ドライバー派遣は禁止?日雇い派遣・1日だけの依頼が違法になるケースと合法な頼み方

ドライバー派遣が違法になるケースと合法な頼み方|「ドライバー派遣は禁止? 違法になるケース ☑日雇い・合法な頼み方は?」の文字と、白手袋でハンドルを握る運転手の手元・車のドアを開けて案内する黒スーツの運転手

「運転手が急に辞めてしまい、明日の役員送迎だけでもドライバーを派遣してほしい」「繁忙期の数日間だけ、トラックの運転手を派遣で補えないか」。そう考えて調べてみると、ドライバー派遣は禁止という情報が目に入り、不安になった総務・人事の担当者も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、ドライバー(運転手)の派遣そのものは法律で禁止されていません。運転の業務は、労働者派遣法で派遣が禁じられている業務に含まれていないからです。ただし、1日だけ・数日だけの日雇い派遣は原則として禁止されており、受け入れ方によっては派遣先の会社も罰則や行政指導の対象になります。

この記事では、2026年10月時点の法令と厚生労働省・警察庁の公表情報をもとに、次のポイントをわかりやすく整理しました。

  • ドライバー派遣が「禁止」と言われる理由と、本当に禁止されていること
  • 日雇い派遣(30日以内)の原則禁止と、例外的に認められる人の条件
  • 事前面接・二重派遣・偽装請負など、ドライバー派遣が違法になるケース
  • 違反したときの罰則と、受け入れ企業が負うリスク
  • 1日だけ運転手が必要なときに、派遣以外で合法に頼む方法

役員車・社用車の運転手を外部に頼みたい方、トラックや送迎のドライバーを派遣で受け入れたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

ドライバー派遣は禁止されていない|違法になるかは使い方次第

まずは、ドライバー派遣がそもそも認められているのかを確認しておきましょう。結論は「派遣は可能。ただし日雇い派遣や受け入れ方のルール違反に注意」です。

労働者派遣法で派遣が禁止されている業務に運転は含まれない

労働者派遣法では、派遣で働かせてはいけない業務(適用除外業務)が決められています。対象は次のとおりで、自動車の運転業務はどれにも当てはまりません。

派遣が禁止されている業務主な内容
港湾運送業務港湾での貨物の積み込み・荷降ろしなど
建設業務建設工事の現場での作業(施工管理などは除く)
警備業務施設警備・交通誘導・身辺警護など警備業法に定める業務
医療関係業務病院・診療所での医師・看護師などの業務(紹介予定派遣・産休代替などは例外あり)
士業弁護士・司法書士・税理士など(一部例外あり)

つまり、役員車の運転、営業車の運転、トラックでの配送、従業員や来客の送迎などは、派遣で受け入れること自体は法律上問題ありません。派遣の仕組みや禁止業務については、厚生労働省の労働者派遣事業のページでも確認できます。

ただし、運転と一緒に頼む仕事の中身には注意が必要です。たとえば、役員の送迎に身辺警護を兼ねさせると、警備業務にあたる可能性があります。また、ダンプで土砂を運ぶだけでなく建設現場での作業まで手伝わせると、建設業務に踏み込むおそれがあります。派遣で受け入れるときは、運転以外に何をしてもらうのかを契約の段階で明確にしておきましょう。

ドライバー派遣禁止と言われる理由は日雇い派遣と運用ルール

派遣自体は可能なのに「ドライバー派遣は禁止」と言われるのは、次のようなルールが混同されて広まっているためです。

  1. 日雇い派遣の原則禁止:2012年の法改正で、30日以内の雇用契約での派遣が原則禁止になった。「1日だけ運転手を派遣してほしい」が通らないため、派遣そのものが禁止と誤解されやすい
  2. 運送事業の運転者ルール:緑ナンバーのトラック・バス・タクシーでは、日々雇い入れる人などを運転者に選べない決まりがあり、短期の派遣ドライバーを乗務させにくい
  3. 許可制の厳格化:2015年の改正で、すべての派遣事業が国の許可制になった。許可のない会社からの受け入れは違法になる
  4. 偽装請負の摘発:運転業務の「請負」「業務委託」のはずが実態は派遣だった、というケースが問題視されてきた

このように、禁止されているのは派遣という仕組みではなく、特定の期間・使い方・相手です。どのルールに当てはまるかを1つずつ確認すれば、ドライバーを合法的に受け入れられます。

トラック・送迎・役員車など運転の種類で関わる法律が変わる

ドライバー派遣で注意すべき法律は、どんな車を何のために運転するかで変わります。労働者派遣法は共通ですが、緑ナンバー(事業用)か白ナンバー(自家用)かによって、上乗せされるルールが大きく違います。

運転の種類派遣の受け入れあわせて確認する主な法律・ルール
役員車・社用車(白ナンバー)可能(30日以内は原則不可)道路交通法(安全運転管理者・アルコールチェック)、改善基準告示
従業員・来客の送迎(白ナンバー)可能(30日以内は原則不可)道路交通法、道路運送法(運賃をとる送迎は許可が必要)
トラック配送(緑ナンバー)可能だが運転者の選任ルールに注意貨物自動車運送事業輸送安全規則(日々雇い入れる人・2か月以内の期間を定めて使用する人などは運転者にできない)
バス・タクシー・ハイヤー(緑ナンバー)運転者の選任要件が厳しく、事業者による確認が必要旅客自動車運送事業運輸規則(運転者の選任・指導監督)
運転代行派遣ではなく運転代行業者に依頼するのが一般的自動車運転代行業法(公安委員会の認定・第二種免許)

特に緑ナンバーの運送事業では、運転者として選べない人が国土交通省の規則で決められています。たとえばトラックでは、日々雇い入れられる人、2か月以内の期間を定めて使用される人、試用期間中の人(14日を超えて引き続き使用されている人を除く)は、運転者として乗務させられません。運送事業者が派遣ドライバーを受け入れる場合は、派遣元との雇用期間なども含めて、管轄の運輸支局に確認しておくと安心です。

一方、役員車や営業車などの白ナンバーの社用車を運転してもらう場合は、主に労働者派遣法と道路交通法を押さえておけば足ります。ただし、白ナンバーで料金を受け取って人を運ぶと、いわゆる白タク行為として道路運送法違反になるため、送迎サービスの形で運賃をとるのは避けましょう。

日雇い派遣の原則禁止とは?ドライバーを1日派遣で頼めない理由

「1日だけ」「週末だけ」運転手を派遣してほしいというニーズに最も関わるのが、日雇い派遣の原則禁止です。ここでは、何日以内の契約がダメなのか、誰なら例外になるのかを整理します。

30日以内の雇用契約での派遣は原則禁止

日雇い派遣とは、派遣会社との雇用契約の期間が30日以内の派遣のことです。2012年10月施行の改正労働者派遣法で、この日雇い派遣は原則として禁止されました。短期の派遣が雇用の不安定さや、安全管理の不十分さによる労働災害につながりやすかったことが背景にあります。

ポイントは、判断の基準が「派遣先で働く日数」ではなく、派遣会社とドライバーの雇用契約の期間だという点です。そのため、次のように考えます。

ケース日雇い派遣にあたるかポイント
派遣元との雇用契約が1日だけあたる(原則禁止)「明日1日だけ運転してほしい」はこれに該当しやすい
派遣元との雇用契約が2週間あたる(原則禁止)30日以内なので日雇い派遣として扱われる
派遣元との雇用契約が31日以上あたらない31日以上の雇用契約がある派遣ドライバーなら、派遣先での勤務が数日でも受け入れ可能
31日以上の契約だが実際の勤務は1日だけ認められないおそれ形だけ期間を延ばす運用は、法の趣旨に反するとして問題になりうる

厚生労働省の改正労働者派遣法に関するQ&Aでも、雇用期間が31日以上であれば日雇い派遣にはあたらないと示されています。ただし、契約期間だけを延ばして実際の勤務がほとんどない、といった形式的な運用は避けましょう。

日雇い派遣が例外的に認められる人の条件

日雇い派遣には例外があり、「政令で定められた業務」か「一定の条件を満たす人」であれば認められます。ただし、政令で定められた業務はソフトウェア開発・通訳・秘書・受付案内などで、自動車の運転業務は含まれていません。そのため、ドライバーの日雇い派遣が認められるのは、次のいずれかにあてはまる人に限られます。

60歳以上の人年齢の条件のみ。定年後の元役員運転手・元職業ドライバーなどが該当しやすい
昼間学生雇用保険の適用を受けない昼間の学生(定時制・通信制などは除く)
副業として働く人本業(生業)の年収が500万円以上ある人
主たる生計者でない人世帯年収が500万円以上あり、世帯の主な稼ぎ手ではない人

条件はどれか1つを満たせばよく、確認するのは派遣会社の役割です。役員運転手や送迎ドライバーの業界には60歳以上のベテランも多いため、60歳以上のドライバーであれば、1日だけの派遣を受けられる可能性があります。

ただし、派遣先が年齢や属性を指定してドライバーを選ぶことはできません(次の章で説明する「事前面接の禁止」にもつながります)。1日だけの派遣を相談するときは、例外にあたるドライバーを手配できるかを派遣会社に確認するにとどめましょう。

1日だけ・数日だけ運転手が必要なときの考え方

「来週の株主総会の日だけ」「役員運転手の休暇中の3日間だけ」のように、ごく短期間だけ運転手が必要になる場面は少なくありません。この場合、派遣にこだわらず、目的に合った頼み方を選ぶのが現実的です。

  • 31日以上の雇用契約があるドライバーの派遣:派遣会社に常用型・長期契約のドライバーがいれば、短期の受け入れでも日雇い派遣にあたらない
  • 例外にあたるドライバーの日雇い派遣:60歳以上のドライバーなどを派遣会社が手配できる場合
  • 運転業務の請負・業務委託:自社の車を運転する業務そのものを外部の専門会社に任せる。派遣ではないため日雇い派遣の規制は受けない
  • ハイヤーを手配:車と運転手をまとめて借りる。1回・数時間単位で使いやすい
  • 運転代行・タクシー:会食後など、飲酒時の移動だけを頼みたい場合

このうち、自社の役員車をいつもどおり使いたいなら、運転業務の請負・業務委託が候補になります。それぞれの違いは、後半の「派遣と請負どちらで頼む?」の章で詳しく比較します。

ドライバー派遣が違法になる主なケース

ドライバー派遣が認められる場合でも、受け入れ方を間違えると違法になることがあります。ここでは、派遣先の企業がやってしまいがちな5つのケースを紹介します。

事前面接や試乗テストでドライバーを選ぶ

派遣先が、受け入れるドライバーを面接・履歴書の提出・試乗テストなどで事前に選ぶことは、労働者派遣法で「派遣労働者を特定することを目的とする行為」として禁止されています(派遣先の努力義務)。誰を派遣するかを決めるのは、あくまで派遣元の役割だからです。

役員車の運転手は相性が大事なだけに、「一度乗せて運転のうまさを見てから決めたい」と考える会社も多いでしょう。しかし、複数の候補者に試乗させて選ぶ、年齢や性別を指定する、といった行為は避ける必要があります。

  • NG:派遣先が候補者と面接し、合否を決める
  • NG:試乗テストで運転技術を比べて採用する人を選ぶ
  • NG:「50代の男性」など、年齢・性別でドライバーを指定する
  • OK:ドライバー本人が希望して、就業前に職場や車両を見学する
  • OK:派遣先が「必要な免許の種類」「運転経験」などのスキル要件を派遣元に伝える

なお、派遣期間の終了後に直接雇用することを前提とした紹介予定派遣であれば、事前面接が認められています。将来は自社で役員運転手を雇いたい場合は、紹介予定派遣を検討するのも一つの方法です。

受け入れたドライバーを別の会社で運転させる二重派遣

二重派遣とは、派遣で受け入れたドライバーを、さらに別の会社に送り出して働かせることです。職業安定法第44条が禁止する労働者供給にあたり、送り出した会社には1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があります(2025年6月の刑法改正で懲役は拘禁刑に変わりました)。

ドライバーの場合、次のような使い方が二重派遣になりやすいので注意しましょう。

  • 派遣で受け入れた役員運転手に、グループ会社の役員の送迎を日常的に担当させる
  • 派遣ドライバーを取引先に貸し出し、取引先の指示で配送させる
  • 受け入れたドライバーを、協力会社の現場で運転させる

グループ会社であっても別の法人であれば、指揮命令をするのは派遣契約を結んだ派遣先だけです。複数の会社の送迎を1人のドライバーに任せたい場合は、それぞれの会社が派遣元と契約を結ぶなど、契約の形から見直しましょう。

同じ部署で3年を超えて受け入れ続ける

2015年の法改正で、派遣の受け入れ期間には原則3年の上限が設けられています。上限には次の2種類があり、どちらも守る必要があります。詳しくは厚生労働省の平成27年労働者派遣法改正のページで確認できます。

期間制限の種類内容延長・例外
事業所単位の期間制限同じ事業所で派遣を受け入れられるのは原則3年まで過半数労働組合などから意見を聴けば3年ずつ延長できる
個人単位の期間制限同じドライバーを同じ組織単位(総務課など)で受け入れられるのは3年まで延長はできない。別の課に移る場合はカウントし直し
期間制限の対象外派遣元に無期雇用されている人、60歳以上の人などこのドライバーは3年を超えて受け入れ可能

役員運転手は同じ人に長く担当してほしいことが多く、気づかないうちに3年を超えてしまうケースがあります。受け入れ開始日を管理台帳に記録し、期限が近づいたら派遣元と相談するようにしましょう。3年を超えて同じドライバーに担当してほしい場合は、派遣元に無期雇用されているドライバーを選ぶか、直接雇用への切り替えを検討します。

業務委託なのに現場で直接指示を出す偽装請負

偽装請負とは、契約書では「請負」「業務委託」となっているのに、発注した会社が運転手に直接指示を出し、実態は派遣と同じになっている状態のことです。請負では、運転手への指示や勤怠の管理は、仕事を請け負った会社が自分で行わなければなりません。

派遣と請負の区分は、厚生労働省の「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(いわゆる37号告示)にもとづき、契約の名前ではなく実態で判断されます。具体的な事例は、厚生労働省が公表している37号告示に関する疑義応答集が参考になります。運転業務では、次のような行為が偽装請負と判断されやすくなります。

  • 発注側の社員が、運転手の出退勤の時間や休憩を直接決めて管理している
  • 発注側が運転手に、運転以外の雑務(書類運び・受付など)をその場で指示している
  • 発注側が運転手を指名して交代させたり、評価したりしている
  • 運転手が発注側の就業規則や朝礼に従って働いている

一方で、行き先や送迎の時刻といった「依頼の内容」を伝えるのは、請負でも当然に必要なやりとりです。問題になるのは、運転手の働き方そのものを発注側が管理してしまうことだと押さえておきましょう。

許可を持たない会社からドライバーを受け入れる

労働者派遣事業を行うには、厚生労働大臣の許可が必要です。以前は届出だけでよい「特定労働者派遣事業」もありましたが、2015年の法改正で廃止され、現在はすべての派遣事業が許可制になっています。

許可を持たない会社がドライバーを派遣することは違法で、その会社には1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があります。また、派遣先も、許可のない会社から派遣を受け入れることが禁止されています。知らずに受け入れた場合でも、行政指導の対象になったり、後で説明する労働契約申込みみなし制度が適用されたりするおそれがあります。

「運転手を紹介する」「ドライバーを手配する」とうたうサービスでも、実態が派遣なら許可が必要です。契約前に許可番号(「派13-300000」のような形式)を必ず確認しましょう。調べ方は、この記事の後半で紹介します。

違反したときの罰則と受け入れ企業のリスク

ドライバー派遣のルールに違反した場合、罰則を受けるのは派遣元だけではありません。派遣先の企業にも、行政指導・企業名の公表・直接雇用の義務といったリスクがあります。

派遣元・派遣先それぞれへの罰則と行政指導

主な違反と、派遣元・派遣先それぞれが受ける可能性のある処分をまとめると、次のとおりです。

違反の内容派遣元のリスク派遣先のリスク
無許可での派遣1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金受け入れ禁止違反として指導・勧告・企業名の公表、みなし制度の適用
日雇い派遣の原則禁止違反指導・改善命令、許可の取消し・事業停止など指導・助言の対象
二重派遣契約外の就業を把握したら是正を求める必要がある送り出した派遣先が1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
期間制限違反指導・改善命令など指導・勧告・企業名の公表、みなし制度の適用
偽装請負(請負会社が)無許可派遣として罰則の対象になりうる指導・勧告・企業名の公表、みなし制度の適用

罰金そのものより影響が大きいのが、企業名の公表による信用の低下です。役員の送迎や来客対応を担うドライバーは会社の顔でもあるため、取引先からの信頼を損なわないよう、受け入れ前の確認を徹底しましょう。

労働契約申込みみなし制度で直接雇用を求められることも

労働契約申込みみなし制度は、2015年10月に始まった制度です。派遣先が違法な派遣を受け入れた場合、その時点で、派遣先がドライバーに対して直接雇用の申し込みをしたとみなされます。ドライバーが承諾すれば、派遣元と同じ労働条件で派遣先との労働契約が成立します。

みなし制度の対象となるのは、次のケースです。

  • 禁止業務(警備業務など)に派遣ドライバーを就かせた
  • 許可のない会社からドライバーを受け入れた
  • 事業所単位・個人単位の期間制限を超えて受け入れた
  • 偽装請負など、派遣法の規制を逃れる目的で請負などの契約を結んだ

ただし、派遣先が違法であることを知らず、知らなかったことに落ち度もない(善意無過失)場合は適用されません。許可番号の確認や契約内容のチェックをしておくことが、自社を守ることにもつながるのです。

事故が起きたときの責任があいまいになる

運転業務ならではのリスクが、交通事故の責任です。派遣ドライバーは派遣先の指揮命令のもとで運転するため、事故が起きると派遣先も責任を問われる可能性があります。

  • 運行供用者責任(自動車損害賠償保障法第3条):車の運行を支配し、利益を得ている者が人身事故の賠償責任を負う。自社の役員車・社用車を運転させていれば、派遣先が該当する可能性が高い
  • 使用者責任(民法第715条):指揮命令して働かせている者が、業務中の事故の賠償責任を負う。派遣先にも認められることがある
  • 派遣元の責任:ドライバーの雇用主として、選任・教育などの責任を問われることがある

違法な派遣や偽装請負の状態だと、誰が指揮命令していたのかがあいまいになり、事故後の補償や対応の分担でもめやすくなります。さらに、自動車保険の運転者の範囲に派遣ドライバーが含まれていないと、保険金が支払われないおそれもあります。契約の段階で事故時の対応と費用の負担を決め、保険の補償範囲も確認しておきましょう。

役員車・送迎の運転手は派遣と請負どちらで頼む?目的別の選び方

運転手を外部に頼む方法は、派遣だけではありません。誰が運転手に指示を出すか、車は誰が用意するかによって、適した頼み方が変わります。主な4つの方法を比べると、次のとおりです。

頼み方運転手への指示車両向いている使い方主な注意点
ドライバー派遣派遣先(自社)自社の車自社のルールで運転手を使いたい/長期で受け入れたい30日以内は原則不可、期間制限・事前面接の禁止あり
運行管理請負(業務委託)請負会社自社の車運転手の管理・欠勤時の代わりまで任せたい現場で直接指示すると偽装請負になる
ハイヤーハイヤー会社ハイヤー会社の車車ごと短時間・1回だけ頼みたい自社の車は使えない、利用ごとに料金がかかる
運転代行運転代行業者自社の車会食後など飲酒時の帰りだけ頼みたい業務中の送迎には向かない

ドライバー派遣:受け入れ企業が日々の指示を出せる

指示を出す人派遣先(自社)
雇用主派遣元(派遣会社)
期間31日以上の雇用契約が前提(例外あり)。同じ部署・同じ人は原則3年まで
車両自社の車
自社の事務派遣先責任者の選任、派遣先管理台帳の作成、労働時間の把握、安全運転管理
向いている会社自社の運行ルールや社内事情に合わせて、運転手に細かく指示したい会社

ドライバー派遣の最大の特徴は、自社の社員と同じように、運転手に直接指示を出せることです。その日の予定変更に合わせて送迎ルートを変えたり、待機中に車内の清掃を頼んだりと、柔軟に動いてもらえます。

その反面、労働時間の管理や安全運転管理など、派遣先として負う義務も多くなります。また、運転手が急に休んだときの代わりは派遣元との調整になり、すぐに見つからないこともあります。東京で役員運転手を派遣している会社の料金やサービスの違いは、東京で役員運転手を派遣できる会社10選で比較しています。

運行管理請負:運転手の管理や代わりの手配まで外部に任せる

指示を出す人請負会社(発注者は依頼内容を伝える)
雇用主請負会社
期間スポットから長期まで契約しだい(日雇い派遣の規制は受けない)
車両自社の車(請負会社が車両を用意する形もある)
自社の事務依頼内容の連絡が中心。勤怠管理・教育・代わりの手配は請負会社
向いている会社運転手の採用・教育・労務管理の手間を減らしたい会社

運行管理請負は、役員車の運転業務と、運転手の管理をまとめて外部に任せる方法です。運転手のシフトや教育、急な欠勤時の代わりの手配まで請負会社が行うため、総務部門の負担を大きく減らせます。

注意点は、先ほど説明した偽装請負にならないよう、運転手に直接指示を出さず、請負会社の責任者を通して依頼することです。役員運転手(お抱え運転手)の仕事内容や雇い方の違いはお抱え運転手とは?仕事内容や雇うメリット・デメリットで、専属の運転手を頼む場合の費用感は専属運転手を個人契約するには月いくら?で詳しく解説しています。

ハイヤー・運転代行:車ごと頼む・飲酒時だけ頼む

項目ハイヤー運転代行
使う車ハイヤー会社の車(緑ナンバー)自社・自分の車
必要な許可など一般乗用旅客自動車運送事業の許可都道府県公安委員会の認定
料金の目安時間制が多い(会社・車種で異なる)距離制が多い(会社・地域で異なる)
向いている場面来賓の送迎、冠婚葬祭、1日だけの役員移動会食後に自分の車で帰りたいとき
注意点自社の車は使えない業務中の送迎や待機には向かない

ハイヤーは、車と運転手をまとめて借りるサービスです。予約すれば1回から利用でき、派遣の規制を気にせず使えるため、来賓の送迎やイベント当日だけ移動手段を用意したいときに便利です。ただし、毎回料金がかかるため、日常的な役員の移動に使い続けると割高になることがあります。

運転代行は、お酒を飲んだ人の代わりに、その人の車を運転して目的地まで送るサービスです。運転代行業者は公安委員会の認定を受け、運転手は第二種免許を持っている必要があります。会食後の帰宅には便利ですが、日中の業務中の送迎を頼むものではありません。

急な欠勤やイベントなど短期で運転手が必要なときの頼み方

短期で運転手が必要になったときは、「自社の車を使うか」「どれくらいの期間か」の2点で頼み方を決めると迷いません。

こんなときおすすめの頼み方理由
役員運転手が数日だけ休む運行管理請負(スポット)/ハイヤー自社の車を使うなら請負、車ごとならハイヤー
株主総会・式典の日だけ送迎したいハイヤー/運行管理請負(スポット)1日だけの派遣は原則できないため
運転手の退職から次の採用まで1〜2か月つなぎたいドライバー派遣(31日以上)/運行管理請負31日以上なら派遣も選べる
繁忙期に配送ドライバーを2〜3か月増やしたいドライバー派遣緑ナンバーなら運転者の選任ルールも確認
会食後の役員の帰宅だけ頼みたい運転代行/ハイヤー飲酒時は運転代行が手軽

急な欠勤は前もって予測できないため、欠勤時の代わりをすぐ手配できる体制があるかが大切です。日ごろから、スポットでも対応してくれる外部の専門会社と付き合いを持っておくと、いざというときに慌てずに済みます。

ドライバー派遣を受け入れる前後のチェックリスト

ここまでの内容をふまえ、ドライバー派遣を受け入れる前と後に確認しておきたいことをチェックリストにまとめました。

契約前に確認すること(許可番号・業務範囲・契約期間)

  • 派遣会社が労働者派遣事業の許可を持っているか(許可番号と有効期限)
  • 業務の範囲が運転と付随業務に限られているか(警備・建設作業などを含んでいないか)
  • ドライバーの雇用期間が31日以上か、30日以内なら例外にあたる人か
  • 受け入れ期間が事業所単位・個人単位の3年を超えないか
  • 時間外・休日の運転の上限と、その場合の料金
  • 事故・違反が起きたときの対応と費用の負担
  • 欠勤時に代わりのドライバーを手配できるか

許可番号は、厚生労働省の人材サービス総合サイトで会社名や許可番号を入れて検索できます。許可を受けたすべての事業所の情報が載っているので、契約前に必ず検索して、許可の有効期限まで確認しましょう。

受け入れ後に守ること(派遣先管理台帳・労働時間・アルコールチェック)

  • 派遣先責任者を選び、苦情の受付や派遣元との連絡を担当させる
  • 派遣先管理台帳をつくり、就業日・始業と終業の時刻・休憩時間などを記録して3年間保存する
  • 派遣元の36協定の範囲内で、時間外・休日の運転をさせる
  • 運転手の拘束時間・休息期間について、改善基準告示(2024年4月改正)の基準を意識した運行計画にする
  • 運転前後のアルコールチェックを行い、記録を残す
  • 派遣契約にない業務(警備・別会社での運転など)をさせない

特に役員運転手は、早朝の出迎えから深夜の会食後の送りまで、拘束時間が長くなりやすい仕事です。派遣先は労働時間を把握して派遣元に通知する義務があるため、待機時間も含めて正確に記録し、長時間労働にならないよう調整しましょう。

安全運転管理者の選任と車両・任意保険の確認

白ナンバーの社用車を一定台数以上使う事業所は、派遣ドライバーかどうかにかかわらず、安全運転管理者を選ぶ義務があります。

安全運転管理者が必要な事業所乗車定員11人以上の車を1台以上、またはその他の車を5台以上(自動二輪車は1台を0.5台として計算)使用する事業所
副安全運転管理者車の台数が20台以上の場合、20台ごとに1人追加
アルコールチェック運転の前後に、目視とアルコール検知器で酒気帯びの有無を確認(検知器の使用は2023年12月から義務)
記録の保存確認した内容を記録し、1年間保存

アルコールチェックの義務は、派遣ドライバーにも同じように適用されます。具体的なルールは、警察庁の飲酒運転防止のページで確認できます。直行直帰の多い運転手には、携帯型の検知器とカメラ・電話を使った確認の方法を決めておきましょう。

あわせて、自社の自動車保険の運転者の範囲に派遣ドライバーが含まれているかを確認します。運転者を「従業員」などに限定する特約をつけている場合、派遣ドライバーが対象外になることがあるため、保険会社や代理店に事前に相談しておくと安心です。

ドライバー派遣の禁止に関するよくある質問

最後に、ドライバー派遣についてよく寄せられる質問にお答えします。

トラック運転手の派遣は禁止されていますか?

禁止されていません。トラックの運転は労働者派遣法の禁止業務にあたらないため、派遣で受け入れられます。ただし、緑ナンバーの運送事業では、日々雇い入れられる人や2か月以内の期間を定めて使用される人などは運転者として乗務させられない決まりがあります。運送事業者が受け入れる場合は、派遣元との雇用期間などを確認し、不安があれば運輸支局に相談しましょう。

日雇いのドライバーは禁止されていますか?

派遣会社との雇用契約が30日以内の日雇い派遣は、原則として禁止されています。例外として、60歳以上の人、昼間学生、本業の年収が500万円以上の副業者、世帯年収500万円以上で主な稼ぎ手でない人なら認められます。派遣ではなく、自社で直接ドライバーを日雇いすること自体は禁止されていませんが、労働条件の明示や労働保険の手続きなどは必要です。

派遣ドライバーと事前に顔合わせをしてもいいですか?

派遣先が面接や試乗テストでドライバーを選ぶことは、事前面接として禁止されています。一方、ドライバー本人の希望で、就業前に職場や車両を見学するのは問題ありません。この場合も、見学の結果で受け入れを断るような選考にならないよう注意が必要です。紹介予定派遣であれば、事前の面接が認められています。

派遣ドライバーに自社の社用車を運転してもらえますか?

運転してもらえます。むしろ、自社の役員車や営業車を運転してもらうのがドライバー派遣の一般的な形です。その際は、自動車保険の運転者の範囲に派遣ドライバーが含まれているかを必ず確認しましょう。白ナンバーの車を一定台数以上使う事業所では、派遣ドライバーにもアルコールチェックが必要です。

派遣会社に許可があるかはどう調べればいいですか?

厚生労働省の人材サービス総合サイトで、会社名や許可番号から検索できます。許可番号は「派13-300000」のように「派」と都道府県番号から始まる形式です。会社のウェブサイトに許可番号が載っていない場合は、契約前に直接確認しましょう。許可の有効期限が切れていないかもあわせて確認します。

派遣ドライバーが事故を起こしたら誰の責任になりますか?

事故の状況や契約内容によって異なりますが、派遣先は自社の車の運行供用者として人身事故の賠償責任を負う可能性があります。また、指揮命令をしていた派遣先に使用者責任が認められることもあります。事故時の対応と費用の負担を派遣契約で決めておき、自動車保険の補償範囲も確認しておくことが大切です。判断に迷う場合は、保険会社や弁護士に相談しましょう。

役員車・社用車の運転手を頼むならフィールドサービス

役員運転手・専属ドライバーの手配ならフィールドサービス|法人契約80社以上・運転委託業務歴31年超・ドライバー在籍60名以上

ここまで、ドライバーを外部から受け入れるときのルールを解説してきました。最後に、役員車や社用車の運転手を頼みたい方に向けて、フィールドサービス株式会社のサービスを紹介します。

貴社の車両に合わせて運転士をご用意

フィールドサービス株式会社は、東京都全域と神奈川・埼玉・千葉で、お客様の車を運転する運転士をご用意している会社です。業務歴は31年を超え、法人契約は80社以上、在籍ドライバーは60名以上にのぼります。

サービス内容専属運転手(同じドライバーが継続して担当)、貴社車両への運転手の手配、スポット・短期の手配
料金個別見積もり(条件が未確定でも概算OK)
初期費用・解約手数料なし(契約期間は柔軟に相談可能)
手配までの期間最短1週間
車両お客様の車両を使用
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対応エリア東京都全域・神奈川・埼玉・千葉(エリア外も相談可)
拠点板橋本店・日本橋・西新宿・恵比寿・横浜
ご利用者法人・個人(ご家族の送迎にも対応)

役員車のセダンやミニバンなど、貴社がお使いの車両に合わせて運転士をご用意します。役員や来賓の送迎、守秘義務が求められる定期的な送迎、繁忙期やイベントでの増便まで、同じドライバーが継続して担当する専属の形から、必要な日だけのスポットまで選べるのが特徴です。

欠勤時の代わりの手配や事故の初期対応までまとめて任せられる

運転手を外部に頼むときに気になるのが、運転手が休んだときと、万が一の事故のときの対応です。フィールドサービスでは、欠勤時の代わりの運転手の手配から、事故の初期対応までをまとめてお任せいただけます。

  • 運転手の急な欠勤や休暇のときも、代わりの運転手を手配
  • 事故が起きたときの初期対応
  • 給油やディーラーへの定期点検の回送などの付随業務
  • ご希望に合わない場合の運転手の変更
  • 外国語での対応が必要な場面への配慮

すべての契約で守秘義務契約(NDA)を結んでいるため、経営に関わる会話や移動先の情報も安心してお任せいただけます。運転手の採用や教育、急な欠員の心配から解放されることで、総務部門は本来の業務に集中できます。

相談・概算見積もりは無料

「まだ利用する日数や時間が決まっていない」「まずは費用感だけ知りたい」という段階でも、フィールドサービスでは無料で概算の見積もりをお出ししています。初期費用や解約手数料はかからず、契約期間も柔軟にご相談いただけます。

・業務歴31年超・法人契約80社以上
・在籍ドライバー60名以上・最短1週間で手配
・全契約でNDAを締結・初期費用と解約手数料なし

役員運転手の退職が決まった、来月の式典の日だけ運転手を頼みたい、今の体制の費用を見直したいといったご相談も歓迎しています。相談だけでも問題ありませんので、気軽にお問い合わせください。

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