会食とは?接待との違いや何人からかを解説|ビジネス会食のマナー・当日の流れと送迎の手配

ビジネス会食とは?接待との違いやマナー・流れを解説|料亭前で運転手が黒塗りの車のドアを開けて会食の参加者を案内する様子

取引先から「今度、会食でもいかがですか」と誘われたり、上司に「来週の会食をセッティングしておいて」と頼まれたりしたとき、会食と接待は何が違うのか、何人からを会食と呼ぶのかがはっきりわからず戸惑う方は少なくありません。

会食はビジネスの関係を深める大切な場です。ただ、お店選びや席次、お酌のタイミング、帰りの車の手配まで気を配ることが多く、段取りを一つ間違えるだけで相手に気まずい思いをさせてしまうこともあります。

この記事では、会食の意味と接待との違いから、設定の手順、当日の流れ、同席者として押さえたいマナー、送迎の車の手配、会食後のお礼メールと経費処理までを順番に解説します。

  • はじめて会食や接待の幹事を任された方
  • 取引先との会食に同席する予定があり、マナーを確認したい方
  • 役員や来賓の会食で、送迎や帰りの車をどう手配するか迷っている秘書・総務の方

2026年時点の国税庁の交際費のルールや、警視庁が示している飲酒運転の罰則もふまえて解説するので、ぜひ最後まで参考にしてください。

目次

会食とは?意味と何人から会食になるか

会食とは、複数の人が集まって一緒に食事をすることです。日常会話でも使われますが、ビジネスの場面では取引先や社内の関係者と、食事をしながら関係を深めたり話し合ったりする場を指すことがほとんどです。

まずは言葉の意味と人数・時間の目安、英語での言い方を押さえておきましょう。

会食の意味は二人以上で食事をすること

会食は文字どおり「会って食べる」こと、つまり二人以上が同じ席で食事をともにすることを表す言葉です。辞書的な意味では、友人同士の食事も家族の食事も会食に含まれます。

ただし、実際の使われ方はもう少し限定的です。友人と気軽にランチをするときに「会食」とはあまり言いません。ビジネスや公的な場面で、ある程度改まった目的を持って食事をするときに使われるのが一般的です。

  • 取引先と今後の協業について話しながら食事をする
  • 社長が新任の役員と顔合わせを兼ねて食事をする
  • 海外からの来賓を歓迎する夕食の席を設ける
  • 業界団体の役員同士で懇談を兼ねた昼食をとる

このように、会食は「食事そのもの」よりも「食事を通じて関係を築くこと」に重きが置かれています。予定表やメールで「会食」と書かれていたら、仕事上の大切な席だと考えて準備をするのが安心です。

会食は何人から?人数と時間の目安

会食に人数の決まりはなく、二人からでも会食と呼べます。社長と取引先の社長が一対一で食事をする「サシの会食」も、ビジネスではよくある形です。

ビジネスの会食で多いのは、次のような人数構成です。

形式人数の目安よくある場面
一対一2名経営者同士の懇談、重要な商談の前後
少人数3〜6名双方の担当役員と担当者が同席する会食
中人数7〜15名プロジェクトの打ち上げ、来賓の歓迎会
大人数16名以上懇親会・祝賀会(会食より「宴会」「パーティー」と呼ぶことが多い)

人数が多すぎると一人ひとりと話せず、会食の目的である関係づくりが難しくなります。じっくり話したい会食なら、双方合わせて4〜6名程度が進行しやすい人数です。

時間の目安は、ディナーで2〜3時間、ランチで1〜1.5時間ほどです。コース料理は品数が多く、提供のペースもお店が決めるため、ディナーは2時間半ほどみておくと慌てません。終わりの時間を決めておくと、相手の帰りの電車や車の手配もしやすくなります。

ビジネスの会食を英語で言うと

外資系企業や海外の取引先とのやりとりでは、会食を英語で伝える場面もあります。よく使われる表現は次のとおりです。

business dinner夕食の会食。最も一般的な言い方
business lunch昼食の会食
dinner meeting / lunch meeting食事をしながらの打ち合わせ
entertain a client取引先を接待する

会食に誘うときは「Would you like to join us for dinner next week?」のように、相手の都合を尋ねる形にすると丁寧です。日本語の「接待」にぴったり当てはまる英単語はなく、英語では会食も接待もbusiness dinnerと表すのが自然です。

会食と接待の違いは立場と目的

会食と接待はどちらも食事の席ですが、参加者の立場と目的に違いがあります。この違いを押さえておくと、幹事として何に気を配ればよいか、費用を誰が負担するかが判断しやすくなります。

接待とは組織を代表して相手をもてなすこと

接待とは、会社などの組織を代表して、取引先や顧客をもてなすことです。食事だけでなく、ゴルフや観劇、贈答なども接待に含まれます。

接待では、もてなす側(接待する側)ともてなされる側(接待される側)がはっきり分かれます。費用は接待する側が負担し、お店選びから送迎、お見送りまで、相手が気持ちよく過ごせるように段取りを整えます。

接待の目的は、取引への感謝を伝えたり、今後の関係を良くしたりすることです。そのため、相手の好みに合わせたお店選びや、帰りの車の手配まで含めて「おもてなし」と考えるのが基本です。

会食と接待の違いを比べると

会食と接待の違いを整理すると、次のとおりです。

項目会食接待
意味二人以上で食事をすること全般組織を代表して相手をもてなすこと
立場対等なことが多いもてなす側・もてなされる側に分かれる
目的情報交換・懇親・打ち合わせなど幅広い感謝・関係強化・おもてなし
費用負担割り勘、交互に負担、主催側負担などさまざま基本的に接待する側が全額負担
内容食事が中心食事のほか、ゴルフ・観劇・贈答なども含む

つまり、接待は会食の一種で、とくに「もてなす」目的が強いものと考えるとわかりやすいでしょう。接待として行う食事は会食でもありますが、会食がすべて接待になるわけではありません。

最近は接待を会食と言い換えるケースも多い

最近は、実質的には接待であっても「会食」と表現するケースが増えています。理由は大きく3つあります。

  • 「接待」という言葉に、過剰なもてなしや癒着といった古いイメージが残っている
  • 公務員倫理規程や企業のコンプライアンス規程で、接待の受け方に制限がある
  • 立場の上下を強調せず、対等なパートナーとして食事に誘いたい

とくに取引先の社内規程で「接待を受けてはいけない」と決まっている場合は、費用の負担方法も含めて事前に確認が必要です。言い方を変えても、相手の会社のルール上は接待にあたることがあるため、割り勘にする、会費制にするなどの配慮をしましょう。

ビジネス会食・接待を設定する手順

会食の成否は、当日よりも事前の準備で決まると言っても過言ではありません。幹事になったら、次の順番で段取りを進めましょう。

目的と参加者を決めて日程を調整する

最初に決めるのは、会食の目的です。「取引への感謝を伝える」「新しい担当者を紹介する」「契約前に経営層同士で顔を合わせる」など、目的によって参加者もお店の格も変わります。

参加者は、相手と自社で役職と人数のバランスをそろえるのが基本です。相手が社長なら自社も社長か担当役員が出席し、人数も双方で大きく偏らないようにします。

日程は、相手の都合を優先して候補日を2〜3日提示します。月末や週明けは忙しい人が多いため、火曜から木曜の夜が比較的調整しやすい日程です。決まったら、日時・場所・参加者を記載した案内をメールで送り、前日か当日の朝にもう一度確認の連絡を入れると丁寧です。

相手の好みやアレルギーを確認する

お店を決める前に、相手の食の好みや苦手なもの、アレルギーを確認しておきましょう。相手の秘書や担当者に「お好きなもの、苦手なものはございますか」と自然に尋ねるのが一般的です。

とくに食物アレルギーは、命に関わることもあるため必ず確認します。消費者庁の食物アレルギー表示に関する情報によると、2026年4月からカシューナッツが表示義務のある特定原材料に追加されました。特定原材料は、えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生・カシューナッツの9品目です。

  • 食物アレルギーの有無と、対象の食材
  • 苦手な食材(生もの、香りの強い野菜、辛いものなど)
  • お酒を飲むか、飲まないか(健康上の理由や宗教上の理由を含む)
  • 宗教や信条による食事の制限(ハラール、ベジタリアンなど)

確認した内容はお店にも伝え、当日の料理に反映してもらいます。お酒を飲まない方がいる場合は、ノンアルコールドリンクの種類が多いお店を選ぶと、乾杯の場面でも気まずくなりません。

お店を選ぶ|個室・コース料理・アクセスで考える

ビジネスの会食では、料理の味だけでなく、落ち着いて話せる環境とアクセスのよさが大切です。お店選びでは次の3点を基準にしましょう。

基準選ぶときのポイント
個室仕事の話をしても周りに聞かれない。接待なら個室が基本
コース料理事前に料理と予算を決められ、注文の手間がない。会計も事前に確定しやすい
アクセス相手の会社やご自宅から近い、駅や車寄せから近い、タクシーやハイヤーをつけやすい

料理のジャンルは、和食・日本料理が無難です。肉料理や中華も喜ばれやすいですが、取り分けが必要な料理は幹事の手間が増えます。海外からのお客様の場合は、日本らしさを感じられる和食や鉄板焼きが好まれる傾向があります。

役員や来賓を車でお送り迎えする予定なら、お店の前に車を止めやすいか、車寄せがあるかも確認しておきましょう。繁華街の細い路地にあるお店は、車の乗り降りに苦労することがあります。

当日の送迎と帰りの車を決めておく

意外と見落としがちなのが、会食の行き帰りの移動手段です。相手が役員や来賓の場合、帰りの車を用意しておくのは大切なおもてなしの一つです。

  • 相手を会社やホテルからお店までお迎えするか
  • 自社の役員はどの車でお店に向かうか
  • 会食後、相手と自社の役員をどの車でお送りするか
  • 終了時刻が延びた場合に、車をどこで待たせるか

会食の終わりにタクシーをつかまえようとして、雨の日や金曜日の夜に車が見つからず、お客様を路上で待たせてしまうケースはよくあります。帰りの車は、ハイヤーや配車アプリで事前に予約しておくか、運転手付きの社用車を待機させておくと安心です。車の種類ごとの使い分けは、後ほど詳しく解説します。

お店との打ち合わせと社内の役割分担

お店が決まったら、予約の際に次の内容を伝えて打ち合わせをします。

人数と席の配置個室の広さ、上座の位置
料理と飲み物コースの内容、飲み放題の有無、アレルギー対応
会計方法請求書払いか、当日のカード払いか、テーブルで会計しないこと
手土産預かってもらえるか、お渡しのタイミング
車の手配車寄せの有無、待機場所、タクシーの手配をお願いできるか

社内では、当日の役割を決めておきます。誰がお出迎えをするか、誰が会計をするか、誰が帰りの車を手配するかを事前に決めておくと、当日に慌てずに済みます。会計担当は、お客様に会計の場面を見せないよう、途中でさりげなく席を立てる下座側に座るのが基本です。

会食当日の流れ|お出迎えからお見送りまで

当日は、お客様より先に到着し、最後にお見送りをするのが幹事の基本です。ここでは会食当日の流れを、時間の順に解説します。

お出迎えと席への案内

幹事は、開始時刻の15〜30分前にはお店に到着しておきます。個室の席配置や料理の準備、手土産の預け先などを最終確認し、お客様を迎える準備を整えましょう。

お客様がいらしたら、店の入口かエントランスでお出迎えします。車で来られる場合は、車寄せや店の前で待ち、到着したら降りるところからご案内すると丁寧です。

席への案内では、お客様に上座をすすめます。お客様が遠慮された場合も、「どうぞこちらへ」ともう一度おすすめしましょう。自社の役員が後から到着する場合は、お客様に先に着席していただき、飲み物だけ先にお出しするなどの配慮をします。

乾杯から食事中の進め方

全員がそろったら、主催者側の役職が最も高い人が簡単なあいさつをして乾杯します。あいさつは長くても1〜2分にまとめ、「本日はお忙しいところありがとうございます」と感謝を伝えるのが基本です。

乾杯のときは、目上の方よりもグラスを少し低い位置に下げて合わせるのがマナーです。お酒を飲まない人も、ノンアルコールドリンクで乾杯に参加すれば問題ありません。

食事中は、幹事が会話の進行役になります。最初は天気や最近の話題などの軽い雑談から入り、場が和んだところで本題に入るのが自然な流れです。全員が会話に参加できるよう、話していない人にも話題を振るよう心がけましょう。飲み物が少なくなっている人がいないかも、常に気を配ります。

会計はデザートの前後にさりげなく済ませる

接待の会計は、お客様の目に触れないところで済ませるのがマナーです。テーブルで会計をすると、相手に気を遣わせてしまいます。

コース料理なら、デザートが出る前後にお手洗いに立つふりをして、レジやお店の人のところで会計を済ませます。事前に請求書払いにしておけば、当日の会計自体をなくすこともできます。

領収書は、宛名を自社名にして受け取ります。経費処理で必要になるため、日付・金額・お店の名前・但し書きがそろっているか確認しましょう。お客様から「こちらも出します」と言われた場合は、「本日はお招きした立場ですので」とやわらかく辞退します。

お見送りと帰りの車の手配

会食が終わったら、お客様を出口までご案内し、お見送りします。お店の外でお見送りする場合は、車や姿が見えなくなるまで頭を下げて見送るのが丁寧です。

帰りの車を用意している場合は、お客様の荷物と手土産を先に車に運び、ドアを開けて乗車をおすすめします。行き先は事前に運転手へ伝えておき、お客様が改めて説明しなくて済むようにしましょう。

タクシーでお送りする場合は、タクシーチケットを渡したり、事前精算の配車アプリを使ったりして、お客様が料金を払わなくて済むようにするとスマートです。その場でタクシーを拾う場合は、幹事が先に通りに出て車を確保してからお客様をお呼びします。

会食マナーの基本|同席者に失礼のない振る舞い

幹事でなくても、会食に同席する以上はマナーを押さえておく必要があります。あなたの振る舞いは会社の印象につながるため、基本をしっかり確認しておきましょう。

上座・下座と席次の決まり

席次は、入口から最も遠い席が上座、入口に最も近い席が下座というのが基本のルールです。お客様や役職の高い人が上座に座り、幹事や役職の若い人は入口に近い下座に座ります。

お店の形式上座下座
洋室(テーブル席)入口から最も遠い席。景色が見える席や絵画がよく見える席入口に最も近い席
和室床の間の前の席入口に近い席
円卓(中華料理など)入口から最も遠い席。その左右に役職順に座る入口に最も近い席

床の間がない和室や、景色のよい窓がある部屋では、上座の位置がわかりにくいこともあります。迷ったときは、お店の人にどの席が上座かを確認しておくと安心です。

会食にふさわしい服装の目安

会食の服装は、スーツなどのビジネスフォーマルが基本です。相手と同じかそれ以上にきちんとした服装を心がけると、失礼になりません。

  • 男性:ダークカラーのスーツ、白か淡い色のシャツ、ネクタイ。靴はよく磨いた革靴
  • 女性:スーツかジャケットを合わせたワンピース。露出の多い服やカジュアルすぎる服は避ける
  • 和室のお店:靴を脱ぐため、靴下やストッキングの破れ・汚れに注意する

相手から「カジュアルな会食で」と言われた場合でも、ジャケットを1枚持っておくと安心です。高級店では、ドレスコードが決められていることもあるため、予約時に確認しておきましょう。

食事中の会話で気をつけたいこと

会食の会話では、相手が楽しく話せることを優先します。自分が話すよりも、相手の話を聞く姿勢を大切にしましょう。

避けたほうがよい話題は次のとおりです。

  • 政治・宗教・思想の話
  • 他社や同業者の悪口、社内の愚痴
  • 相手の家族構成・年収など、立ち入ったプライベートの話
  • 自慢話や、自分ばかりが話す展開

また、会食の場では社外秘の情報や、他の取引先の情報を話さないことも大切です。お店のスタッフや隣の席の人にも聞こえる可能性があるため、個室であっても機密に関わる話は控えめにしましょう。

お酌とお酒の飲み方

お酌は、目下の人から目上の人へ、ビールなら瓶のラベルを上にして両手で注ぐのが基本です。相手のグラスが空になりそうなタイミングで「お注ぎしましょうか」と声をかけます。

お酌を受けるときは、グラスを両手で持って少し傾けます。注いでもらったら一口飲んでからテーブルに置くのがマナーです。お酒が飲めない場合は、グラスに少しだけ注いでもらい、口をつける程度で問題ありません。

最近はお酒の強要を問題視する考えが広がっており、無理にすすめない・無理に飲まないのが当たり前になっています。ワインのお酌は基本的にお店のスタッフが行うため、自分で注がなくても大丈夫です。

中座・スマホ・香水など避けたいNG行動

会食中に避けたい行動をまとめると、次のとおりです。

  • 頻繁な中座:お手洗いは食事の前に済ませ、中座は料理の合間に短く
  • スマホの操作:テーブルの上に置かない。急ぎの連絡は席を外して確認する
  • 強い香水:料理の香りを損ねるため、会食の日は控える
  • 酔いすぎ:大声で話す、同じ話を繰り返すなどは相手の印象を悪くする
  • 料理の写真撮影:相手の許可なく撮らない。SNSへの投稿も控える

相手の会社の人から見て、自社の代表としてふさわしいかを意識して行動すると、大きな失敗はしません。

接待マナー|もてなす側・もてなされる側の心得

接待では、もてなす側ともてなされる側で求められるマナーが違います。ここでは、手土産の渡し方や二次会への対応も含めて、それぞれの心得を解説します。

手土産の選び方と渡すタイミング

接待で手土産を用意する場合は、相手の会社やご自宅で分けやすく、日持ちするものを選びます。相手の家族構成がわかっていれば、家族で楽しめるものも喜ばれます。

  • 予算の目安:3,000〜5,000円程度。重要な相手でも1万円前後まで
  • 選び方:個包装の焼き菓子、老舗の和菓子、地元の名産品など
  • 避けたいもの:日持ちしない生菓子、重くかさばるもの、香りの強いもの

渡すタイミングは、会食がお開きになるときが一般的です。最初に渡すと、食事中に相手の荷物になってしまうためです。お店に事前に預けておき、お見送りの直前に「お荷物になりますが」と言葉を添えて渡しましょう。車でお送りする場合は、先に車に積んでおくと相手が持ち歩かずに済みます。

接待する側が気を配りたいこと

接待する側は、相手が気持ちよく過ごせることを最優先に考えます。幹事として気を配りたいのは次のポイントです。

  • お客様の飲み物や料理の進み具合を常に見ておく
  • 会話が途切れないように話題を用意しておく
  • 自社の上司が話しすぎないようさりげなくフォローする
  • 会計や車の手配を、お客様に気づかれないように進める
  • 終了時刻を意識し、相手の帰りの時間に配慮する

接待の目的は、売り込みではなく関係づくりです。仕事の話は相手から振られたときに応じる程度にとどめ、無理に商談を進めようとしないことが大切です。

接待される側のマナー

接待される側にもマナーがあります。招いてもらったことへの感謝を伝え、相手の好意を素直に受けることが基本です。

  • 招待には、早めに出欠の返事をする
  • 時間に遅れない。遅れる場合はすぐに連絡する
  • 料理やお店について、具体的に良かった点を伝える
  • 会計の場面では、深追いせずにお礼を伝えて受ける
  • 翌日までにお礼のメールや連絡をする

なお、取引先の社内規程で接待を受けることが制限されている場合もあります。自社の規程も含めて、受けてよい接待かどうかを事前に確認しておきましょう。

二次会の誘い方と上手な断り方

二次会は、相手に負担をかけない誘い方が大切です。「もしお時間があれば、もう一軒いかがですか」と、断りやすい形で声をかけましょう。相手が帰りの車を待たせている場合や、翌日の予定が早い場合は無理に誘いません。

二次会を断るときは、感謝を伝えてから理由を簡潔に添えます。

  • 「本日はありがとうございました。明日早朝からの予定がありますので、今日はここで失礼いたします」
  • 「せっかくお誘いいただいたのに申し訳ありません。またぜひご一緒させてください」

二次会に行く場合は、帰りの車の待機時間も延びることを忘れないようにしましょう。運転手付きの車を待たせている場合は、二次会の場所と終了予定時刻を運転手に伝えておくと、迎えがスムーズになります。

会食の送迎で差がつく車の手配と車内マナー

会食の満足度は、お店の料理や会話だけでなく、行き帰りの移動の快適さにも左右されます。とくに役員や来賓がかかわる会食では、車の手配が「おもてなし」の質を大きく変えます。

送迎を用意したほうがよい会食とは

すべての会食に送迎が必要なわけではありません。ただ、次のような会食では車を用意しておくと喜ばれます。

  • お客様が社長や役員、来賓など、立場の高い方である
  • 海外からのお客様で、日本の交通に慣れていない
  • お店が駅から遠い、または夜遅くに終わる
  • 天候が悪い日や、タクシーがつかまりにくい金曜日・月末の夜
  • お客様がご高齢、または足が不自由である

帰りの車まで用意されていると、相手は最後まで気を遣わずに帰宅できます。会食の印象は最後の数分で決まることも多く、送迎の手配は費用以上の効果があるおもてなしです。

タクシー・ハイヤー・運転手付きの社用車の使い分け

会食の送迎に使える車は、大きく分けてタクシー、ハイヤー、運転手付きの社用車の3つです。それぞれの特徴は次のとおりです。

移動手段料金の目安向いている場面注意点
タクシー東京23区は初乗り500円(2026年4月から初乗り1.0km)少人数・近距離の会食、急な移動夜や雨の日はつかまりにくい。車種を選べない
ハイヤー時間制が中心で、1時間あたり数千円〜(会社・車種で異なる)来賓や役員の送迎、行き帰りに待機が必要な会食事前予約が必要。料金が高くなりやすい
運転手付きの社用車運転手の人件費+自社の車両費会食や外出が多い役員の日常的な移動運転手の採用・教育や、外部委託先の選定が必要

東京23区のタクシー運賃は、2026年4月20日に改定され、初乗り運賃は500円のまま、初乗り距離が1.096kmから1.0kmに、加算距離が255mから232mに短くなりました。会食の送迎でタクシーを使う機会が多い会社では、以前より費用がかさむ点を見込んでおきましょう。

ハイヤーは、待機時間も含めた時間制で料金がかかるのが一般的です。一度きりの来賓送迎ならハイヤー、役員の会食や外出が週に何度もあるなら運転手付きの社用車のほうが、費用の見通しが立てやすくなります。社用車の運転を任せる専門のドライバーについては、お抱え運転手の仕事内容や雇うメリットでも詳しく解説しています。

会食が長引いたときの待機と帰りの時間の調整

会食は予定どおりに終わらないことが多いものです。話が盛り上がって30分〜1時間延びることは珍しくありません。

帰りの車の手配では、次の点を事前に決めておきましょう。

  • 運転手に伝える終了予定時刻(少し余裕をもって伝える)
  • 終了が近づいたときの連絡方法(幹事から運転手へメッセージを送るなど)
  • 車の待機場所(お店の駐車場、近くのコインパーキングなど)
  • 延長した場合の料金(ハイヤーは延長料金がかかる)

お開きの10〜15分前に運転手へ連絡し、店の前に車を回してもらうのが理想です。お客様を店の外で待たせることなく、すぐに乗車していただけます。路上での長時間の停車は駐車違反になるおそれがあるため、待機場所は必ず確保しておきましょう。

車内の席次と乗り降りで気をつけること

車にも席次があります。運転手付きの車(タクシー・ハイヤー・社用車)では、運転席の真後ろが上座です。安全性が高く、乗り降りもしやすい席とされています。

席運転手付きの車自社の社員が運転する車
上座運転席の真後ろ助手席
2番目助手席の後ろ運転席の真後ろ
3番目後部座席の真ん中助手席の後ろ
下座助手席後部座席の真ん中

ただし、お客様が「降りやすい席がいい」「助手席がいい」と希望された場合は、その希望を優先します。席次はあくまで目安で、相手の快適さが最優先です。

乗り降りでは、お客様が乗るときにドアを開け、頭をぶつけないよう手を添えます。降りるときは先に降りてドアを開け、お客様の荷物を受け取ります。車内では、お客様が休んでいるようなら無理に話しかけず、静かに過ごしていただきましょう。

お酒が出る会食で自分が運転してはいけない理由

お酒が出る会食に、自分で車を運転して行くのは避けましょう。一杯でも飲めば運転はできず、飲まなくても周囲からすすめられて断りにくくなるからです。

飲酒運転の罰則は非常に重く、運転した本人だけでなく、車を貸した人、お酒を出した人、同乗した人も処罰の対象になります。警視庁の飲酒運転の罰則等のページによると、罰則は次のとおりです。

対象酒酔い運転の場合酒気帯び運転の場合
運転者5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
車両の提供者5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
酒類の提供者・同乗者3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金

運転者には行政処分もあり、呼気1リットル中0.25mg以上の酒気帯び運転は免許取消し(欠格期間2年)、酒酔い運転は免許取消し(欠格期間3年)です。2026年7月21日に施行された改正では、呼気1リットル中0.5mg以上(血液1ミリリットル中1.0mg以上)のアルコールが検出された場合も酒酔い運転にあたるという数値基準が加わり、酒酔いの要件が明確になりました。

幹事として、車で来た人にお酒をすすめない、帰りに運転させないことも大切な責任です。お酒を出す会食では、行き帰りの車を手配するか、運転代行を使う、公共交通機関で来てもらうなどの方法を事前に決めておきましょう。運転代行を使う場合は、公安委員会の認定を受けた業者を選ぶことも忘れないようにしてください。

会食後にやること|お礼と精算

会食は、終わったあとのフォローまでがセットです。お礼の連絡と経費の精算を早めに済ませておきましょう。

お礼メールは当日中か翌日の午前中に送る

会食のお礼メールは、当日の夜か、遅くとも翌日の午前中に送るのがマナーです。時間がたつほど感謝の気持ちが伝わりにくくなります。

お礼メールに入れたい内容は次のとおりです。

  • 会食に参加していただいた(招いていただいた)ことへのお礼
  • 会食で印象に残った話題や、料理・お店の感想
  • 会話の中で約束したこと(資料の送付、次回の打ち合わせなど)
  • 今後の関係についてのあいさつ

定型文だけでなく、会食で話した具体的な内容を一言入れると、気持ちが伝わるお礼になります。相手が社長や役員の場合は、秘書の方にもお礼を伝えておくと丁寧です。

会食のお礼メールの例文

接待した側と、接待された側のお礼メールの例文を紹介します。状況に合わせて書き換えて使ってください。

接待した側のお礼メール(例)

件名:昨日の会食のお礼(株式会社〇〇 山田)
株式会社△△ 代表取締役 佐藤様
昨日はご多忙のところ、会食にお時間をいただき誠にありがとうございました。
佐藤様から伺った新規事業のお話は大変興味深く、弊社としてもお力になれることがあればと感じております。お話に出ました資料は、今週中にお送りいたします。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

接待された側のお礼メール(例)

件名:昨夜のお礼(株式会社△△ 鈴木)
株式会社〇〇 山田様
昨夜は素晴らしいお店にお招きいただき、誠にありがとうございました。
お料理はどれもおいしく、とくに季節の八寸は社長も大変喜んでおりました。帰りのお車までご手配いただき、細やかなお心遣いに感謝しております。
今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

お礼メールは長すぎないことも大切です。5〜8行程度にまとめ、読みやすさを意識しましょう。

会食費の経費処理|交際費と会議費の違い

会食の費用は、内容によって交際費か会議費として経費処理します。国税庁の交際費等の範囲と損金不算入額の計算によると、取引先などへの接待や供応にかかる費用は交際費になります。

ただし、取引先との飲食費のうち、1人あたり10,000円以下のものは交際費から除くことができます(2024年4月1日以後の支出から。それ以前は5,000円以下)。社内の役員や従業員だけの飲食は対象外です。

区分主な内容処理のポイント
交際費取引先の接待、1人あたり10,000円を超える飲食、接待のための送迎の車代など法人の規模に応じて損金算入に上限がある
1人あたり10,000円以下の飲食費取引先との会食(社内の人だけの飲食は対象外)日付・参加者・人数・金額・お店を記載した書類の保存が必要
会議費会議に関連して出す茶菓・弁当など、通常要する程度の飲食会議の実態があることを記録しておく

1人あたり10,000円以下の特例を使うには、飲食の年月日、参加した取引先の氏名と関係、参加人数、金額、お店の名前と所在地を記録した書類を保存しておく必要があります。

また、資本金1億円以下などの中小法人は、交際費のうち年800万円までを損金に算入する方法か、接待飲食費の50%を損金に算入する方法のどちらか有利な方を選べます。経費処理の判断に迷うときは、顧問の税理士に確認しましょう。

会食とはについてよくある質問

最後に、会食についてよくある質問にお答えします。

会食と食事会の違いは?

会食と食事会は、どちらも複数人で食事をすることを指しますが、会食はビジネスや改まった場面、食事会はプライベートやカジュアルな場面で使われることが多い言葉です。取引先との食事は会食、友人や同僚との気軽な食事は食事会と呼ぶのが一般的です。

ランチでも会食になる?

ランチでも会食になります。「ランチ会食」「昼の会食」という言い方もよく使われます。ランチはお酒を飲まないことが多く、時間も1時間前後と短いため、忙しい役員同士の顔合わせや、相手の負担を抑えたいときに選ばれます。昼休みの時間に収まるよう、相手の会社の近くのお店を選ぶのがポイントです。

会食の費用はどちらが払う?

基本的には、誘った側・主催した側が費用を負担します。接待の場合は、もてなす側が全額を払うのが原則です。対等な立場の会食では、割り勘にしたり、次回は相手が負担したりと交互に払うこともあります。相手の会社に接待を受けてはいけないルールがある場合は、割り勘や会費制にするなど配慮しましょう。

会食に誘われたときの失礼のない断り方は?

断るときは、誘ってもらったことへの感謝を伝え、理由は簡潔にして、代わりの候補日を提案すると失礼になりません。たとえば「お誘いいただきありがとうございます。あいにくその日は先約がございますので、来週以降でご都合のよい日をいくつか教えていただけますか」といった伝え方です。会社の規程で接待を受けられない場合は、その旨を正直に伝えても問題ありません。

会食は何時間くらいが目安?

ディナーの会食は2〜3時間、ランチは1〜1.5時間が目安です。コース料理の場合は、お店に終了時刻を伝えておくと、料理の提供ペースを調整してもらえます。帰りの車を手配する場合は、終了予定時刻を運転手やハイヤー会社にも伝えておきましょう。

会食中に仕事の話はしてもいい?

仕事の話をしても問題ありませんが、最初から本題に入るのは避け、雑談で場が和んでからが自然です。接待の場合は、売り込みや契約の話を強く進めると相手に負担をかけてしまうため、相手から話題を振られたときに応じる程度にとどめましょう。社外秘の情報は、個室であっても話さないのが安全です。

会食の送迎・運転手の依頼ならフィールドサービス

役員運転手・専属ドライバーの手配ならフィールドサービス|法人契約80社以上・運転委託業務歴31年超・ドライバー在籍60名以上

会食や来賓の送迎が多い会社では、そのたびにタクシーやハイヤーを手配するより、運転手を手配して自社の車で送迎するほうが、移動の質も費用の見通しも安定します。フィールドサービス株式会社では、会食をはじめとするビジネスシーンに合わせて運転手をご用意しています。

会食や来賓送迎に合わせて運転手をご用意

フィールドサービス株式会社は、業務歴31年超、法人契約80社以上・在籍ドライバー60名以上の実績をもとに、役員や来賓の送迎に対応できる運転手をご用意しています。

  • 会食の時間に合わせて役員をお店までお送りし、終わりの時刻に合わせてお迎えする
  • 来賓を空港やホテルからお迎えし、会食会場までご案内する
  • 会食後に、お客様と役員をそれぞれのご自宅やホテルへお送りする

会食の場では、車内での会話や移動先に機密が含まれることもあります。フィールドサービス株式会社では、すべての契約でNDA(秘密保持契約)を締結しているため、守秘義務が求められる送迎も安心してお任せいただけます。運転は、お客様の会社でご用意いただいた車両で行います。

スポット利用から専属まで柔軟に対応

利用の仕方は、会社の状況に合わせて選べます。

  • 専属運転手:同じ運転手が継続して担当し、役員の日々の移動や会食の送迎を任せられる
  • 運転手の手配・業務委託:貴社の車両を運転する運転手を手配する
  • スポット短期:運転手の急な欠勤や、来賓が多いイベント・繁忙期の増便に対応する

最短1週間で運転手を手配でき、運転手の欠勤時の代わりや事故の初期対応まで一括で任せられるのも特徴です。法人だけでなく個人のご利用も可能で、ご家族の送迎にも対応しています。専属で運転手を付ける場合の費用感は、専属運転手を個人契約するといくらかかるかの記事も参考にしてください。

料金の目安と対応エリア

料金は、利用頻度や時間、業務内容に合わせた個別見積もりです。条件が決まっていない段階でも、概算の見積もりを無料で出してもらえます。

プラン専属運転手/運転手の手配・業務委託/スポット短期
料金個別見積もり(条件が未確定でも概算OK)
初期費用・解約手数料なし(契約期間は柔軟に相談可能)
手配までの期間最短1週間
車両お客様の車両を使用
守秘義務全契約でNDAを締結
対応エリア東京都全域・神奈川・埼玉・千葉(エリア外も相談可)
拠点板橋本店・日本橋・西新宿・恵比寿・横浜
ご利用者法人・個人(ご家族の送迎にも対応)

「来月の来賓対応だけ運転手を頼みたい」「役員の会食が多いので専属の運転手を検討したい」といった相談からでも問題ありません。役員の送迎を外部に任せる会社の選び方は、東京で役員運転手を頼める会社の比較記事でも紹介しています。会食の送迎を見直したい方は、気軽に問い合わせてみてください。

まとめ|会食の意味とマナーを押さえて送迎まで抜かりなく準備しよう

会食は、二人以上で食事をすることを指し、ビジネスでは取引先や来賓との関係を深める大切な場です。最後に、この記事のポイントを振り返りましょう。

  • 会食は二人からでも成立し、接待は組織を代表して相手をもてなす会食の一種
  • 幹事は目的と参加者を決め、好みやアレルギーを確認してからお店を選ぶ
  • 席次は入口から最も遠い席が上座。車では運転手付きなら運転席の真後ろが上座
  • 会計はお客様の目に触れないところで済ませ、帰りの車まで手配しておく
  • お酒が出る会食では自分で運転せず、車で来た人にもお酒をすすめない
  • お礼メールは当日中か翌日の午前中。経費は交際費と1人10,000円以下の飲食費を区別する

会食の印象は、料理や会話だけでなく、お出迎えからお見送り、帰りの車まで含めた一連の段取りで決まります。事前の準備をしっかり整えて、相手に気持ちよく過ごしていただける会食にしましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次