上司や取引先と一緒にタクシーに乗ることになったとき、「どこに座ればいいのだろう」と一瞬迷った経験はありませんか。会議室や会食の席次は意識していても、車の中の上座と下座までは自信がないという方は少なくありません。
車の席次は、乗る車がタクシーなのか、上司が運転する車なのか、運転手付きの役員車なのかによって考え方が変わります。人数によっても座り方が変わるため、基本を知らないまま乗り込むと、相手に窮屈な思いをさせたり、支払いの段取りでもたついたりしてしまいます。
この記事では、タクシーの上座の基本と人数別の席次から、運転する人による例外、役員車ならではの座り方、乗り降りのマナー、接待や役員送迎の段取りまでをまとめて解説します。
- 上司や取引先とタクシーに乗る予定がある方
- 社用車や役員車での席次に迷うことがある秘書・総務の方
- 接待や来客の送迎で、車の手配と席次を任されている方
席次はマナーの一つですが、いちばん大切なのは相手が安全で快適に移動できることです。形だけにとらわれず、状況に合わせて動けるようになりましょう。
タクシーの上座は運転席の後ろ|車の席次の基本
タクシーのように運転手が同乗者以外の人(職業運転手)の車では、運転席の後ろが最上位の席です。ここから順に、助手席の後ろ、後部座席の真ん中、助手席と続きます。
| 順位 | 席 | この席に座る人の目安 |
|---|---|---|
| 1(上座) | 運転席の後ろ | 最も目上の人(社長・取引先の役員など) |
| 2 | 助手席の後ろ | 2番目に目上の人 |
| 3 | 後部座席の真ん中 | 3番目の人 |
| 4(下座) | 助手席 | 最も目下の人(行き先の案内・支払いを担当) |
まずは、この4つの順番と、それぞれの席がなぜその順位になるのかを押さえておきましょう。理由がわかっていれば、人数や車の種類が変わっても応用がききます。
一番の上座は運転席の後ろ
タクシーで最も格が高いのは、運転席の真後ろの席です。上司や取引先と乗るときは、最も目上の人にこの席に座ってもらうのが基本になります。
運転席の後ろは、ドライバーの体に隠れる位置にあるため、前方の視界が遮られ、落ち着いて座っていられる席でもあります。左側通行の日本では、タクシーは歩道側(左側)のドアから乗り降りします。運転席の後ろは乗り込んだドアから最も遠い「奥の席」にあたり、会議室で入口から最も遠い席を上座とする考え方とも一致します。
ただし、奥の席は乗るときに車内を横に移動しなければなりません。相手が高齢の方や、和装・タイトなスカートなどで動きにくい服装の方なら、無理に奥へ詰めてもらう必要はありません。この点は「車の席次より優先したいケース」の章で詳しく紹介します。
2番目は助手席の後ろ、3番目は後部座席の真ん中
2番目の上座は助手席の後ろ、3番目が後部座席の真ん中です。
助手席の後ろは、乗り降りするドアのすぐ横の席です。運転席の後ろと同じく後部座席でゆったり座れるうえ、出入りもしやすいため、2番目に目上の人が座ります。
後部座席の真ん中は、左右を人に挟まれ、足元に床の盛り上がり(センタートンネル)があるセダンも多いため、最も窮屈な席です。そのため後部座席の中では最下位になります。3人で後部座席に座るのは長時間だと負担が大きいので、3人で乗るときは真ん中を空けて、1人が助手席に座るのが一般的です。
下座は助手席|行き先の案内と支払いを受け持つ席
助手席は最も目下の人が座る下座です。前の席は後部座席より狭く、ドライバーのすぐ隣で落ち着きにくい席だからというだけではありません。助手席には、目上の人の代わりに動く役割があります。
- ドライバーに行き先や道順を伝える
- 到着前に料金の支払いや領収書の受け取りを済ませる
- 先に降りて、目上の人が降りるのを待つ
後部座席の人に財布を出させたり、運転手とのやり取りをさせたりしないために、目下の人が助手席に座って段取りを引き受けるというわけです。助手席は「格下の席」というより「お世話係の席」と考えるとわかりやすいでしょう。
運転席の後ろが上座とされる理由
運転席の後ろが上座とされる理由には、いくつかの説があります。
- 入口(乗り降りするドア)から最も遠い奥の席だから
- 事故のときに、ドライバーが自分の身を守ろうとハンドルを切るため、運転席側が安全だと考えられてきたから
- ドライバーの後ろに隠れて、外や前方からの視線を受けにくいから
このうち「事故のときに安全」という説は、昔から言われてきたものの、エアバッグや衝突被害軽減ブレーキが普及した今では、席の安全性の差を根拠にするのは難しいとされています。むしろ安全面で確実に差が出るのは、シートベルトを締めているかどうかです。
警察庁のシートベルトに関するページによると、後部座席のシートベルト着用は一般道路を含むすべての道路で義務です。それでも一般道路での後部座席の着用率は45.8%にとどまり(令和7年調査)、着用していない場合の致死率は一般道路で着用時の約2.8倍になるとされています。上座に座ってもらったら、出発前にさりげなくシートベルトを促すのも気配りの一つです。
現在では、運転席の後ろが上座という考え方は、安全性よりも奥の席を目上の人に譲るという礼儀の慣習として定着していると考えるとよいでしょう。
人数別に見るタクシーの席次
タクシーの席次は、乗る人数によって誰がどこに座るかが変わります。一般的なセダン型やJPN TAXIのような車両では、お客様が乗れるのは最大4名です。人数ごとの座り方を確認しておきましょう。
| 人数 | 運転席の後ろ | 助手席の後ろ | 後部座席の真ん中 | 助手席 |
|---|---|---|---|---|
| 2人 | 目上の人 | 目下の人(または空席) | 空席 | 空席(または目下の人) |
| 3人 | 1番目 | 2番目 | 空席 | 3番目 |
| 4人 | 1番目 | 2番目 | 3番目 | 4番目 |
2人で乗るとき
上司と自分の2人で乗るときは、上司に運転席の後ろに座ってもらい、自分は助手席の後ろに座るのが基本です。2人とも後部座席に座るので、移動中も会話がしやすく、上司を1人で後ろに座らせることもありません。
一方で、自分が助手席に座る考え方もあります。支払いや道案内をスムーズにしたい、上司に後部座席を広く使ってほしい、という場合です。どちらも失礼にはあたりません。迷ったときは、次のように使い分けるとよいでしょう。
| 状況 | 自分の座る席 | 理由 |
|---|---|---|
| 移動中に打ち合わせや相談をしたい | 助手席の後ろ | 隣に座ったほうが話しやすい |
| 上司が資料を広げたい・休みたい | 助手席 | 後部座席を広く使ってもらえる |
| 取引先の方と2人で乗る | 助手席の後ろ(相手の意向を確認) | 相手を1人にしない配慮 |
| 行き先がわかりにくく道案内が必要 | 助手席 | 運転手に道を伝えやすい |
乗る前に「お隣に失礼してもよろしいですか」とひと言かけておくと、相手も気持ちよく応じてくれます。
3人で乗るとき
3人で乗るときは、1番目の人が運転席の後ろ、2番目の人が助手席の後ろ、3番目(最も目下)の人が助手席に座ります。後部座席の真ん中は空けておくのが一般的です。
たとえば「取引先の部長・自社の課長・自分」の3人なら、取引先の部長が運転席の後ろ、課長が助手席の後ろ、自分が助手席です。自社の社長と取引先の担当者のように、社内と社外の人が混ざるときは、役職よりも「お客様を優先する」のが原則です。社外の人を上座に案内し、自社の人はその下に座ります。
3人で乗る場合も、支払いと道案内は助手席の人が受け持ちます。事前に行き先の住所や建物の入口を調べておくと、到着時に慌てずに済みます。
4人で乗るとき
4人で乗るときは、すべての席が埋まります。1番目が運転席の後ろ、2番目が助手席の後ろ、3番目が後部座席の真ん中、4番目(最も目下)が助手席です。
後部座席に3人並ぶため、体格のよい人が多いとかなり窮屈になります。移動時間が30分を超えそうなら、タクシーを2台に分けることも検討しましょう。2台に分けるときは、最も目上の人が乗る車に、案内役の目下の人が同乗するとスムーズです。もう1台にも行き先を正確に伝えておき、到着がずれても困らないようにしておきます。
また、後部座席の真ん中の人もシートベルトの着用が必要です。真ん中の席は2点式のベルトや、座面に埋もれて見つけにくいベルトの車両もあるので、乗車時に声をかけて確認しましょう。
ワゴンタイプのタクシー(6人乗り)の席次
5〜6人で移動するときや、大きな荷物があるときは、アルファードやハイエースのようなワゴンタイプのタクシー(ジャンボタクシー)を予約することもあります。ワゴン車は3列シートで、乗り降りはスライドドアから行います。
ワゴンタイプの席次は、セダンの考え方を応用して決めるのが一般的です。
| 順位の目安 | 席 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 2列目の運転席の後ろ | ゆったり座れて乗り降りもしやすい最上位の席 |
| 2 | 2列目の助手席の後ろ | スライドドアに近く出入りしやすい |
| 3〜5 | 3列目(運転席側→助手席側→真ん中の順が目安) | 乗り降りに手間がかかるため2列目より下 |
| 最下位 | 助手席 | 行き先の案内と支払いを担当 |
ワゴン車では、3列目は2列目の座席を動かさないと乗り降りしにくいため、2列目より下の席として扱います。目下の人から先に3列目へ乗り込み、目上の人は最後に2列目に乗ってもらうと、乗り降りの順番もスムーズです。ワゴンタイプは台数が限られるため、配車アプリや電話で早めに予約しておきましょう。
上座は車を誰が運転するかで変わる
ここまで紹介したのは、タクシーやハイヤーのように運転手が同乗者以外の人である場合の席次です。同乗者の誰かが運転する車では、上座の位置が変わります。
上司や取引先が運転する車は助手席が上座
上司や取引先など、同乗者の誰かが運転する車では、助手席が最も上座になります。運転してくれている人の隣に座り、話し相手になったり道案内をしたりするのが礼儀とされているからです。運転手を1人だけ前に座らせ、全員が後部座席に座ると、運転する人をまるで運転手扱いしているように見えてしまいます。
| 順位 | 席 | ポイント |
|---|---|---|
| 1(上座) | 助手席 | 運転する人の隣で会話や道案内をする |
| 2 | 運転席の後ろ | 後部座席の上座 |
| 3 | 助手席の後ろ | 乗り降りしやすい席 |
| 4(下座) | 後部座席の真ん中 | 最も窮屈な席 |
たとえば取引先の社長が自分の車で駅まで送ってくれる場合、同乗する中で最も目上の人(自社の上司など)が助手席に座ります。自分が最も目下なら、後部座席の真ん中か空いている席に座りましょう。
助手席に座ったら、居眠りをしたり、スマートフォンばかり見たりするのは避けたいところです。運転する人の負担を減らすために、ナビの操作や周囲の確認を手伝う気持ちで座りましょう。
社用車を部下が運転するときの席次
社用車で取引先を訪問するとき、部下が運転して上司が同乗するケースはよくあります。このとき、部下は運転手役なので、上司は後部座席の運転席の後ろに座るのが基本です。
ただし、上司が助手席を選ぶこともあります。移動中に打ち合わせをしたい、道案内をしてあげたい、という意図があるときです。上司から「前に座るよ」と言われたら、そのまま従って問題ありません。
| 乗る人 | 上司の席 | ほかの人の席 |
|---|---|---|
| 上司と運転する部下の2人 | 運転席の後ろ(上司が望めば助手席) | ― |
| 上司2人と運転する部下 | 上位の上司が運転席の後ろ、次の上司が助手席の後ろ | ― |
| 上司・取引先・運転する部下 | 取引先が運転席の後ろ、上司が助手席の後ろ | ― |
社用車を運転する側は、マナーより先に安全運転と法令順守が求められます。安全運転管理者の選任が必要な事業所(乗車定員11人以上の車を1台以上、またはその他の車を5台以上使う事業所)では、運転前後のアルコールチェックも義務化されています。社用車を運転する人を決める段階で、免許の種類や運転経験も確認しておきましょう。
また、接待や会食のあとに社用車を運転するのは厳禁です。警視庁の飲酒運転の罰則のページで示されているとおり、酒気帯び運転は運転した本人だけでなく、車を提供した人や、酒を提供した人・同乗した人にも罰則があります。お酒が出る席のあとは、運転を代わってもらうか、タクシーや運転手付きの車を手配しましょう。
ハイヤーや運転手付きの役員車はタクシーと同じ考え方
ハイヤーや、専属の運転手が運転する役員車は、タクシーと同じく運転手が同乗者以外の人です。そのため、基本はタクシーと同じく運転席の後ろが上座、助手席が下座になります。
役員車を運転する役員運転手(お抱え運転手とも呼ばれます)は、運転を仕事として担う人なので、同乗者として席次に加わる存在ではありません。秘書や随行の社員が同乗するときは、役員が後部座席の上座に、秘書が助手席に座るのが一般的です。
ただし、役員車には「あえて助手席の後ろに座る」という独自の慣習があります。理由は次の章で詳しく紹介します。
役員車では助手席の後ろが好まれることもある理由
タクシーでは運転席の後ろが上座ですが、役員車やハイヤーでは、助手席の後ろを最上位の席にしている会社や役員も少なくありません。国際儀礼(プロトコール)の解説でも、自動車の上席には「後部座席の右側」とする考え方と、「乗り降りしやすい車寄せ(歩道)側」とする考え方の両方があると紹介されています。役員車で助手席の後ろが好まれる主な理由を見ていきましょう。
助手席を前に出して足元を広く使える
助手席の後ろの席は、助手席を前にずらしたり背もたれを倒したりすれば、足元を大きく広げられます。助手席に人が乗らない役員車なら、助手席を一番前まで出しておくことで、後部座席でも足を伸ばしてくつろげます。
役員車として使われることの多い高級セダンやミニバンには、後部座席から助手席を前に動かすスイッチや、足を乗せるオットマンが付いた車種もあります。こうした装備は、助手席の後ろの席に座る人のために用意されていることが多いです。一方、運転席はドライバーが運転しやすい位置から動かせないため、運転席の後ろの足元はそれ以上広げられません。
移動中に資料を読んだり、仮眠をとったりする役員にとって、体を休められる広さは大切です。毎日の移動で疲れをためないために、あえて助手席の後ろを選ぶ役員が多いのです。
歩道側から乗り降りしやすい
日本は左側通行なので、車を道路の左端に停めると、助手席側のドアが歩道側になります。助手席の後ろに座れば、車道に出ずに歩道側のドアから直接乗り降りできます。
運転席の後ろに座る場合、歩道側のドアから乗って奥まで移動するか、車道側のドアから乗り降りする必要があります。車道側のドアは後ろから来る車やバイク、自転車との接触の危険があり、乗る人の安全を考えると避けたいところです。
なお、道路交通法の第71条では、運転者は安全を確認しないでドアを開けたり、同乗者がドアを開けて交通の危険を生じさせたりしないよう措置を講じることが義務づけられています。違反すると、安全不確認ドア開放等として違反点数1点・反則金(普通車)6,000円の対象になります。運転手付きの車で歩道側から乗り降りしてもらうのは、マナーだけでなく安全面でも理にかなっているのです。
降りる順番や行き先で席を入れ替えるケース
役員車では、誰が先に降りるかによって座る席を入れ替えることもあります。
- 役員が途中で降りる場合は、役員に歩道側(助手席の後ろ)に座ってもらい、すぐに降りられるようにする
- 来賓を先にホテルまでお送りする場合は、来賓に歩道側に座ってもらう
- 降車場所が道路の右側(中央分離帯側など)になる場合は、降りる側に合わせて席を変える
ホテルや会社の車寄せでは、車が停まる向きによって建物側のドアが変わることもあります。ベテランの運転手は、到着場所の車寄せの形を前もって確認し、目上の人が建物側から降りられるように停車位置を調整します。
役員車の席次は、「タクシーと同じ形式」よりも、乗る人が一番楽に乗り降りできるかどうかを優先して決めるのが実際のところです。役員本人の好みを秘書や運転手が把握しておき、毎回同じ席を用意できるようにしておくと安心です。
タクシーの乗り降りのマナー
席次を理解していても、乗り降りの順番や支払いのタイミングでもたつくと、スマートな印象になりません。タクシーを呼ぶところから降りるまでの流れに沿って、押さえておきたいマナーを紹介します。
タクシーを停める・呼ぶのは目下の人
タクシーを停めたり、配車アプリで呼んだりするのは目下の人の役割です。上司や取引先に手を挙げさせたり、スマートフォンを操作させたりしないようにしましょう。
| 呼び方 | 向いている場面 | ポイント |
|---|---|---|
| 流しのタクシーを停める | 大通りで空車がよく通るとき | 車が停まりやすい場所で手を挙げる。交差点やバス停の近くは避ける |
| タクシー乗り場から乗る | 駅・ホテル・商業施設 | 列に並ぶ間は上司に少し離れた場所で待ってもらってもよい |
| 配車アプリで呼ぶ | 空車が少ない時間帯・雨の日 | 到着時刻と車両のナンバーを確認しておく |
| 電話や予約で呼ぶ | 大切な来客の送迎・早朝の移動 | 時間指定ができる。ワゴンタイプやハイヤーも手配可能 |
会食の終わりなど時間が読める場面では、終了の10〜15分前を目安に配車しておくと、相手を外で待たせずに済みます。雨の日や夜の繁華街ではタクシーがつかまりにくいため、早めの予約がおすすめです。
乗る順番|目上の人に先に乗ってもらう
タクシーには、目上の人から先に乗ってもらうのが基本です。
ただ、運転席の後ろ(上座)は乗り込んだドアから一番奥の席です。目上の人が先に乗る場合、奥まで横にずれて移動してもらう必要があります。そのため実際には、次のような順番が一般的です。
- 目上の人に先に乗ってもらい、奥(運転席の後ろ)へ移動してもらう
- 2番目の人が助手席の後ろに乗る
- 最後に目下の人が助手席に乗り、運転手に行き先を伝える
相手が奥まで移動しにくそうな場合は、「お先に失礼します」とひと言添えて自分が先に奥に乗り、目上の人には手前(助手席の後ろ)に座ってもらう方法もあります。順番よりも、相手に無理な姿勢をとらせないことを優先しましょう。
乗るときは、頭から乗り込むより、先に腰を座席に下ろしてから足をそろえて車内に入れると、動作がきれいに見えます。上司にもこの乗り方をしてもらえるよう、ドアの前に余裕を持って空間を空けておきましょう。
降りる順番と支払いのタイミング
降りるときは、目下の人が先に降りて、目上の人が降りるのを待つのが基本です。助手席の人は、到着の少し前に支払いの準備を始めましょう。
- 到着が近づいたら、運賃メーターを確認して支払いの準備をする
- 停車したら素早く支払いを済ませ、領収書を受け取る
- 先に降りて、ドアの横で目上の人が降りるのを待つ
- 忘れ物がないかを車内に声をかけて確認する
目上の人を車内で待たせないためには、キャッシュレス決済やタクシーチケットを使うのが便利です。配車アプリのネット決済を使えば、降車時の支払い自体が不要になります。会社でタクシーをよく使うなら、法人向けの決済サービスやチケットを用意しておくと、立て替えや精算の手間も減らせます。
目上の人が支払いを申し出てくれた場合は、無理に断らず、「ありがとうございます、ごちそうさまです」とお礼を伝えましょう。
ドアの開け閉めと荷物の扱い
日本のタクシーの多くは、後部座席の左側のドアを運転手が開閉する自動ドアです。自分で無理に開け閉めしようとすると、故障の原因になります。運転手がドアを開けるのを待ちましょう。
一方、助手席のドアや一部の車両のドアは手動です。手動のドアを開けるときは、後ろから自転車やバイクが来ていないかを確認してからゆっくり開けます。閉めるときも、強く閉めず、最後は手を添えて静かに閉めるのがマナーです。
荷物の扱いも押さえておきましょう。
- 目上の人の大きな荷物は、目下の人がトランクへの積み込みを運転手に依頼する
- 小さなバッグは、本人が車内に持ち込みやすいよう受け取っておき、乗車後に渡す
- 降りるときはトランクの荷物を先に下ろし、目上の人に手渡す
- 傘は、閉じて水を切ってから車内に持ち込む
傘を持ってもらう、ドアの上に手を添えて頭をぶつけないようにするなど、ちょっとした気配りがその人の印象を大きく左右します。
接待や役員送迎で慌てないための段取り
接待や来賓の送迎では、席次やマナーそのものより、事前の段取りで当日の印象が決まります。タクシーを手配する側が準備しておきたいことを紹介します。
配車の予約と乗る位置を前もって決めておく
大切な送迎では、流しのタクシーをつかまえるのではなく、事前に配車の予約をしておくのが基本です。予約するときは、次の情報を正確に伝えましょう。
| 迎えの日時 | 会食の終了予定時刻の10〜15分前を目安にする |
|---|---|
| 迎えの場所 | 建物名だけでなく、車寄せ・正面玄関・裏口などの具体的な位置 |
| 人数と車種 | 人数と荷物の量に合わせてセダン・ワゴン・ハイヤーを選ぶ |
| 行き先 | 住所と建物の入口。複数の場所に寄る場合は順番も伝える |
| 支払い方法 | タクシーチケット・法人決済・アプリ決済のどれを使うか |
あわせて、誰がどの席に座るか、誰が助手席で支払いを担当するかを、同行者の間で前もって決めておきましょう。当日その場で「どうぞ」「いえいえ」と譲り合うと、相手を待たせることになります。
役員の送迎が頻繁にある会社では、そのたびにタクシーを手配するより、自社の役員車と運転手を用意したほうが、移動の質も時間の正確さも安定します。役員車の運転手を外部の専門会社に頼める会社の比較は、東京で役員運転手を頼める会社の比較記事で紹介しています。
取引先をタクシーで見送るときのマナー
取引先をタクシーで見送るときは、車が見えなくなるまで見送るのが基本のマナーです。
- タクシーを呼び、相手を上座(運転席の後ろ)に案内する
- 運転手に行き先を伝え、支払いをこちらで持つ場合はタクシーチケットを渡しておく
- 相手が乗ったら、ドアが閉まる前に改めてお礼を伝える
- 車が走り出したら一礼し、見えなくなるまでその場で見送る
相手の行き先をこちらで伝えると、相手が運転手に説明する手間を省けます。タクシーチケットを使う場合は、渡し方にも配慮しましょう。封筒に入れて「本日のお車代です」と添えると、相手も気兼ねなく受け取りやすくなります。
雨の日は、傘を差しかけて相手が濡れないように乗車してもらいます。自分は多少濡れても、相手を優先する姿勢が大切です。
タクシーチケットや領収書を用意しておく
接待や送迎でタクシーをよく使う会社では、タクシーチケットや法人向けの決済サービスを用意しておくと便利です。降車時の支払いがスムーズになり、目上の人やお客様を車内で待たせずに済みます。
| 支払い方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| タクシーチケット | お客様に渡して支払いを任せられる。後日まとめて請求される | 使えるタクシー会社が限られる。紛失や私的利用の管理が必要 |
| 法人向け配車アプリ・決済 | アプリで配車から支払いまで完結。利用履歴を管理しやすい | 利用者の登録や利用ルールの設定が必要 |
| 法人カード・現金 | どのタクシーでも使いやすい | 立て替えや精算の手間がかかる。領収書の受け取りが必須 |
経費精算の面では、領収書の扱いにも注意が必要です。国税庁のインボイス制度特設サイトでも案内されているとおり、インボイス制度のもとで消費税の仕入税額控除を受けるには、原則として適格請求書(インボイス)の保存が必要です。3万円未満の公共交通機関の運賃は保存が不要になる特例がありますが、対象はバス・鉄道・船舶で、タクシーは特例の対象外です。会社がタクシー代を直接支払う場合は、登録番号が記載された領収書を受け取りましょう。社員の出張旅費として支給する場合は別の特例が使えることもあるため、扱いに迷ったら経理担当者や税理士に確認すると安心です。
なお、取引先を接待するためのタクシー代は交際費、社員の業務上の移動は旅費交通費として扱うのが一般的です。会社の経理ルールに合わせて、領収書に利用目的や同乗者をメモしておくと精算がスムーズです。
車の席次より優先したいケース|柔軟に対応するコツ
席次はあくまで相手を気持ちよく迎えるための目安です。形式にこだわりすぎて、相手に不便を強いては本末転倒です。席次より相手の事情を優先したほうがよいケースを紹介します。
相手に好みの席があるとき
相手が「いつもこちらに座るので」と好みの席を伝えてくれた場合は、相手の希望を優先しましょう。車酔いしやすい人は前の席や窓際を好み、足の長い人は足元の広い助手席の後ろを好むことがあります。
役員の送迎を担当する秘書や運転手は、役員ごとの好みの席を把握しておくと、毎回迷わずに済みます。好みは本人に直接聞きにくいこともあるので、前任者から引き継いだり、乗車時の様子を観察したりして覚えておきましょう。
「上座はこちらです」と型どおりに案内したあとで、相手が別の席を選んでも、それを訂正する必要はありません。相手の選んだ席が、その日の上座です。
急いでいるときや雨の日
時間に追われているときや雨の日は、席次よりも素早く乗り降りできることを優先します。
- 雨の日は、目上の人に手前(助手席の後ろ)に座ってもらい、濡れる時間を短くする
- 急いでいるときは、乗りやすい順に乗り込み、席次は気にしすぎない
- 交通量の多い道路では、車道側のドアからの乗り降りを避ける
たとえば雨の中、目上の人に奥の席まで横移動してもらうと、その間ドアを開けたままになり、相手も自分も濡れてしまいます。こうした場面では、「雨ですので、手前のお席へどうぞ」とひと言添えて手前の席を勧めれば、失礼にはなりません。
服装や体調など相手の事情に合わせる
相手の服装や体調、年齢によっては、奥の席への移動が負担になることがあります。
| 相手の事情 | おすすめの対応 |
|---|---|
| 着物・タイトなスカートなど動きにくい服装 | 手前の席(助手席の後ろ)に座ってもらう |
| 高齢の方・足腰が弱い方 | 乗り降りしやすい手前の席。必要なら乗車を手伝う |
| 妊娠中の方・体調がすぐれない方 | 揺れが少なく、すぐ降りられる席を相手に選んでもらう |
| 大柄な方・荷物が多い方 | 後部座席に2人までにする、またはタクシーを分ける |
| 車酔いしやすい方 | 前方が見えやすい席や助手席を希望していないか確認する |
ポイントは、こちらで決めつけずに相手に選んでもらうことです。「どちらのお席がよろしいですか」と聞くだけで、相手への気遣いが伝わります。
列車・新幹線・飛行機の席次もあわせて確認
出張では、タクシーだけでなく列車や新幹線、飛行機で上司や取引先と移動することもあります。乗り物ごとの席次もあわせて覚えておきましょう。基本は窓側が上座、通路側や真ん中が下座です。
列車のボックス席の席次
向かい合わせの4人掛けのボックス席では、次の順番が一般的です。
| 順位 | 席 | 理由 |
|---|---|---|
| 1(上座) | 進行方向を向いた窓側 | 景色が見やすく、後ろ向きに進まないため酔いにくい |
| 2 | 進行方向と逆向きの窓側 | 窓側で落ち着いて座れる |
| 3 | 進行方向を向いた通路側 | 前向きに座れる |
| 4(下座) | 進行方向と逆向きの通路側 | 人の出入りがあり、後ろ向きに進む |
通路側の席は、人の出入りが気になるうえ、車内販売や荷物の上げ下ろしのたびに動く必要があります。そのため、通路側には目下の人が座り、荷物の出し入れなどを引き受けます。
新幹線・飛行機の3人掛けの席次
新幹線の3人掛けの席(A・B・C席)では、窓側が上座、次に通路側、真ん中が下座です。
| 乗り物 | 上座 | 2番目 | 下座 | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 新幹線(3人掛け) | 窓側 | 通路側 | 真ん中 | 真ん中は両側を挟まれて窮屈 |
| 新幹線(2人掛け) | 窓側 | 通路側 | ― | 通路側は出入りしやすい |
| 飛行機(3人掛け) | 窓側 | 通路側 | 真ん中 | トイレに行きやすい通路側を好む人も多い |
飛行機では、窓側を上座とするのが一般的ですが、トイレや荷物の出し入れがしやすい通路側を好む人も少なくありません。座席を予約する段階で、上司や取引先に希望を聞いておくと安心です。
新幹線で2人で移動する場合、3人掛けの窓側と通路側を予約して真ん中を空けておく方法もあります。混雑時は真ん中に人が座ることもありますが、空いている時間帯ならゆったり座れるので、相手に喜ばれる心配りの一つです。
タクシーの上座に関するよくある質問
タクシーの席次について、よく寄せられる質問にお答えします。
- 後部座席に3人乗るとき、真ん中には誰が座る?
- 上司と2人で乗るとき、助手席に座るのは失礼?
- 上司から先に乗ってと言われたらどうする?
- タクシー代は誰が払う?
- 自分が運転する車で上司を乗せるときはどこに座ってもらう?
- プライベートでも車の席次を気にしたほうがいい?
後部座席に3人乗るとき、真ん中には誰が座る?
後部座席に3人並ぶときは、後部座席の中で最も目下の人が真ん中に座ります。4人で乗る場合なら、3番目の人が真ん中、最も目下の人が助手席です。
ただし、3人で乗るなら、真ん中は空けて1人が助手席に座るのが一般的です。後部座席に3人並ぶのは窮屈なので、人数に余裕があるときはできるだけ避けましょう。
上司と2人で乗るとき、助手席に座るのは失礼?
失礼ではありません。助手席は支払いや道案内を受け持つ「目下の人の席」なので、上司と2人のときに助手席に座るのはマナーとして問題ありません。
ただし、上司を後部座席に1人で座らせることになるため、移動中に話をしたい場合は、助手席の後ろに座ったほうがよいこともあります。乗る前に「前に座りますね」「お隣に失礼します」とひと言添えると、どちらを選んでも感じよく伝わります。
上司から先に乗ってと言われたらどうする?
上司から「先に乗って」と言われたら、遠慮しすぎずに従いましょう。「お先に失礼します」とひと言添えて、奥の席(運転席の後ろ)へ移動します。
上司が先に乗るよう勧めるのは、奥まで移動するのが面倒だったり、早く出発したかったりするからです。何度も譲り合うと、かえって時間がかかり、上司の気遣いを無にしてしまいます。奥の席に座ったあとは、降りるときに上司より先に降りられないこともあるので、到着時は上司が降りるのを待ってから静かに降りましょう。
タクシー代は誰が払う?
ビジネスの場面では、助手席に座った目下の人が支払いを担当し、あとで会社の経費として精算するのが一般的です。接待で取引先をお送りする場合は、招いた側が支払います。
上司が個人的に支払ってくれる場合は、お礼を伝えてごちそうになりましょう。会社の経費で精算する場合は、領収書を必ず受け取り、利用目的や同乗者を記録しておきます。
自分が運転する車で上司を乗せるときはどこに座ってもらう?
自分が運転する車に上司を乗せる場合、上司に座ってもらうのは後部座席の運転席の後ろが基本です。自分が運転手役になるので、タクシーと同じ考え方になります。
ただし、上司が助手席に座りたいと言った場合は、その希望に従いましょう。道案内をしてくれたり、移動中に話ができたりするので、2人で移動するときは上司が助手席を選ぶこともよくあります。いずれの場合も、出発前に全員がシートベルトを締めているか確認してから車を出しましょう。
プライベートでも車の席次を気にしたほうがいい?
家族や友人と出かけるときに、席次を気にする必要はほとんどありません。ただし、親戚の集まりや義理の両親と乗るとき、恩師や目上の知人を送るときなど、改まった場面では席次を意識しておくと安心です。
義理の両親を車に乗せるなら、運転する人の隣(助手席)にどちらかに座ってもらうか、後部座席の運転席の後ろを勧めるとよいでしょう。プライベートでも、相手の好みや体調を聞いて席を決めるという考え方はビジネスと同じです。
まとめ|タクシーの上座は運転席の後ろ、迷ったら相手の快適さを優先しよう
タクシーの上座は運転席の後ろ、下座は助手席です。最後に、この記事のポイントを振り返りましょう。
- タクシーやハイヤーでは、運転席の後ろ→助手席の後ろ→後部座席の真ん中→助手席の順
- 助手席に座る目下の人は、行き先の案内と支払いを受け持つ
- 2人なら目下の人は助手席の後ろか助手席。3人なら真ん中を空けて1人が助手席
- 同乗者の誰かが運転する車では、助手席が上座になる
- 役員車では、足元の広さと乗り降りのしやすさから助手席の後ろが好まれることもある
- 乗るのは目上の人から、降りるのは目下の人から。支払いは到着前に準備する
- 雨の日や相手の体調・服装によっては、席次より乗り降りのしやすさを優先する
席次は、相手に敬意を示し、快適に移動してもらうための目安です。基本を押さえたうえで、相手の事情に合わせて柔軟に対応できることが、本当の意味でのマナーと言えるでしょう。
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- 役員の好みの席や、乗り降りしやすい停車位置を把握して送迎する
- 来賓が車寄せの建物側から降りられるよう、到着場所を前もって確認する
- 雨の日の傘の差しかけや、荷物の積み下ろしにも気を配る
- 会食の終了時刻に合わせてお迎えし、お酒の席のあとも安全にお送りする
役員車の車内では、移動中の電話や打ち合わせで機密情報が話されることも少なくありません。フィールドサービス株式会社では、すべての契約でNDA(秘密保持契約)を締結しているため、守秘義務が求められる送迎も安心してお任せいただけます。運転は、お客様の会社でご用意いただいた車両で行います。
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料金の目安と相談の流れ
料金は、利用頻度や時間、業務内容に合わせた個別見積もりです。条件が決まっていない段階でも、概算の見積もりを無料で出してもらえます。
| プラン | 専属運転手(同じ運転手が継続担当)/運転手の手配・業務委託(貴社車両を運転)/スポット短期(急な欠勤・イベント) |
|---|---|
| 料金 | 個別見積もり(条件が未確定でも概算OK) |
| 初期費用・解約手数料 | なし(契約期間は柔軟に相談可能) |
| 手配までの期間 | 最短1週間 |
| 車両 | お客様の車両を使用 |
| 守秘義務 | 全契約でNDAを締結 |
| 対応エリア | 東京都全域・神奈川・埼玉・千葉(エリア外も相談可) |
| 拠点 | 板橋本店・日本橋・西新宿・恵比寿・横浜 |
| ご利用者 | 法人・個人(ご家族の送迎にも対応) |
相談の流れはシンプルです。
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