担当する専属運転手のほか、急な欠勤やイベントに合わせたスポット・短期の手配にも対応しています。法人契約は80社以上、業務歴は31年を超え、在籍ドライバーは60名以上。最短1週間で手配でき、全契約で秘密保持契約(NDA)を結ぶため、車内での会話や行き先の情報も安心してお任せいただけます。
| サービス | 専属運転手/貴社車両への運転手の手配/スポット・短期 |
|---|---|
| 料金 | 個別見積もり(初期費用・解約手数料なし) |
| 手配までの期間 | 最短1週間 |
| 実績 | 法人契約80社以上・業務歴31年超・在籍ドライバー60名以上 |
| 対応エリア | 東京都全域・神奈川・埼玉・千葉(エリア外も相談可) |
| 車両 | 貴社でご用意(車両の貸し出しは行っていません) |
欠勤時の代わりや事故の初期対応まで任せられる
自社で運転手を雇うと、運転手が休んだ日の代わりや、事故が起きたときの初動対応を社内で抱えることになります。フィールドサービス株式会社では、欠勤時の代わりの運転手の手配から、事故の初期対応まで一括でお任せいただけます。
- 役員・来賓の送迎
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法人だけでなく個人のお客様にもご利用いただいており、ご家族の送迎のご相談も可能です。保険の年齢条件や運転者の範囲など、外部の運転手を使う前に確認しておきたい点も、ご相談の段階でお気軽にお問い合わせください。
見積もり・相談は無料(概算だけでもOK)
料金は、利用頻度や時間帯、業務内容に合わせた個別見積もりです。初期費用・解約手数料はかからず、契約期間も柔軟に決められます。
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